「俺が行かねば~」ののぼりや、やたらフレンドリーな小十郎の標識に導かれ、一路、お城へ。

お城への道はシロクロード(城来路)。

すまiる広場といい、名所にかけたネーミングで気分を盛り上げようとしてくれています。


「広い敷地を確保しやすかったお城の跡地には学校が建っていることが多い」という話を聞いたことがありますが、白石城に続く坂の途中にも高校が。

城跡の高校って、「少女漫画な世界よね!」、「なんか格好いい!」という実際に通学している(していた)高校生たちにからは「そうか?」と突っ込まれそうな話題で盛り上がりつつ、ついに天守が見える所までやってきました。


琥珀庭園-白石城


おお~!お城!!!


逸る気持ちを抑えて、白石城+武家屋敷+立体ハイビジョンが全部見れる共通券を購入。600円也。

券を買う時、白石城歴史探訪ミュージアムで見られる立体ハイビジョンについての注意書に目がひかれました。

二作続けてご鑑賞の方は、別途に200円(大人)を頂きます…と。

確かに、奥州越列藩同盟秘話「賊にはあらず」と大阪夏の陣秘話「鬼小十郎帰るに及ばず」はすごく興味ある題材ですが、正直な話、どちらか一つでいいのでは?二作続けて見る人もいるんだ~、へー。という期待値の低い感想しかもたなかったのです…その時は。

でも、その張り紙がやたらベタベタ貼ってあったので、よっぽど二作続けて見る人がいるんだな、という印象は持ちました。


さて、立体ハイビジョンの話は後ほどするとして、お城です。

写真を撮ったとき、天守から太陽光が射している様子がいいな、と思ってこの構図にしたのですが、今見ると、太陽の高度が大分低くなっているのが分かりますね。はい、春三月とは言え、まだまだ日は短く、もう日暮れの準備に入っていたのでした。

それを教えてくれたのが、お城の案内のおじさん。大変親切な方でした。

私たちの共通券を見るや、「14時からの立体ハイビジョン(鬼小十郎の方)は見れないね、それに、15時からの(賊にはあらず)を見ていると、武家屋敷が見れないね」。

なんと!

そう、忘れていましたが、観光地は閉まるのが早い。しかも、冬季はもっと早い。三月は冬季だったよ。

そこで、案内のおじさんがプランニング。

今から急いで武家屋敷に行き、それからミュージアムで立体ハイビジョンを見る、お城は16時までやっているから、それからでも間に合うよ。


私達はおじさんの導き通り、白石城を急ぎ後にし、武家屋敷へ。

お城から武家屋敷までは歩いて10分くらいです。

お堀が流れる風情のある住宅地を通り、ひたすら武家屋敷を目指します。

白いなまこ塀に黒い瓦の大きな建物だったら見るのに時間がかかるかも、立体ハイビジョンの上映開始に間に合うかな、「賊にはあらず」見たいから、駆け足見学になるかも。でも、隠し通路とかからくりとかあったら楽しそう…って、忍者屋敷じゃないよ!などと、よく分からないことを口走りながら、小走りです。


琥珀庭園-武家屋敷


結果として、武家屋敷はこじんまりと落ち着いた建物でした。

説明によると、この辺りの武士の方は年収50万ほどで、それで住居も大きいものではないとのこと。今や名物となっているうーめんも、家計を助ける内職からの発展らしいです。

屋根は茅葺でどちらかと言うと農家風。

台所から水路へと続く庭に出れるのが、自分的気に入りポイントでした。

水場に降りれる階段があって、そこで野菜洗ったりしたのかな、と想いを馳せました。

囲炉裏には火があり、時間があったらそこでまったりと時間を過ごしたかったです。


ですが、それほどの時間がないので、30分ほど見学した後、とって返し、白石城を横目にミュージアムの方に。

立体ハイビジョンが始まるまでの僅かな時間も惜しまず、1階でお土産を物色しました。

そこで再び仇討に出会った我々。

仇討まんじゅうです。

どうやら一個だけ辛い味が入っている、ロシアンルーレット方式のおまんじゅうでした。

それから、仇討豆腐。これは小十郎豆腐という、豆腐に味をつけたおつまみのような食べ物の辛いバージョンらしいのですが、ピンとこない説明ですみません。

肝心の仇討についての情報は包装紙に書かれているお姉さんと弟(実は妹でした)の絵のみ。

分かったことは、仇討は辛いものと、白石のお土産業界で共同宣言が出されているらしいということです。

仇討の謎、解けぬまま、3階の立体ハイビジョン鑑賞へと移動。


「賊にはあらず」に「鬼小十郎帰るに及ばず」。

タイトルにはかなり心ときめいたものの、正直、あまり期待してはいませんでした。

ですが!

すごいです!白石市の実力、恐るべし!!!

これから白石城に行く人は必見です。

この映像に会えたことは奇跡です!

