12月に入り、これからますます寒さが厳しくなってきますね~。
今回は冬の健康管理❶の続きとなります。
冬に起こりやすい不調と対策
❷脳梗塞・心筋梗塞
寒くなると、熱を逃がさないように血管は収縮し、収縮した血管を血液が通ることにより血圧が上昇します。
ですから、暖房の効いた部屋から寒い屋外に出たりすると、体温が低くなりすぎないように血管は収縮し血圧が急上昇します。
動脈硬化などにより血管の状態がよくなかったりすると血流が滞り、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険性があります。
このように急激な温度変化による血圧変動により起こる循環器疾患は「ヒートショック」と呼ばれ、浴室から脱衣所に、寝室からトイレに移動した時、就寝時水分が取れないことから血液がドロドロになっている朝、などに起きやすくなります。
高齢者や普段から血圧が高めの方や生活習慣病をお持ちの方は特に注意が必要です。
夜中にトイレに起きるなど気温差のある場所への移動時は、セーターやはんてんを羽織るなど暖かい服装で。脱衣所にはストーブを置き、お風呂から出た時に気温差ができないようにするなどの工夫をしましょう。
❸感染症
ウィルスや細菌にとって低湿度・低気温は生きやすい環境で、気温が低く空気が乾燥する冬は感染症のピークとなる時期です。
体温が下がることで免疫力が低下しやすいうえに、本来ウィルスや細菌の侵入を阻止している鼻や喉の粘膜が乾燥することにより、ウィルスや細菌の侵入を容易にしてしまいます。
代表的な冬の感染症としては、風邪やインフルエンザウィルス・肺炎の他にも、腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が出る感染力が非常に強いノロウィルスによる胃腸炎はよく耳にすると思います。
ロタウィルスやRSウィルスは非常に感染力が強いウィルスで免疫力の弱い乳幼児が罹りやすい感染症です。
今年は新型コロナウィルス感染症の流行により、更にリスクが高まっているといえます。
重度の肺炎などを引き起こす新型コロナウイルスは、SARS(サーズ)やMERS(マーズ)と同じコロナウイルスの仲間です。
ヒトに感染するコロナウイルスは、すでに6種類が知られていますが、そのうち4種類は一般的な風邪の原因となるウイルスで、ヒトに日常的に感染し、風邪の原因の10~15%(流行期は35%)を占めるといわれています。
残りの2種類は、重度の肺炎の原因となるSARS(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)とMERS(中東呼吸器症候群コロナウイルス)です。
中国で見つかった新型コロナウイルスは、これらには当てはまらない新型で、世界保健機関(WHO)では一時的に「2019-nCoV」と命名しました。
コロナウイルスは顕微鏡で見た時に、王冠に似た突起が表面にみられることから、ギリシャ語で王冠を意味する「コロナ」にちなんで名づけられたものです。
現在の状況ではわかっていないことも多いウィルスで、感染源も明らかではありませんが、主な感染経路は「飛沫感染(感染した人がくしゃみや咳・しゃべることにより飛散したウィルスを吸い込むことにより感染)」・「接触感染(身の回りのものに付着したウィルスを触り、その手で目や口・鼻などを触ることでウイルスが体内に入って感染)」と考えられています。
咳・発熱・息苦しさ・だるさなどが主症状ですが、重い肺炎を起こしやすいとされています。
高齢の方ほど重症化しやすく若い方は重症化しづらいと言われてはいますが、軽症で済んだとしても味覚が戻らない・熱が下がらないなど後遺症が残る例も報告されています。
新型コロナウィルスはまだわからないことも多いウィルスではありますが、どの感染症もやはり予防が大切なことには変わりなく、既におなじみとなった手洗いやアルコールによる手指や手が触れる場所の消毒・マスク着用・換気・ソーシャルディスタンス(人と人との距離を適度にとる)などは重要で、これからの季節はより一層必要になってきます。
