長男の生まれつきの身体障礙の関係で,こども医療センターの色々な診療科に定期通院が必要なのだが,現在はほとんどの科が年1回の「経過観察」的な感じになっている.
 そこで,大半の科の診察を夏休みの後半,お盆明けくらいに設定しているのだが,診療科ごとに外来診察日が異なっているため,どうしても一日にはまとめられない.

 今年は,21・22の両日に集約.
 21日(月)は,予約時間と検査の関係で時間がかかり,昼を過ぎてしまうことも想定されたし,夕方に「部活」もある日だったため特に予定を入れなかった.
 しかしこの日,22日(火)は,診察こそ3科にわたるものの,検査がある訳でもなく,それほどはかからないだろう,ということもあって,前日の部活後にボールを持ち帰り,診察の後に「どこか普段と違うセンターで投げよう」ということになっていた.

 とは言え,朝からではないから,そんなに何か所にも行くことはできないし,距離的にも都内か神奈川県内に限られるだろう.
 色々と考えた結果,距離的にはやや遠いものの,筆者が(近くを通ったものの)行きそびれている神奈川県西部の未訪問センター2か所を目指すことにした.

 1軒目は,中郡大磯町にある「大磯プリンスホテルボウリングセンター」.

 大磯駅周辺の中心街を抜けて,箱根駅伝の中継でも見る「松並木」があるのだが,その海側には「滄浪閣」という建物があった.
 元々は,かつて伊藤博文の別邸(最初は小田原に建てられ,後に大磯に移転した)だったそうで,戦後,西武鉄道に売却され「大磯プリンスホテル」の別館として営業したりもした.ところが,西武グループの「再建」の流れの中でまたも売却されることになり,紆余曲折の後,現在は国が「明治記念大磯邸園」として整備を進めている.「庭園」ではなく「邸園」なのは,他にも陸奥宗光や西園寺公望らの別邸跡もあるからのようだが,現在はまだ「整備中」とのことで「庭園のみ公開」とされている(公式ウェブサイトによる).

 その先,旧・吉田茂邸も過ぎた,国道1号沿いにある大磯警察署の角に「大磯プリンスホテル」と「ボウリングセンター」の案内看板も出ていた.


 もうすぐ二宮町に入る,という立地なのだが,大磯警察署の所轄は中郡の大磯町と二宮町になっているので,その中間点ということもあるのだろう.

 プリンスホテルの建物前を過ぎ,駐車場の一番奥に「ボウリングセンター」があった.


 ホテルからは遠いので,駐車場は混んでいなかった.
 時期的に「大磯ロングビーチ」の営業期間(この時期は大磯駅からの直通バスも運転されていたりする)でもあるので,混んでいるかも,という懸念はあったが,杞憂に終わる.

 それはいいのだけれど,ボウリングセンターへの通路は,敷き詰められた舗装材がボロボロに剥がれていたりするし,センターの建物自体が,以前見た写真と較べて,かなり草臥れた感じに見える.


 後でよく見較べると,建物の前にあった日除けのようなものがなくなっていたりするし,建物内から灯りが見えず,営業していないんじゃないか,と不安になるほどだった.

 


 長男と「大丈夫かな,これ.やっているのかなあ……」と恐る恐る入口のドアを引くと,開きはしたのだが,目の前には巨大なラジコンカー用と思われる「サーキット」が…….


 一瞬,衣替えしたのかと思ってしまったが,そうではなく,奥にボウリング場は「健在」のようだ.
 まあ,ボウリング場の一部を「RCサーキット」化した例としては,千葉市にあった「サンキョウボウル」でも見てはいる.

 


 実はこのセンター,一昨年の年明けに「新型コロナウイルス感染症」の影響として一時休業となったものの,同年5月に再開.しかし,この時に運営が「プリンスホテル」ではなくなっていたようだ.


 受付で「ザ・プリンス パークタワー東京ボウリングサロン」の会員証を提示したのだが,「今は経営が変わって西武・プリンスホテルグループじゃなくなった」とのこと.

 現在は「VEGA」の経営らしいのだが,今でも「大磯プリンスホテル」のウェブサイト内に「ボウリングセンター」のコンテンツがあり「大磯プリンスホテルボウリングセンター(Proshop VEGA 大磯プリンスホテル店)」と,一見すると「大磯プリンスホテルが運営するボウリング場の中にVEGAのプロショップがある」としか見えない.


 なので,このセンター名をなるべく実情どおりに記載しようと思うと「VEGA大磯プリンスホテルボウリングセンター」と書くべきなんだろうと思う.

 確かに,そんな感じに記載した掲示物もあった.

 以前はJBCの公認競技場だったと思うのだが,現在JBCサイトの一覧表からは「落ちて」いる.経営変更と共に,方針が変わったのだろうか.


 ただし,以前と同様に「観客席」は健在で,出入りも可能.

 この「観客席」は,全24レーンのうち,1~10番レーンの後方に位置していて,左に偏っているように思えるのだが,建物全体で見るとそうでもない.
 1番レーンよりも左側,すなわち出入口側にRCサーキットがなければ,そこに10~12レーンは入りそうで,それが存在していれば,この観客席の位置も不自然ではない.
 色々と調べてみたが,これといった記述は見付けられず.


 一昨年の一時休業以前から24レーンだったらしいのだが,RCサーキットは営業再開時から設けられたようなので,とするとそこには何があったのだろうか.


 また,24レーンとなったのは1995年から,という記事も見たので,それ以前には34~36レーンあったのではないか,と推察する.

