逮捕、勾留から7日目。

私は昨日の取調べで、数々の事実と異なる供述調書に署名、指印をしてしまった。

このままではまずい。
早くお薬を貰って、パニック発作の恐怖から抜け出さなければ、これからも同様の調書を取られてしまう。


私は担当さんに相談した。
『留置場だけやなくて、取調室でも発作を起こしてしまいました。』
『お薬がないと、取調べで刑事さんが言ってることすらまともに聞けない、頭に入って来ないです。』 
『早目にお薬なんとかしてもらえないでしょうか?』

おやっさんも助け舟を出してくれた。
『ここ(留置場)でも過呼吸起こしてるの見てるけど、あんな状況やったら刑事のええように調書巻かれてまうで!』と言ってくれた。
(調書を作成することを『調書を巻く』と言う)


担当さんは『明日先生が回診に来る日やから、明日先生に言うたら、明後日には薬出るわ。』と言った。
続けて『具合悪かったら降りてこれるで、今日は体調が悪いから取調べは無理です。って言うたらええ。』
そう言って頂いた。


しかし取調べ中、パニック障害を理由に取調べを中止してもらうことは出来なかった。
というか私自身がしなかった。

昨日取調べ中に発作を起こした時に、私はK刑事の相棒であるМ刑事にこう言われた。
『留置でも過呼吸起こしてるみたいやけど、わざとやってるやろ!』と言われたのだ。

要するに私の発作は演技だと言うのだ。


私はこの出来事を。おやっさんに愚痴った。
するとおやっさんは
『あっちが痛いこっちが痛い、今日は体調が悪いって嘘つく奴が多いから、同類やと思われてるんや。』と言った。

とんでもない!

早く取り調べを進めて貰わないと、20日間目一杯勾留されてしまう。
演技や嘘で取調べから逃げるメリットを俺は見いだせなかったし、何よりも【演技だと思われている】というのが悔しいので、絶対にどれだけ苦しくても取調べから逃げないと決意した!
私は変なところで意地になる性格をしているのだ…



この日は週に2回の入浴日だった。
朝食を済ませると、順番に入浴だ。

今日は私がいる2号室から順番に入浴だ。
しかも私が一番だ。

これは嬉しかった。

前回の入浴は逮捕から3日目。
順番は最後の方で、湯船のお湯は濁っており、とても湯船に浸かる気がしなかった。

でも今日は一番風呂!
体を洗い、湯船に浸かる。
超気持ちいい♪~
ほんの束の間の幸せでした(*^_^*)

ちなみに入浴時間は20分。
人が多い他の警察署では、15分だったりするらしい(おやっさん談)


入浴後洗濯ネットに洗濯物を入れ、洗濯をしてもらう。
洗濯が終われば、留置場の裏の細い通路にある、窓に付けられた鉄格子に洗濯物を干す。
ちなみにこの窓は、朝たまに空気の入れ替えの為か開けられる。

この時は外が見える。
外が見えると言っても、警察車両が並ぶ駐車場しか見えなかったが…


入浴を終えた私は、運動に出た。

逮捕された時はまだ少し暑い感じの日もあったが、この日は涼しくて、入浴後に涼むには最適な気温だった。

ひげを剃り、爪を切り、綿棒で耳掃除をし、外(網が張り巡らされた天井)から入ってくる外の空気を吸い、日光を浴び、とても気持ち良かった。

入浴、運動を済ませ、次は洗濯物干しだ。
私が今身に着けているのは全て借り物の服で、○の中に留と書かれている服だ。
最初のうちは、そんな服を着るのも嫌だったが、この頃には何とも感じなかった。


そうこうしているうちに、時間は10時を少し回っていた。

午前取調べがあっても、基本12時まで。
今から呼ばれても、2時間弱で、昼食に降りて来れる。
ほんの少し気が楽だった。



結局この日、取調べに呼ばれたのは11時頃だった。
午前の取調べは、昨日のオマケのような調べだった。

『床に叩きつけて、相手が大怪我をするのではと思わなかったのか?』
『口の中を切ったと被害者は言っているが、何故病院に連れて行かなかったのか?』
等だ。

床と言ってもフローリングでなければ、畳でもない。
私が押し倒したのは布団の上だ。
頭を強打したようにも見えなかったし、布団の上なので、怪我をするなんて想定外でした。もちろん昨日の調書にあった『ゴンッ』という音もしていない。

口の中が切れていると言われたが、確かに黙らせようと力一杯口をふさいだ。
しかし目に見える出血もなかったので、病院に連れて行くというのは考えなかった。

そう供述した。

ここで午前の取調べは終わった。



私は留置場での生活で、大変困っていることがあった。
コンタクトレンズだ。

留置場には、ソフトコンタクトレンズの容器や保存液はあるものの、ハードコンタクトレンズ用の保存容器や保存液は無い。

自弁購入するしかないのだ。
(自分の所持金の中から、生活に必要な物、お菓子、レターセット、切手、雑誌等が購入できる。)

私は乱視が強く、メガネやソフトコンタクトレンズでは視力を矯正出来ない。
なのでハードコンタクトレンズを使用していた。

メガネも持っていたが(この時はJ氏宅に置いてあった)、それでは運転免許証の更新もできない程度にしか見えない。

仕方なく私はソフトコンタクトレンズ用の保存容器と保存液を借りて使用していたが、やはりソフトコンタクトレンズ用のそれは合っていないからか、目の調子が悪い。

これでは目もコンタクトレンズもダメになってしまう。
そう思い、担当さんに頼んで、ハードコンタクトレンズ用の保存容器と保存液を買って来てもらうようにお願いした。

ちなみにこの時の私の所持金は五千円程。
日記を書くために、ノートを買ったり、荷物を置かせてもらっているJ氏に、釈放されるまでの荷物の預りの依頼をする手紙を書くために、レターセットと切手も買っていた。

J氏には、私の洋服の差し入れもお願いした。
出来ればやっぱり○留の服は着たくない。
ブカブカだったり、ピチピチだったり、もう嫌。
自分に合ったサイズの服が着たくなる。



午後の取調べが始まった。

今日は15時頃に面会の予約が入っている。
そう告げられた

恐らくJ氏が来てくれるのだろう。


唐突にK刑事がこう切り出した。
『スマートフォンの中にはどんなデータが入ってますか?』


データ?
そりゃ、ちょっとしたメモ書きや、友人、知人、色んなお店の電話番号やメアド。
それに写真類だ。

そう答える私にK刑事が怒った表情でこう言ってきた。

『被害者の裸の写真があるやろ!セックスしている時の写真が!』
『それをばら撒くって脅されてるって言うとる被害者は!』


また出た…
訳のわからん話が…

ちなみに私はそんな趣味もないし、そんな画像はどこにもない。


毎日毎日、次から次へと出て来る身に覚えのない話。

もう疲れる…
反論するのもバカバカしくなってくる。

思い出し、ブログを書いているだけでも、モヤモヤ悶々とする。


K刑事は、スマートフォンを所有権放棄すると言う紙に、サインしろと迫ってくる。
私は拒否した。

それは存在しない裸の写真を守るためではないのはもちろんだ。

守らなければいけない大切なデータがスマホに入っていたからだ。


続きは次回書かせて頂きます。
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