3才から18才まで
15年間もピアノを習っていました。
しかし
15年も習っていたのに
音符が全く読めませんでした。
何度 練習しても
先生がありとあらゆる説明をしてくれても
ドの音符と
ドの鍵盤
しか覚えられなくて
一音弾くたびに
えーと
ここがドだから
ドレミファ....
って指でひとつひとつ数えて
やっと次の音に移るという
気の遠くなる練習をしていました。
そもそも習ったきっかけは
小さい頃に習えなかったから
子どもたちにピアノを弾かせたい
という母の希望で
私は最初から
ピアノに全く興味がありませんでした。
それでも
3才の頃は
わけもわからず
教室に通っていたそうですが
物心ついても
全然楽しくないし
練習はつまらないし
先生は怖いし
音符は全く読めないし
本当にイヤでした。
それでも私は
兄弟が楽しく通っていたことや
先生が同じクラスの友だちのお母さんで
すごく近所に住んでいたことや
母の夢だったという思いがいつも心にあって
ピアノをやめたい
って一言を
どうしても言えませんでした。
今振り返ると
「言えなかった」のではなく
無意識にですが
母や家族のバランスを
小さいなりに精一杯考えて
自分で「言わない」選択を
していたんだと思います。
譜読みが全く出来ない私でしたが
ある時から
先生が弾いている指を見て
指の動きを丸々真似して弾く
というやり方を習得しました。
先生が
♪ドファミファド~
と弾けば
私も
♪ドファミファド~
と真似して弾く
これを延々と繰り返しました。
思えば
そんなまどろっこしい
練習に付き合ってくれた
先生にも感謝ですし
楽譜が読めなくても
指の動きをまるごと覚えられた私だって
案外すごいんじゃないかと思うのですが。
だから習得スピードは
同年代の子の3倍かかり
18歳でやっと
中学生レベルに到達するかな?
というところでやめました。
結局最後まで
ピアノを好きになることはなく
やめた以降は
一切ピアノに触れることもなくなりました。
それから20年以上経ち
我が家には夫が大学時代に買った
古いアップライトピアノがあるのですが
数年前にふと
ピアノを弾いてみようと思ったのです。
試しに
一曲弾いてみたら
案外ちゃんと弾けてびっくり。
ちなみに1番好きだったユモレスクを弾きました
そしてもう一つのびっくりは
ピアノの音色に感動する私がいるのです。
なんて素晴らしい音なんだろう
なんて素晴らしい曲なんだろう
一音一音が体のすみずみに響いてきて
当時はなーんにも考えないで
弾いていた曲たちの
素晴らしさ
転調の美しさ
曲の世界観
音のひとつひとつが
私の体に
ぐんぐん入ってくることを感じました。
あの頃は本当に大っ嫌いだったピアノ
習いたくなんかなかったし
母が無理やり習わせたと思っていたピアノ
先生もすごく怖かったし
泣きながら練習して
なんで私だけ楽譜が読めないんだろう
なんで私はこんなにバカなんだろう
バカを認識する為だけに
弾いていると思っていた大嫌いなピアノ
発表会で
1番長く習っているのに
1番簡単な曲しか弾けない私
ピアノを弾くたびに
自分は無能だと心から感じていた
憎むべき相手だったピアノ
どの曲も私には響かなかったし
ピアノそのものを見たくもなかった。
でも
人生の折り返しで
ピアノが弾ける私
ピアノの音に感動できる私
長く習わせてくれた両親
教えてくれた先生
一緒に通ってくれた兄弟
通い続けた私
ピアノが弾ける環境で育ったこと
どれもこれも
本当に本当に
ありがたいことだったなと思います。
そして
母に怒られるからでも
先生に怒られるからでも
レッスンの時間だからでもなく
ただただ自分のためだけに
ピアノを弾く喜びを
ここ数年
しみじみと味わっています。
なんとびっくり
あの頃何をしても
覚えられなかった音符が
今、少しずつ読めるようなっています。
私の人生に
ピアノを授けてくれた
両親に感謝です。
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