刺身と日本酒(8/10) | ambiguouswordsのブログ

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近所のスーパーでワインや刺身を買って部屋に戻る。
ドアのカギを開けながら左手を見ると、遠くに東京湾大華火大会の花火が見える。
どーん、どどーん、と音は響いていたけど、意外に花火も見えるんだ。
東京湾からはかなり離れているのに。


今日の夕食も刺身と日本酒だ。
福岡の白イカの刺身、愛媛のホウボウの刺身、それからサンマの握り。

日本酒は、水芭蕉の活性にごり純米生酒。
噴き出し開栓注意、と注意書きがある。
酵母が生きているのだ。
フレッシュで炭酸が爽やか。やや甘みも多いけど旨味や酸味も十分にある、すてきなお酒。
日本酒は火入れをしていない、酵母の生きているお酒が市中に出回っていて興味深い。

世界に醸造酒は多いけど、流通しているワインの99%以上は火入れして酵母を殺しているだろう。
国産ワインにはたまに生のワインがあるけど、味や香りはむずかしいところ。
おいしい国産生ワインも飲んでみたい。


それにしても今後、瑞々しい日本酒、群馬の水芭蕉をどこで買えばいいのだろう。
この6、7年時々通っていた若林の港屋さんが、8月末で店を閉めるという。
私にとっては非常にショックなことだ。
もう引っ越してしまおうかと思うくらい。

5、6年前に港屋さんの先代がやっていた和太奈部(わたなべ)というお蕎麦屋さんが群馬県の川場村に移転してしまった時以来の衝撃。
港屋さんは水芭蕉(永井酒造)と協力して、オリジナルラベルの水芭蕉も作って販売していたのでは。
小さいけれど人気のある、おいしい日本酒のセレクトショップとして尊敬していた。


和太奈部は日本でベスト3に入ると勝手にぼくが思っていたお蕎麦屋さんだけど、飽きるほど堪能することもなく、移転してしまった。
それ以来、「おいしいお蕎麦屋さんがあったら飽きるほど食べておくべし」と心に刻んでいるのだけど、和太奈部さんを超えるお店にはなかなか出会わない。
川場村の和太奈部も、先代が作っていないのか、妙につるっとして以前のような滋味を感じない。


それはともかく、ホウボウ、白いか、サンマと豊かな食材を生で食べることができて幸せだ。
醤油は弓削多(ゆげた)。吟醸純生しょうゆ。酵母が生きている埼玉県坂戸市の醤油。
瀬戸内海から10数キロ離れた田舎にいたころは、刺身といえばバチマグロかスルメイカか、ハマチか。
殻付き牡蠣の山盛りの蒸し焼きとか、山盛りに茹でたシャコとか、今から思えば豪華な食材もあったけど、流通の影響もあるのか、刺身のバリエーションは貧しかった。


田舎の人にもおいしいものを食べてもらいたいな。
いいものを使ってほしいな。
べつに、高いもの、というわけではない。
安くても、品質のいいもの、価値のあるものはたくさんある。

田舎の人は、価値のある農村風景を破壊し、付加価値のない農作物をつくり、合成の調味料や人工的、速成的なものに満足しがちだ。

おいしいものや価値あるものについて考えることを放棄している人は、食事以外のところで、実にあっさりと価値あるものを切り捨てているかもしれない。
田舎の窮状に、ふとそんなことを感じる。

田舎の人もおいしいものを楽しく食べられますように。
そう願いながらもう1杯、水芭蕉をいただきます。