 料金は550円/G(高校生は450円/G)で,週末は各100円増となっているが,平日は3Gで1,500円(高校生1,200円)のパックがあり(週末は各200円増),追加は300円/G.これならば6ゲームで2,400円,10ゲームでも3,600円だから良心的な価格と言っていいと思う.

 受付では「アメリカンで入られますか?」と訊かれたし,全く混んではいなかったのでアメリカンで入ったが,これは「大いなる罠」だったと,後で悟ることになる.

 割り当てられたのは,15・16番レーン.


 この辺りまで来ると「観客席」からはちょっと離れている.


 が,後方の通路の奥の窓からは「ロングビーチ」が見える,というロケーション.

 

 ベンチ周りは,地方のセンターによくあるような感じ.

 割り当てられたボックスには,2レーン分の操作用モニタが置かれていた.

 しかし,スコア表示は主としてオーバーヘッドモニタらしい.

 最近,このタイプのモニタが導入されたセンターをよく見る.

 しかし,操作用のモニタが置かれていないボックスや,1つしか置かれていないボックスもあったりする.

 受付したら設置する,とかいう運用かも知れないが,この時は詳しくチェックしなかったので詳細不明.

 

 ボウラーズエリア後方には,ハウスボールなどが整然と並んでいる.

 リターンラックは,ストレート型.

 使用されていないレーンには,このようなモニタ表示.

 レーンは,Brunswickのシンセティックレーンで,全24レーン.


 まずは,シューズの状態に合わせて右投げからスタート.

 今回は,いつもの「Physix PowerElite Blue」の他に,オイルに強めの「DNA」を持参.

 最近,右投げ用のボールの中でも,初期から使っている強めのボールが草臥れてきた感があったので,新調してみたこのボールを試してみよう.

 

 しかし,投げ始めてみたところ,オイル量が多いようにも思えないのだが,どうにも「幅」がない.

 上手く決まった,と思ったラインに続けて投げても,全く違った動きになってしまう.

 さっきは曲がらなかったポイントで,思い切り曲がってしまうこともあり,そうかと思うとスーッと抜けてしまうこともしばしば.

 ストライクも出るけど,割れてしまうこともあり,2ゲーム投げたところで「Physix PowerElite Blue」に変えてみた.

 

 序盤はやはり四苦八苦しながら試行錯誤.

 しかし,5フレでストライクとなり,6フレで3-9をカバーし切れなかったものの,7フレスペアの後にターキー.

 最後は,やはりフッキングポイントが読み切れず,チョップしてしまったが,まあまあになった.

 

 

 イマイチの結果ではあるものの,いつまでも投げている訳にもいかないので,この辺りで右投げは切り上げよう.

 

 左投げは「NANODESU AccuRise X」しか持って来ていない.

 ところが,こちらも右投げ以上に決まらない.

 まだ「走る」ボールのほうがラインがまとまるのか,とは思ったものの,如何せんこのボールしかないから,これでどうにかするしかない.

 左投げ3ゲーム目の第6ゲームまで投げてみたものの,ダブルはおろか150UPすらできないとは情けない.

 

 長男も,やたらと首を捻るようなレーンコンディションで,納得がいかない様子だから,もう1ゲーム投げてみよう,となった.

 しかし,やはり曲がりが強過ぎるのか,妙な残り方になったり割れたりの繰り返し.

 1フレの2-7-8スプリットは綺麗にメイクしたのだが,2フレも2-4-7-8と似たような残り方になったにもかかわらず,これは僅かなラインの差なのか,大きく内側に曲がってしまい,かすりもせず.

 4フレには,(左投げでは)比較的得意な5-10スプリットになるも,このコンディションでは狙いを定めることも難しく,当たらず…….

 5フレからやっとダブルが出たものの,7フレで7-9が残り,万事休す.

 こりゃ,どうにもならねぇ……orz.

 

 何とか根性で150UPはしたものの,左右合わせて7ゲームで1,000に届かないとは…….

 

 

 長男も6ゲーム目がピーク.

 しかし,やはり「幅がない」と困惑.

 

 最終ゲームはストライクが出なくなるも,スペアでしのぎつつ,まあまあの数字となる.

 それでも,7ゲームでどうにか1,000を超える程度に.

 

 長男も「MELEE JAB MidnightBlue」では手前から曲がり過ぎてコントロールできない,と踏んで,途中から「Physix PowerElite Blue」にチェンジし,どうにかした感じ.

 

 フロントでコンディションについて訊くと,観客席前の掲示板の「裏」に貼ってある,と教えられた.

 オイル量は22.65mlだから,ミディアムからミディアムドライくらいなんだろうが,所謂「壁」を見付けるのが難しそうなパターン.

 これは「走る」ボールのほうがまだマシだろうけれど,かなり弱目のボールを外から……という選択もありなのかも,と感じた.

 

 スコアシートは貰ったが,10フレの残ピン表示が独特過ぎる.

 1セット分しか表示されないが,何投目を,という基準もあるようなないような…….そしてストライクではない部分をチョイス,という訳でもない.

 

 とはいえ,3ゲームパックが1,500+1,200=2,700円で,追加4✕2ゲームが2,400円だから,二人で5,100円.ゲーム数からすれば,比較的リーズナブルだとは思う.

 やや遠いとはいえ神奈川県内なので,また何かの機会に寄って「再挑戦」してみてもいいかも知れない.

 

 なお,プリンスホテル直営ではなくなったので,西武グループのボウリング会員証での優待はないのだが,「西武プリンスクラブ」のポイントは付けられるらしい……何で?