朝9時
私は検面の為、集中のバスに乗せられ検察庁へと向かった。
前回の検面では調書も作成せず、ほんの数分の取調べだった。
今日はどうなるんやろう…
また今日の昼食はあの不味いおにぎりか…
そしてまたあの硬いベンチの様なとこに何時間も座らされるのか。

そんな事を考えながら、バスの中から外の景色を眺めていた。
検面の時位にしか見れない外の景色。
しかし、切なさや情けなさを感じるだけだった。
外を歩く人々、道行く車、何を見ても別世界の物を見ている感じだ。
外からは中が見えない仕様のガラス窓。
その中には手錠で繋がれた被疑者や被告人が乗っている。
ガラス一枚とは思えないほど、外の世界とは隔離されている感覚だった。
検察庁到着
手錠を外され檻の中へ…

さて、週刊誌でも読むか。
今日何をどう話すとか、どんな取調べになるんやろ?
とか考えたくなかった。
検察庁にも処方された薬は持って来られている。
しかし発作を起こすまで飲めない。
あれこれ考えて不安になり、発作を誘発したくなかったので、週刊誌を読みふける事にした。
取調べは出たとこ勝負でええわ。
この日同じ警察署からは三号室の新しく入って来た50代後半のおっちゃんと一緒だった。
電車の中で女子高生のお尻に股間を押し付けて逮捕されたらしい…
それも今回が2度目だそうだ。
この方とあまり話す気はしなかったので、ひたすら週刊誌を読んでいた。
正午になり、また例の不味いカチカチパサパサおにぎりを、お茶で流し込んだ。
昼食後辺りから何故か調子が悪くなった。
吐き気、胸の痛み、目眩。
週刊誌を読むのをやめ、目を閉じ、背中の壁に寄り掛かっていた。
14時頃、私は呼ばれ小◯検察官の部屋へ。
警察署での調書を元に取調べが始まった。
小◯『 口論の末、妻の腕と肩を掴み、布団の上に押し倒した。
この際、妻は布団に後頭部を激しく打ち付け、ドンッと言う音がした。
その後馬乗りになり、首を締め上げた。そして、妻の腹を力一杯3回殴った。』『間違いないですか?』
私『…間違いありません。』
小◯『抱え上げたのではないのですか?』
私『抱え上げてはいません。』
小◯『床ですか押し倒したのは?正直に答えて下さい。』
私『布団の上です。』
小◯『どんな布団ですか?』
私『10センチ位のマットの上に敷布団が敷いてあって、その上に羽毛の掛け布団が掛けてありました。』
小◯『そんな場所に押し倒しただけで、頭部打撲、外傷性頸部症候群と言う怪我をするのは不自然じゃないですか?』『抱え上げて叩きつけたか、布団ではない場所に押し倒したんじゃないですか?』
私『抱え上げてもいませんし、押し倒したのは間違いなく布団の上です。』
そんなやり取りが40分程あった。
そして調書が作成され、私はそれに署名、指印した。
首も締めていないし、腹も殴っていない。
不本意ではあるが、私は認めた。
弁護士の福田先生が言った、抱え上げてはいない、倒したのは布団の上だとハッキリ言って下さい。という言葉は何とか守れた。
事実でない事まで認めた理由は一言では語れないし、上手くは伝えられません。
伝えられる範囲で書いてみます。
まずは、もう取調室で怖い思いをしたくなかった。
フラッシュバックもパニック発作も怖い。
私にはもう失うものは何も無い。
娘が全てだったから。
どうなってもいいという気持ち。
妻に日頃から受けていたモラスハラスメントを証明できるスマホの所有権を放棄してしまった。
反省、謝罪、感謝、憎悪、争い。
この気持ちを全て私の心の中で共存させる事は無里だった。
なので私は、『謝罪、反省、感謝』の気持ちだけを持っていこう。
これまでの自分の生き方にも沢山の反省点がある。
自分を見つめ直し、悪いところは悔い改めていこうと思った。
そして妻は、私の事を攻撃し放題だ。
守るものも失うものも無い私のことを、でっち上げの被害届で攻撃して来る。
しかし私は反撃する手段が無い。
あったとしても、妻の元には娘が居る。
攻撃、反撃など出来ない。
娘も巻き込んでしまうかも知れないから。
ザックリと話せば、この様な理由から、私は事実無根な事まで認める調書にサインをした。
検面が終わり、溜まりに戻った私は、相変わらず体調が優れなかった。
早く帰って留置場で横になりたかった。
結局警察署に戻ったのが17時半頃。
夕食を少し食べて、すぐに横になった。
動悸、胸の痛み、吐き気、目眩が酷い。
20時
洗顔の時間だ。
押入れから布団を部屋に運び、歯を磨き、顔を洗い、後はボディーチェックを受け、部屋に入るだけだ。
ボディーチェックで両手を上げた瞬間、今まで経験したことのない激しい目眩に襲われた。
私は立った状態からそのまま後ろに倒れた。
床に後頭部を打ち付け激痛が走った。
留置場内が大騒ぎになった。
担当さんが『かなり強く頭ぶつけたから動くな!今救急車呼ぶから!』
え?(-_-;)
そんな大袈裟な
私『大丈夫です。目眩がして倒れてしもただけで、頭も大丈夫です。』
そう言った。
担当さん『あかんあかん!医者に見てもらわんと頭やから危ない。ここには医者はおらんから救急車来るからな。そのまま起き上がるな。』
私『はい。申し訳ありません。』
すぐに救急隊員が来た。
血圧が低く、脈が早いとの事。
頭は痛いけど大丈夫てす。と伝えるも、結局病院に搬送される事に…

