私と妻はネットで知り合った。
私は関西、妻は関東に住んでいた。

チャットで色々と話したりしているうちに意気投合し、毎日チャットやメールをやり取りする程仲良くなった。

その当時彼女は結婚していて、娘さんも一人いた。
旦那さんには内緒で隠れてメールなどをしていると聞いていた。

彼女は旦那さんからDVを受けている、そして自分自身は育児に疲れて虐待みたいなことを娘にしている。とよく悩み事を相談されていた。

ある日彼女からメールが届いた。
そのメールには彼女の携帯電話の番号が書かれていた。
文章は無い。
ただ番号だけが書いてあるのだ。

私は旦那さんからのDVや、育児のことで精神的に追い詰められているのでは?このメールはSOSのメールではないかと感じた。

私は迷わずすぐに彼女に電話した。
彼女は案の定泣いていた。

夫婦関係も育児ももう耐えられないと泣いていた。

育児のことに関して、私はあれこれアドバイスしていたりもしたが、育児をしたことのない私のアドバイスは的確であったとは、今振り返ると思えない。
ただ、彼女の中に溜まった感情を私に吐き出して、少しでも楽になってくれればいいなと思っていた。

電話で彼女が言いたいことを言い切った辺りで、過去にあった笑える体験などを話した。
彼女は笑って話を聞いてくれた。
電話した時は号泣していたのに、今は笑ってくれている。
ホッとした。

その日を境に、毎日のように電話で話すようになった。

夜、車で家を出て、コンビニの駐車場とかに車を停めて、車内から電話していることが多かった。

夜中の2時とかに電話が掛かってくることもあった。

電話自体は全然私自身かまわないのだが、家庭は大丈夫なの?旦那さんにはどこに行くって言って出掛けてるの?と心配になり聞いてみた。

旦那さんとは離婚を考えていて、話し合いを始めたところだと言っていた。
育児ストレスで一人になりたいから、車でどこかにいっているのを知っている。
特に何も言われないし聞かれないと言う事だった。

そんな日々が一ヶ月程続いた頃、お互いに恋愛感情のようなものが生まれていた。
写真を送りあったり、電話では毎日何時間も話し、お互いのことをある程度知るには十分な会話を重ねて来た。

しかし、まだ一度も会ってない彼女に、恋愛感情を抱くのは、何か不思議な感覚だった。
それに、離婚が既定路線で話し合い中だとはいえ、やはり旦那さんがいる彼女に恋愛感情を抱き、それに彼女からも『好きだ』と言われるのは、嬉しくもあり、複雑な気分でもあった。

彼女と電話で話すようになって一ヶ月が経った頃、私は東京にいる友だちの所に遊びに行く事になった。
10年以上の付き合いで、一番の親友だった。
毎年2~3回は東京に遊びに行っていた。

その話を聞いた彼女は『せっかくだからこっちにもおいでよ。丁度誕生日の日でしょ?お祝いしてあげたいからおいで♪』と言った。

旦那さんにれて電話どころか、会うなんていいのか?
私自身自問自答した。

離婚が既定路線だから、まぁいいか。
と、思った。
正直倫理観などどっかに行ってしまっていた。
自分の気持ち最優先になっていたのだ。

しかし仮に離婚が既定路線ではなかったにせよ、私は彼女に会いに行ってたと思う。
それぐらい彼女との会話が楽しくて、充実した時間で、彼女の事を好きになっていた。

東京の友達の家に遊びに行った翌日、私は彼女が住む関東某県にホテルを予約し、彼女に会いに行った。

彼女と待ち合わせたホテル前で落ち合い、その後ランチに行ってあれこれ話して盛り上がった。
昔から自分の顔にコンプレックスがある私は、実際に会ったら顔見て嫌われるのでは?という不安があった。

ランチを済ませたら、次は私が宿泊するホテルに行きたいと彼女は言った。
今夜誕生日祝いをする準備をしたいとの事だった。

ホテルの部屋に入ると、彼女は折り紙で作った輪っかのチェーンのようなものをカーテンレールに飾り付けてくれたり、Happy Birthday ◯◯と書かれた画用紙を壁に貼ったりしてくれた。

何年も誕生日祝いなんてしてもらったことがなかった私は、この時点で超嬉しくて、涙が出そうになった。

飾り付けが終わればどこか、市内を案内するよ♪という話だったが、結局何処へも行かずに、部屋で喋りまくっていた。
とても楽しい時間だった。

あっという間に日も暮れて、近所のケーキ屋さんにバースデイケーキを、予約してあるから取りに行こうと言うことになった。

私は本当に嬉しくなり、飾り付けで余った折り紙の輪っかを、首に何重にも巻きつけ出掛けることにした。
ちなみに私はアラフォーだ。
笑いながらも彼女は若干引いていた(笑)

ケーキ屋さんにケーキを取りに行き、その後マクドナルドで適当に何か買って帰ろうと言うことになった。
ケーキ屋もマクドナルドも徒歩2~3分圏内だった。

その道中彼女が手を繋いできた。
え?まじで!?
こんなブサ面で首に折り紙の輪っかを巻き付けている俺なんかと手を繋いでくれるんや!
めっちゃ嬉しかった♪~

部屋に戻り、Happy Birthdayの歌を歌ってくれて、素適な笑顔で『お誕生日おめでとう♪~』と言ってくれた。
これまで生きて来た中で一番幸せな誕生日だった。

食事を済ませ、ケーキを食べ、楽しい会話をしていた。
気が付くともう21時を回っていた。

『今日はありがとね。最高の誕生日やったよ♪~』『そろそろ帰った方がいいんじゃない?気を付けて帰ってね』と言った。

すると彼女は
『今日ここに泊っちゃダメ?』と聞いてきた。

私『外泊とかして大丈夫なん?』
彼女『友達の家に泊まるって電話するから大丈夫!』
私『ほなフロントに空き部屋あるか聞いてみるわ』
彼女『この部屋でいいよ』
私『工エエェェ(´д`)ェェエエ工』『この部屋広くて、ベッドもダブルサイズやけどベッド一つしかないで(^_^;)』
彼女『いいじゃん(笑)』
私『まぁ、どうせ朝まで寝ないで喋ってるやろし、ええか(笑)』

と言うことでこの日は私のホテルの部屋に泊まることになった。


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