S さんはEDを治したい

2ヶ月に一度ぐらいのペースで治療してきたが、ほぼ毎回しっかり射精できていたので評価していただけたのであった。射精は一人前の男であることの確認なので、これを喜ぶ人は多い。あるいは、なんとか能力を回復したいと思う人も多い。

他のブログあるいはユーチューブ動画で公開している通り、最近は治療開始してすぐに脊柱ほぐしをすることも多い。側臥、反対の側臥、腹臥を組み合わせ、あるいは全部やる、ということもある。この脊柱の加振動で肛門、足、頭などが動いてきたら術者には感じ取れるのである。感受性反射法と呼んでいる理由の一つである。

もう一つ、近年に導入した技法がある。仰臥位での腹筋ほぐしである。

腹筋の下は内臓なので触りにくいかもしれないが、近年の振動器具、マッサージガンはよくできているので水平振動を用いるのであればなんの危険もない。

近年の発見にはもう一つのことがある。陰部から鼠径部に広がる線維性の皮膚、その解放の重大さである。というのは、この一帯は上半身の発する張力に対抗して会陰に向けて引っ張る力が必要だからである。

さらに、ここは臀部の皮膚、皮下組織、脂肪層の発する張力への対抗力も持っているからである。

すべての組織が張力を発するとみるべきである。

さらに、この繊維的皮膚は腰腹筋膜に続いていて、(女性の場合はバルバと呼ばれている)射精時には腰部筋などと一緒に急激に収縮して、ペニスの根本を締め上げ、亀頭への血液供給、気筒の膨らまし作用が働くための機構であるためである。

この部位と臀部、坐骨部の皮下組織と筋膜の緊張蓄積家庭と解放技法、変質からの回復現象についてはとても複雑なので別項で記述する予定である。

さて、S さんの経過であるが、今年の4月2日の当初のヒアリングでシビレのことが言われなかったので、おや、変わったかな、と思われた。また、花粉症かな、風邪かなという表現があり、また首を左から押し込むと喉の奥が動くということであった。また、下部脊柱にざわつき反応が現れていた。ペニスワークを長年やってきて、説明図のごときことが少しづつ進んでいて、とうとう喉にまで来たと見て良さそうであった。

次の4月21日の治療、めずらしく前回から20日しか経っていないが、においては骨盤上辺、ちょうどその表側の腹筋域が赤くなっていて動いていることを現していた。前回のあとにジワジワ解放が生じていたのである。

もう一つ、左大腿の皮膚を見るとミクロのツブツブを敷き詰めたような皮膚になっていて、内部に強い張力が蓄積されていることを表していた。そこで振動マシンと超音波ツールであるEstheup-Vを組み合わせて皮膚に水平振動を加えた。すると、大殿筋の中でピリピリという共振ほぐれ現象が発生した。肋間筋靭帯などで生じる現象と同じである。

多分仙骨と腸骨の間にしこりがあって、これがほどけたということであろう。

ということで、右側のしびれは仙骨神経叢から出る坐骨神経の隣の後大腿皮神経の広がる領域に現れたシビレであると判断された。

いろいろな仮説が組み合わさっているが、とうとうしびれの根源が解放されたのであった。

そして、仮説であるが、仙骨領域、仙腸関節が少し緩むことによって頭への刺激が過大な共振を生まなくなってきたので、頭への技法が使えるようになったのである。

全体として、とても効果が大きくて、左坐骨の周囲、ペニスの根あたりがじわりとほぐれ始めた。