手錠を掛けられストレッチャーに乗せられ救急車に。
2名の警察官が付き添った。
まだ目はグルグル回っている。
俺の体に何が起こってるんやろ?
病院に到着するまでに恐らく30分程掛かった。
病院に着いた頃には目眩は治まり、頭が痛いだけだった。
頭のCTを撮るという事で、CT検査室へ移動。
この時私は『見覚えがあるような場所だな』と思った。
私が運ばれたのは、検診や怪我をした時に娘を連れて来ていた病院だったのだ。
涙がこぼれた。
娘のことを思い出した。
娘とよく来た病院に、今私は手錠を掛けられ来ている。
やり切れない気持ちだった。
CT検査の結果、異常はないという事で、痛み止めを処方してもらい警察署へ戻ることになった。
目眩の原因は不明。
近いうちに耳鼻科の受診を勧められた。
警察署へ戻ったのが夜中の2時半。
担当さんが凄く心配してくれていた。
『大丈夫か?体掴んで止めたろと思ったけど間に合わんかったわ。』
『凄い音したで、痛いやろ頭。』
『明日は調べ休ませてもらい。』
そう言ってくれた。
もちろん『またわざとか?』とか言われるので休む気はない
倒れて救急搬送などされると、書類を書いたり、何かと大変だろう。
担当さんには本当に迷惑を掛けてしまった。
明日は回診の日らしい。
薬を好きな時に飲めるように頼まなければ。
こうして長い一日が終わった。


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前回の検面では調書も作成せず、ほんの数分の取調べだった。
今日はどうなるんやろう…
また今日の昼食はあの不味いおにぎりか…
そしてまたあの硬いベンチの様なとこに何時間も座らされるのか。

そんな事を考えながら、バスの中から外の景色を眺めていた。
検面の時位にしか見れない外の景色。
しかし、切なさや情けなさを感じるだけだった。
外を歩く人々、道行く車、何を見ても別世界の物を見ている感じだ。
外からは中が見えない仕様のガラス窓。
その中には手錠で繋がれた被疑者や被告人が乗っている。
ガラス一枚とは思えないほど、外の世界とは隔離されている感覚だった。
検察庁到着
手錠を外され檻の中へ…