非常に出来のいいお話でした。

まず、出演者が豪華です。西郷輝彦です。

なぜ?との疑問に西郷さんが答えてくれます。

「大河ドラマ独眼龍伊達政宗で片倉小十郎を演じさせて頂いた縁で…」。

あああああ、確かに!そうでした。

とにかくこの素敵な西郷さんの案内で、奥州越列藩同盟を巡るお話が一藩士の視点でドラマ化されています。

泣けます。

戊辰戦争ものは嫌いなんだよ、泣いちゃうから!

今でも、往年の名作ドラマ「白虎隊」の主題歌「愛しき日々」のイントロ5秒で泣ける自信があります。

演じている俳優さんもすらりと格好良かったし、設定もちゃんとしていました。この設定を膨らませば、大河で一年やるのは無理でも、全5回シリーズとしてNHKで放映出来ると思います。

たった23分ほどのお話だったのに、1時間くらいの充実ぶりに、終了後、しばし放心でした。

うん、これ二本立てで観るわ、絶対に…。すごいものを観てしまった。


ところで!「鬼小十郎」の方も観たかったね~、と語っていましたが、今、このBLOGを書くにあたって、参考にいろいろパンフレットを見ていたら、出演者・宍戸錠、渡辺謙の文字が…。

ええええええええええええええええええ!!!!渡辺謙!?ケン・ワタナベ!?

これ本当に?誤植とかじゃないよね?本物?

気が付かなかった、もっとアピールしようよ、白石市!

ちょっと、いや、すごく惜しい!

白石城に行く方、白石城歴史探訪ミュージアムの立体ハイビジョンは二本とも観るといいと思います。

これから桜の季節ですしね。お城の周りは桜が植わっていて、名所なんですよ。近くにいい温泉もありますし、仙台に宿泊して、伊達政宗公と片倉小十郎景綱の主従コンビ巡りしてもいいですしね。北の方に足を伸ばせば日本三景松島もあります。もっと足を伸ばせば帆船もあります。

因みに、宮城のマスコットキャラ・むすび丸の可愛さは、あのひこにゃんにも負けないと自負しております。


なぜ、突然脈絡もなくDCを始めたかと言えば、勿論、心を静めるためです。

お城、行きます。


いやぁ、ここまで長い道のりでしたが、15時30分にしてついにお城到着です。

親切な案内のおじさんに説明をしてもらいました。

天守一階には着物と陣羽織が用意してあって、そこでしばしば撮影会です。

親切なおじさんに、「ここは16時までだよ~」とやんわりと誘導してもらわなかったら、閉館までとっかえひっかえ衣装替えしてしまっていたかもしれません。

ありがとう、おじさん!おかげで、白石城下を満喫できました。天守三階の眺望もたっぷり堪能出来たし。


琥珀庭園-展望


遠くに見えるは蔵王(多分)、眼下にはまだ枯れ木の桜。その先には高校。城に桜に高校って…(以下略)。


お城を後にして、またもやミュージアムに戻ります。

なぜ、こんな行ったり来たりしているのか、というと、まだミュージアムの2階部分を見ていないからです。

ミュージアムは17時まで開いていることを確認しての行動です。同じ轍は踏まないぜ。

2階はちょっとした展示室になっていて、お城の模型や刀などを見れます。

入り口には白石城建築(1995年の復元です)の様子のVTRが流れています。普段、こういうの、あまり熱心に見ないのに、やたら感心しながら1本見てしまいました。

多分、立体ハイビジョンですべての毒気を抜かれたせいだと思います。なんと!デトックス効果まで(あくまでお客様個人の感想です)。


それから、残った時間全てを使い、お土産です。

いろいろありました。「俺が行かねば~」ののぼりも2500円で売っていました。欲しかったけど、買った後のことを想像して踏みとどまりました。家紋のバスタオルとか、ネイルシートとか、戦国BASARA提携の飲料缶とか、たくさん、たくさんあったけど、買ったのは結局、カーマスコット1個のみ。

このカーマスコット、実は行く前から狙ってたんだよね。黄色地に、ちゃんとシートベルトを締めている小十郎の黒いシルエット。「片倉小十郎が乗っています」と書かれたカーマスコットです。

…しかし、あれれ?今、手元にあるのを見ると、黄色に黒の配色、シートベルト着用は同じだけど、シルエットは馬に乗っている甲冑姿の御仁。前立ての弦月が最高に素敵だわ。

そう、書かれている字は「伊達政宗公が乗っています」。

大丈夫、まい・ろーどは片倉小十郎にとってもまい・ろーどだもの。

まい・ろーど差し置いてそちらを買うわけには行かない気持ち、分かってくれると思います。


そんな訳で17時になりまして、観光終了~。

かなり楽しかったです。

次はいよいよ、鎌先温泉へと参ります。