逮捕から20目。

勾留期限満期を翌日に控えた私は、この日検面へ行く事になった。

この日の検面を経て、私の処分が決まる。

福田先生は最悪でも罰金刑だと言っていたが、私はやっていない事まで認めてしまっているので、起訴されるのでは?という気持ちでいた。



今日は検察庁へ向かう途中、立ち寄る警察署が多いようで、いつもより早い8時50分に集中のバスは警察署を出発した。


いつもと同じく10時頃に検察庁に到着した。


同部屋のT君も、明日が勾留期限満期。
この日の検面も一緒だった。

ダウンT君に関する記事。
新入りさん


この19日間でT君はすっかり変わってしまっていた。

逮捕された当初は涙しながら反省していた彼だったが、おやっさんを始め、同じ留置場の被疑者達の影響を受け、どうすれば罪が軽くなるか、どう取調べで供述すれば相手が悪いように出来るか。
そんな事ばかりを他の被疑者に相談し、考えている様だった。
『こう言うたら引っくり返せるかも知れんぞ!』とか、嘘の事実を供述する事を考えたりしている事を堂々と話していた。

逮捕当初の彼とは別人だ。

少しでも早く釈放されたい。
そう思うのは当然だと思うが、T君の変わりようには正直引いた。



10時33分から12時06分まで、検察官調べを受けた。

内容は、警察で作成した調書の内容に間違いないかの確認や、今現在被害者に対しての気持ち等を聞かれた。
私は、『暴力を振るった事は肉体的にだけではなく、精神的にも苦痛を与えてしまい申し訳ないと思っています。』
そう答えた。

もちろん悔しさや、怒りの気持ちもあったが、そんな事をここで言える訳も言う必要も無い。

後は、被害者は体を抱え上げられ床に叩きつけられたと今でも言っているが、あくまでもそれは認めないのですね?
と、確認されたりもした。

最後に警察で作成した内容とほぼ同じ内容の調書を作成し、それに署名、指印した。

これで検察官面前調書は終わりだ。
後は検察が私の処分をどうするか決めるだけだ。



日本の刑事裁判の有罪率は99%を超えている。
異常な数字である。
先進諸国では7割~8割だそうだ。

日本では起訴イコール有罪なのだ。

司法には言い分があるらしい。
『それは有罪になる事件しか起訴をしていないからだ。』

おかしくないか?
その言い分だと、検察が司法の役割を担っていると言う事ではないか。

有罪にするか無罪にするかは司法、裁判所が決めるのではないのか?

本当にこの国の司法は腐っている。



とにかく起訴されれば有罪。

福田先生の言うように、最悪でも罰金刑なのかも知れない。

とにかく結果を待つしかない。
明日が勾留期限満期だ。
明日その答えが出る。



集中で警察署に戻ったのが17時過ぎ。


18時に福田先生が接見に来てくれた。

夕方に担当検察官に処分がどうなるかを尋ねると教えてくれると言う。
しかし福田先生が電話をした時、私の担当検察官は不在で、私の処分がどうなるかを聞くことは出来なかったらしい。


福田先生『明日釈放されるのは間違いないと思いますよ。』

私『もし罰金刑になったとしたら、私はお金を払えません。なのでその時は出れませんよね?』

福田先生『いいえ、出れますよ。』



略式起訴され罰金刑になった場合、その場でお金が払えなくても釈放されるらしい。
ただ釈放後、決められた期日までにお金を収めないと、労役場に留置され、一日辺り5000円の労務をして、罰金を全額払い終えると出れるということだ。



福田先生『明日釈放されたらすぐに連絡して下さいね。待ってます。』

との言葉で接見は終了した。


明日シャバに出れる事を期待するのはやめておいた。

もし起訴された時のショックが大きいからだ。

いずれにせよ明日には答えが出る。

起訴され拘置所に行く事になろうが、釈放されようが、ようやくここの嫌な刑事達とお別れ出来る。
それだけは間違いない。

本当に長く苦しい20日間だった。


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