20221.08.27

立操の特徴であるが、

立操が刺激点だけでなく、広い範囲の反射で次の解放点の準備を整える、とみえる。

もう一つの重要なポイントは”これでないと出来ない”ポイントが有るのです。

 

それは、会陰から体前面を登る筋膜の解放である。男女区別なくバルバと呼ぶことにする。

整体技術の中で全く無視されている部位である。

これを理論的に、言うと、くぼみには名前が与えられず、力学的な役割についても記述されていないということである。

会陰はめずらしく窪みにつけられた名前と見ることができるのだが、実際は白線などとおなじく、繊維の集合物につけられた名前である。

 

ところが、こうした部位は、全身の緊張の解放プロセスの最後に現れる重要な解放点である。しかし、解放は難しい。全身のテンション線の集合点であるから、反射点は全身であるという問題である。

こういう場所は立操が有効である。会陰については図のようなうつ伏せが良い。立操に準じるもので、仙骨域、臀部全体によく反射して効率が良い。

 

ED治療の場合は最初から脊柱の問題と分かっているので、治療の最初から立操を用いるのが良い。

全身の解放が長い期間をかけて深部まで進んだ時、大臀筋とまわりなどにひどい痒さが現れるという現象がある。

ここも全身の緊張があらわれているのである。

柔らかいから緊張がちくっせきしていない、ということではない。

尾てい骨から坐骨へのラインは大殿筋のエッジであるが、ここに脊柱の緊張が伝わっている。さらに、骨盤底筋群の緊張、歪みも伝わっている。全身が対称性を取り戻すとき、遅れて臀部も対称性を取り戻そうと動いてくる。

様々な結合組織、繊維の並び具合であるとか、不活性状態にあった血管が生き返り始めるとか、その部分に蓄積されていた老廃物の排出運動が始まるとかが起こる。それがかゆさとしてあらわれる。

これらを促進するために振動S-Sと振動ハンマーの組み合わせで臀部に振動を加えるとほぐれていくのである。挟み撃ちにする要領である。

 

人間の動作によって忙しい肩峰と鎖骨の交点も忙しい部位で、同様な性質、対処法を必要とする。間隙に上からハンマーを当てる。肩甲骨陵あるいは鎖骨をゆすることで、複雑な内部構造をゆするのである。