逮捕から12日目。

保護命令申立書への答弁書を午前中に書き終え、担当さんに渡し郵送してもらった。

この日は回診の日だと聞いていたが、午前中に先生は来なかった。
珍しく午前の取調べもなかった。


午後
回診に先生がやって来た。

私の順番が来たのは14時。

安定剤の【デパス】を【毎食後】に飲めるようにしてもらいたい。それとパニック障害の頓服【アルプラゾラム】を、【発作時】ではなく【不安時】に飲めるようにしてもらいたい旨伝えた。

先生は『デパスを毎食後は無理。』と言った。
『なんでですか?』と言う問いに、『不安時にしとこか?』と答えた。
微妙に噛み合ってないけど、まぁええか…

『頓服は発作の時に飲むんと違うんかいな?』と言う先生に、『発作起こる前に飲みたいんです。動悸したり指がしびれたり不安になった時に飲みたいんです。』と言った。
先生は『食後に飲むか?』

いやいや…
だから…

大丈夫かいなこのお爺ちゃん先生(-_-;)

私『頓服飲めるのは一日二回ですよね?不安時に飲めるようにして下さい。』

先生『発作時にしとこか。』

私『いや、だから…動悸時とかに出来ませんか!?』

先生『ほな動悸時にしとくわ。』

なんか、言葉のキャッチボール下手?みたいな先生でした(^_^;)




その後すぐに取調べに呼ばれた。

私はモヤモヤしていた。

これまでは、『反省、謝罪、感謝、この気持ちだけを持って、この機会に自分自身を見つめ直し、悪いところは悔い改めよう。』

そう思っていた。

しかし、申立書のデタラメだらけな内容を見てしまった今、色んな思い、感情、疑問が出て来たのだ。

なんでそこまで嘘をつく必要がある?
そんなに極悪人にしたい理由は?
あれだけ溺愛し、可愛がっていた娘にも暴力を振るったと嘘をつく必要は?
娘への接近禁止命令を出してもらうイコール自分にも近寄って来れなくなる。という理由からか?

望んで出来た子供では無いという理由はどこにある?
この部分は本当に腹が立つ。



とは言え、私は既に相手の言い分を認め、やっていない事実までやった事にされている調書にサインしてしまっている。
警察署でも検察庁でもだ。

今更反論しても、どうにもならないか…
また私の精神状態を撹乱させる手法を取られるのも怖い。

今日の取調べがどういう取調べになるのかは分からない、自分自身の気持ちや精神状態がどうなるかも分からない。
取調べに行く直前、私は担当さんに『弁護士さんに接見お願いします。と伝えて下さい 』とお願いした。
弁護士の福田先生に、保護命令申立書を読んだ後の気持ち、今からしていない事を否認する事は出来るか?色々と相談したかったからだ。

それまでは暴力の内容などを聞かれても黙秘しようと思った。


14時27分取調べが始まった。

私はデスクの上に置かれている物を見てあ然とした。

デスクの上には友達に預けていたSDカードが置いてあったのだ。

逮捕される前、私は、もし逮捕され、持ち物を押収とかされたら困ると思い、娘の写真が入ったSDカード、写真や動画が入ったマイクロSDカード、家を出る際にレコーダーからダビングした娘の動画が入っているブルーレイディスク、これらを数人の友達や知人に分けて、預けていた。

その中の一枚のSDカードが今ここにあるのだ。



K刑事はこう切り出した。
『倒れたみたいですけど、頭は大丈夫みたいですね。』
『これは◯◯さんが△△さんに預けていたSDカードです。なんで預けてたんですか?ここに▲▲さん(妻)の裸の画像が入っているんじゃないですか?』

呆れる…
まだそんなこと言うんかいな…


私『そのSDカードなんで△△のとこに預けてるってわかったんですか?』

K『調べたからです。』

私『それは俺のSDカードやし、勝手なことせんといてくださいよ。』

K『中身は?』

私『黙秘します。』

K『見られると困る物が入っているんですね?』

私『黙秘すると言いましたが。』

K『他に誰かに預けている物はありますか?』

私『黙秘します。』

K『被害者にこのSDカードを返す気はありますか?』

私『ありません。返すとかじゃなくて、それは俺の物です。』

K『中身は被害者からしたら気になりますよね。それでも中身について黙秘しますか?反省していないと受け取りますよ。』

私『ちょっといいですか?』

K『はい。いいですよ。』

私『先日届いた裁判所からの保護命令申立書を読みました。娘に暴力を振るっていたとか、避妊を求めたのに俺がそれに応じず、子供を妊娠してしまったとか、全く身に覚えのない事が山ほど書かれていたんです。』
『なので今までみたいに反省とか謝罪とかだけではない気持ちも出て来たんです。』
『裸の写真とかもアホらしくてもう、うんざりです。』

K『その申立書に何が書いてあったか知りませんが、それは民事の話ですよね?』『土俵が違います。今はSDカードの話です。』

私『土俵が違います言うんやったら、SDカードも土俵違いちゃいますか?傷害事件と関係ありませんやん。』

K『被害者は◯◯さんに怯えてるんです。暴力がきっかけでしょ?土俵は違いません。』

私『とにかく次に弁護士さんと接見するまでは黙秘します。』
『全て黙秘します。』

K『これは◯◯さんの問題でしょ?反省の態度を示したいなら、このSDカードの所有権も放棄した方が◯◯さんの為にもなりますよ。』

私『沈黙』



K刑事が立ち上がり、取調室のドアを半分ほど開け何か小声で言っている。


K刑事が取調室を出て行くのと入れ替わりにМ刑事が入って来た。


またこのやり方か…
動悸がしだした。

ダウンダウンダウン前回М刑事が登場した時の記事です。

【М刑事登場】
【陥落】


私はすかさず言った。
『デパスとアルプラゾラムを飲ませてください。』

М『後でええか?』

私『今すぐ飲ませて下さい。』


薬を飲むにはわざわざ留置場に戻らないといけないらしい。


私は、留置場に戻り安定剤と頓服を飲んだ。
発汗し、動悸も激しく、呼吸も乱れている。


担当さん『もう調べ終わりやろ?ゆっくり休んどき。』

私『まだ終わってませんよ。』

担当さん『まだやるんかいな(苦笑)』



15分ほど休ませてもらい、落ち着いたところでまた取調室へ戻った。
そこに居るのはМ刑事だ。


М『裸の写真あるやろ!この中に!』『所有権放棄せえ!』

私『今日はもう何も話しません。』

М『見られたらやばいもんが入っとるんやな!』

私『沈黙』


いちいち怒鳴って来るので、うっとうしくて仕方がないし、やはり怖い。


結局私は何も話さないまま夕食の時間になり、この日の取調べは終了となった。

私が裸の写真の存在を尋ねられ、それすら黙秘したのには訳がある。

毎度毎度理不尽な取調べを受け、いい加減うんざりだし、抵抗したかった。

手間掛けて令状でも何でも取ってSDカードの中身を調べればいい。
その結果何もありませんでした。
ご苦労さん。
そんな展開にしてやろうと言う、小さな、そしていつまで続けられるか分からない抵抗だった。


明日からどんな手段を使って取調べて来るのか不安でしょうがなかった。


今日は悪夢を見そうだなと思いながら床に就いた。

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