今日は映画『カストラート』の中の一部をピックアップしました。
カストラートという名称を知らない人は多いとは思いますが、カストラートとは十歳くらいの少年を去勢することにより男性ホルモンの分泌を抑制し、男性の第二次性徴期に顕著な声帯の成長を人為的に妨げ、変声期(俗にいう「声変わり」)をなくし、ボーイソプラノ時の声質や音域をできうる限り持続させようとしたものです。
大抵の場合本人が望む望まないに関係なく、親やまわりの大人によってそうされてしまうケースが多かったようです。
しかし彼らは結婚したとしても子供を作ることは出来ず子孫を残せないわけです。
本来人間が持っている可能性を無くされている彼らは、才能がある者ほど究極の芸術家の道を選ぶのでした。
ベルカント唱法を初めとして、声楽の高度なテクニックの多くをカストラート達は身に付けて行くのですが、言い換えれば、声楽の技術はこの時代に完成したと言っても過言ではありません。

カストラートが生み出された背景には、人口が増えすぎたヨーロッパの、新大陸への移民もまだ成立していない時代の口減らしの意味合いもあり、女性は修道女に、男性は修道士に、またはカストラートに、という流れがあったようです。
また、女性が教会の中で歌うことを禁じられていた時代に、女性の音域まで出す事ができるカストラートはもてはやされ、名声も手に入れることもできたのです。

そして、この映画の声は有名なカウンター・テナーのデレク・リー・レイギンとソプラノのエヴァ・ゴドレフスカが元の声を担当し、主人公のファリネッリの声をデジタル合成で作っりだされました。
しかしきっと全盛期のカストラートの声もこのように素晴らしかったことと思います。







こちらはCecilia Bartoliソプラノ、本物の女性のLascia ch'io piangaです。
今日はイタリアオペラの二曲を選んで、貼り付けてみようと思います。
最初の曲はプッチーニ作曲のジャンニ・スキッキの中の O mio babbino caro(お父様にお願い)です。
この曲は子供の頃、オペラアリアの夕べと題された音楽会のチケットを母が頂いて、二人で渋谷の東急文化村に聴きに行った時にプログラムの中に入っていた曲で、それ以来すっかりお気に入りになってしまいました。
大学に入ってから自分も歌って、この曲の表現の奥深さを知り、本当に勉強になりました。

アンジェラ・ゲオルギュー(Angela GHEORGHIU)ルーマニア出身の声楽家 



キリ・テ・カナワ(Kiri Te Kanawa)ニュージーランド出身の声楽家


もう一曲はやはりプッチーニ作曲のマダムバタフライ(蝶々夫人)の中の Un bel di vedremo(ある晴れた日に)です。
舞台が日本なので、曲調もどこか日本の旋律らしいものが混ざっていて、イタリアオペラといっても身近に感じられます。

アンジェラ・ゲオルギュー(Angela GHEORGHIU)



キリ・テ・カナワ(Kiri Te Kanawa)

この動画はウェストサイドストーリー(ミュージカル)のスタジオでの様子です。
ウェストサイドストーリーはレナード・バーンスタインの作品で1957年に初演されました。
バーンスタインLeonard Bernstein ( 1918年8月25日 - 1990年10月14日)は、ユダヤ系アメリカ人の作曲家・指揮者・ピアニストで、ヘルベルト・フォン・カラヤンと並んで、20世紀後半のクラシック音楽界をリードしてきた音楽家です。
三大テノール歌手と賞賛されているホセ・カレーラスとのスタジオ風景ですが、音楽家同士の厳しいやり取りを見ることが出来ます。
動画は少々長いですが、どうか最後までご覧下さいね。