もうかなり昔のことですが


終末期ホスピスに


勤めていたことがありました。


 

新人看護師といっても良いくらいに


若かった私にとって


ホスピスでの日々は


自分を100%使って生きていた


大変だったけれども


宝物の時間の連続でした。


 

沢山の出会いがありましたが


その中のお一人である


Kさんとの出会いがありました。


 

Kさんは高齢男性で


お話が面白くて


機知に富んでいて

 

何時間でも聞いていたいくらい。

 

 

Kさんと会えるのが楽しみで

 

その日の担当看護師になると

 

ルンルンでお部屋に通っていました。

 

 

ある夜中に


「苦しい」とKさんからナースコールがあり

 

お部屋に伺い

 

お薬を調整し

 

効くのを待っている間

 

Kさんの背中をあたためながら

 

ゆっくりマッサージをしていました。


 

月明かりが綺麗な夜で

 

初夏の気持ちの良い風が

 

そよそよとカーテンを揺らし

 

私史上最高に


素晴らしく素敵な夜でした。

 

 

Kさんは


時々咳き込みながら


マッサージに身を委ねつつ


「奥様との出会い」について話してくれました。

 


まだ大学生だったKさんが

 

あてもなく散歩をしていたときに

 

橋のたもとで泣いている


女性を見つけたそうです。

 

 

どうしたのかとKさんが聞いたら

 

「婚約者に振られちゃったんです」

 

と女性がいうので

 

あまりにかわいそうだと思って

 

「だったら僕が結婚しますよ!」と

 

そのまま結婚したそうです。

 

 

Kさんは大学生で

 

女性は10才年上で

 

周囲の反対を押し切っての


結婚だったそうです。



まだ20代前半の


恋に焦がれる私は

 

なんて素敵な話なんだラブ


と感激して

 

以来


Kさんのお部屋に行くたびに

 

私がどれだけ感動したかを


切々と語っていました。

 


Kさんの余命は


数週間と言われていましたが


声に張りがあって

  

身の回りのことはご自身でされていて

 

ときどき近所に散歩に行ったり

 

残された時間を

 

ご家族とともに


穏やかに過ごされていました。

 

 

それでも夕方にご家族が帰ると

 

Kさんの個室から


ナースコールが頻繁で

 

残されるのが寂しい


とも話されていました。

 

 

私は何度も


Kさんのお部屋に伺い

 

一緒に過ごすようにしていて

 

患者さんの状態を書き留めておく記録も

 

Kさんの部屋で書いたり

 

当時の私はまだ新人で

 

先輩に呼び出されては


怒られてばかり

 

落ち込んでばかりの毎日を

 

Kさんはいつも励ましてくれて


どちらが看護師なのか


わからないくらいでした。


 

そして


ある日の明け方

 

私が勤務している最中に


Kさんが亡くなりました。

 

 

本当に静かで


穏やかな最期でした。

 

 

たまたま奥様と

 

海外で暮らしていた息子さんが


お部屋に泊まっていた時で

 

明け方の燃えるような朝日のなかで

 

Kさんは天国に旅立ちました。


 

奥様と息子さんは

 

〇〇さん(私)のことが

好きだったから

この時間を選んだのかな

 

と言ってくれました。

 


ホスピスなので

 

亡くなる患者さんは


毎日沢山いて


最期の場面で看護師は

 

ご家族が思いっきり感情を出せるような

 

環境をつくるのが役割なのですが

 

私はKさんの真横の特等席を陣取って

 

Kさんに抱きついて泣きました。

(後から上司にめちゃくちゃ怒られましたガーン

 

 

Kさんはにっこり笑った

 

いつも通りの


美しい横顔でした。

 

 

Kさんの納骨が終わってから

 

奥様がホスピスにご挨拶にいらした時


帰り際に


橋のたもとの出会いのことを


奥様に話したんです。

 

 

そうしたら!


なんと!!

 


全部ウソ!!!

 


やられた~笑い泣き

 

お話上手なKさん。


 

奥様が

 

〇〇さん(私)のことが好きだったのよ!


あの人ったら

好きなタイプの子にはすぐウソつくのよ


って大笑いしながら


おっしゃっていました。

 

 

帰り道に空をみあげながら

 

Kさん、やられました~


と思いました

 

きっとまだ若くて

 

恋に焦がれている


浮かれた私の気持ちを

 

ズバッと読み取っていたのでしょう。


 

患者さんが旅立つたびに


心がグラグラになる私に

 

いちいち感情を動かしていたら

身が持たないよ!


って先輩から教えてもらいましたが

 

経験が浅かったこともあり


感情を動かさないで


患者さんに接することが


どういうことなのか


全く分からなかったし

 

自分が未熟ということだけは


良くわかっていたので

 

全身全霊以上のものを


常に患者さんに注いでいました。

 

 

そうやって


持っているものを


120%出し切る時間と

 

患者さんとの出会いのなかで

 

私の魂が研ぎ澄まされていくことを


いつも感じていました。

 

 

私にとって


死は遠いものではなく

 

手を伸ばせば


すぐそこにあるものであり

 

だからこそ


生が浮き彫りになり

 

輪郭がはっきりするような

 

そんな気持ちを


まだ20代になったばかりに


痛いほど感じられたことは


生涯の宝物だったと思います。

 

 

以前に瞑想を学んだ時

 

亡くなった方と


いつでも意思疎通ができると聞いて

 

真っ先に浮かんだのは


家族でも親戚でもなく

 

Kさんや私が見送らせてもらった


患者さんたちでした。

 



何年経っても


思い出せば


胸がギュッとするほど


また会いたい人


話したい人たちが沢山います。



あちらの世界に行ったら

 

また会えるんだと思うと

 

いつかこの世を


旅立つことが楽しみなくらい

 

向こうの世界に


大好きな人たちが沢山います。




 

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