さて、週刊誌でも読むか。
今日何をどう話すとか、どんな取調べになるんやろ?
とか考えたくなかった。
検察庁にも処方された薬は持って来られている。
しかし発作を起こすまで飲めない。
あれこれ考えて不安になり、発作を誘発したくなかったので、週刊誌を読みふける事にした。
取調べは出たとこ勝負でええわ。
この日同じ警察署からは三号室の新しく入って来た50代後半のおっちゃんと一緒だった。
電車の中で女子高生のお尻に股間を押し付けて逮捕されたらしい…
それも今回が2度目だそうだ。
この方とあまり話す気はしなかったので、ひたすら週刊誌を読んでいた。
正午になり、また例の不味いカチカチパサパサおにぎりを、お茶で流し込んだ。
昼食後辺りから何故か調子が悪くなった。
吐き気、胸の痛み、目眩。
週刊誌を読むのをやめ、目を閉じ、背中の壁に寄り掛かっていた。
14時頃、私は呼ばれ小◯検察官の部屋へ。
警察署での調書を元に取調べが始まった。
小◯『 口論の末、妻の腕と肩を掴み、布団の上に押し倒した。
この際、妻は布団に後頭部を激しく打ち付け、ドンッと言う音がした。
その後馬乗りになり、首を締め上げた。そして、妻の腹を力一杯3回殴った。』『間違いないですか?』
私『…間違いありません。』
小◯『抱え上げたのではないのですか?』
私『抱え上げてはいません。』
小◯『床ですか押し倒したのは?正直に答えて下さい。』
私『布団の上です。』
小◯『どんな布団ですか?』
私『10センチ位のマットの上に敷布団が敷いてあって、その上に羽毛の掛け布団が掛けてありました。』
小◯『そんな場所に押し倒しただけで、頭部打撲、外傷性頸部症候群と言う怪我をするのは不自然じゃないですか?』『抱え上げて叩きつけたか、布団ではない場所に押し倒したんじゃないですか?』
私『抱え上げてもいませんし、押し倒したのは間違いなく布団の上です。』
そんなやり取りが40分程あった。
そして調書が作成され、私はそれに署名、指印した。
首も締めていないし、腹も殴っていない。
不本意ではあるが、私は認めた。
弁護士の福田先生が言った、抱え上げてはいない、倒したのは布団の上だとハッキリ言って下さい。という言葉は何とか守れた。
事実でない事まで認めた理由は一言では語れないし、上手くは伝えられません。
伝えられる範囲で書いてみます。
まずは、もう取調室で怖い思いをしたくなかった。
フラッシュバックもパニック発作も怖い。
私にはもう失うものは何も無い。
娘が全てだったから。
どうなってもいいという気持ち。
妻に日頃から受けていたモラスハラスメントを証明できるスマホの所有権を放棄してしまった。
反省、謝罪、感謝、憎悪、争い。
この気持ちを全て私の心の中で共存させる事は無里だった。
なので私は、『謝罪、反省、感謝』の気持ちだけを持っていこう。
これまでの自分の生き方にも沢山の反省点がある。
自分を見つめ直し、悪いところは悔い改めていこうと思った。
そして妻は、私の事を攻撃し放題だ。
守るものも失うものも無い私のことを、でっち上げの被害届で攻撃して来る。
しかし私は反撃する手段が無い。
あったとしても、妻の元には娘が居る。
攻撃、反撃など出来ない。
娘も巻き込んでしまうかも知れないから。
ザックリと話せば、この様な理由から、私は事実無根な事まで認める調書にサインをした。
検面が終わり、溜まりに戻った私は、相変わらず体調が優れなかった。
早く帰って留置場で横になりたかった。
結局警察署に戻ったのが17時半頃。
夕食を少し食べて、すぐに横になった。
動悸、胸の痛み、吐き気、目眩が酷い。
20時
洗顔の時間だ。
押入れから布団を部屋に運び、歯を磨き、顔を洗い、後はボディーチェックを受け、部屋に入るだけだ。
ボディーチェックで両手を上げた瞬間、今まで経験したことのない激しい目眩に襲われた。
私は立った状態からそのまま後ろに倒れた。
床に後頭部を打ち付け激痛が走った。
留置場内が大騒ぎになった。
担当さんが『かなり強く頭ぶつけたから動くな!今救急車呼ぶから!』
え?(-_-;)
そんな大袈裟な

私『大丈夫です。目眩がして倒れてしもただけで、頭も大丈夫です。』
そう言った。
担当さん『あかんあかん!医者に見てもらわんと頭やから危ない。ここには医者はおらんから救急車来るからな。そのまま起き上がるな。』
私『はい。申し訳ありません。』
すぐに救急隊員が来た。
血圧が低く、脈が早いとの事。
頭は痛いけど大丈夫てす。と伝えるも、結局病院に搬送される事に…

手錠を掛けられストレッチャーに乗せられ救急車に。
2名の警察官が付き添った。
まだ目はグルグル回っている。
俺の体に何が起こってるんやろ?
病院に到着するまでに恐らく30分程掛かった。
病院に着いた頃には目眩は治まり、頭が痛いだけだった。
頭のCTを撮るという事で、CT検査室へ移動。
この時私は『見覚えがあるような場所だな』と思った。
私が運ばれたのは、検診や怪我をした時に娘を連れて来ていた病院だったのだ。
涙がこぼれた。
娘のことを思い出した。
娘とよく来た病院に、今私は手錠を掛けられ来ている。
やり切れない気持ちだった。
CT検査の結果、異常はないという事で、痛み止めを処方してもらい警察署へ戻ることになった。
目眩の原因は不明。
近いうちに耳鼻科の受診を勧められた。
警察署へ戻ったのが夜中の2時半。
担当さんが凄く心配してくれていた。
『大丈夫か?体掴んで止めたろと思ったけど間に合わんかったわ。』
『凄い音したで、痛いやろ頭。』
『明日は調べ休ませてもらい。』
そう言ってくれた。
もちろん『またわざとか?』とか言われるので休む気はない

倒れて救急搬送などされると、書類を書いたり、何かと大変だろう。
担当さんには本当に迷惑を掛けてしまった。
明日は回診の日らしい。
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