特に、感染者の中では飛沫感染が9割を占めると言われています。
マスク着用は既に定着しているとはいうものの、飲食の際などは口が無防備になる場面での感染が多いようですので、飛沫防止のため、こまめなマスク着用を心がけましょう。
感染リスクが高い「密閉」・「密集」・「密接」の『三密』を避ける、こちらもお馴染みになってきている言葉ではありますが、お出かけの際は感染リスクを考慮して判断しましょう。
また、感染症に強い体づくりが大切になってきます。
しっかりと睡眠をとる・バランスの取れた食事・適度に体を動かすことが何より基本となります。
身体の免疫力を維持するためにはバランスの取れた食事が基本ですが、特に摂っておきたい栄養素としては、粘膜を正常にはたらかせるビタミンAやストレスに対抗するための抗酸化作用のあるビタミンCなどがあります。
皮膚や喉・鼻の粘膜を潤すためには水分が欠かせません。
体内の水分には体温調節をしたり血液として栄養素を全身に運んだり、老廃物を排出したりする役割もあります。
喉が渇いていなくても水分補給をするようにしましょう。
免疫機能は体内にたくさんありますが、特に腸には免疫機能が集中しているといわれ、腸内環境が重要といえます。
不溶性(きのこ・大豆・玄米・ごぼうなど)と水溶性(きのこ・海藻・こんにゃく・など)の食物繊維や、発酵食品(納豆・キムチ・ヨーグルト)などを取り入れましょう。
その他冬の体調を整える食材としては、
●生姜・ネギ・ニンニク
体を温める食べものといえば生姜ですね。生の生姜は炎症を抑えたり活性酸素を取り除く効果があります。
生姜に含まれるジンゲオールは加熱するとショウガオールに変わります。ショウガオールには血管拡張作用があり、この成分が体温を上昇させたり血行を促進しますので、体を温めるということを考えると加熱することがおススメです。
加えて生姜の香り成分であるガラノラクトンにも体を温める効果があるために、生姜は冬の体調不良を改善するうえで非常に効果的な食材です。
ネギ・にんにくも体を温める食材です。
●緑茶
緑茶にはビタミンCが豊富で、カテキンやストリクチニンという成分がウィルスの感染予防・殺菌に効果があるといわれています。またテアニンにはストレスを抑制する効果があるとされています。
- ●いちご
- いちご100gには50~100mgのビタミンCが含まれており、果物の中でもトップレベルの含有量です。
小さめのいちごなら10粒程度、中くらいのサイズのいちごであれば7~8粒ほどで、1日に必要とするビタミンCを十分に摂取することができます。- ●カリフラワー
- カリフラワーは美容と健康を促進するための栄養が豊富な野菜で、ビタミンCも豊富に含まれています。
- 生でも食べられることことができ、刻んでサラダや料理の上に乗せれば、ビタミンCを壊さずに摂取することもできます。
- ●みかん
- 冬の代表的な果物であるみかんにもビタミンCが豊富に含まれています。疲労回復などに効果があるとされるクエン酸も豊富です。
- ●ゆず
- ゆずは、果汁や果肉よりも皮にビタミンCが多く含まれています。皮を千切りにしてお茶にしたり料理に乗せたり、お菓子作りに加えたり。色々使えます。
- ●きのこ類
- β-グルカンとは、キノコなどに多く含まれている成分で免疫力強化やコレステロール値上昇抑制などの効果がありる成分とされています。
- ●れんこん、じゃがいも、ブロッコリー
- れんこん・じゃがいも・ブロッコリーに豊富に含まれるビタミンCは、白血球の働きを強くして免疫力を高めてくれるといわれています。
- また、ブロッコリーはビタミンEも豊富で血行促進効果・抗酸化作用もあります。
- ●にんじん
- にんじんはビタミンAが豊富で粘膜を正常に働かせる作用があります。
- ●春菊
- 春菊は免疫力アップに必要なカロテンの含有量がほうれん草より多く、茹でると効果が高まるといわれています。
- 春菊の独特の香りは食欲増進や胃腸の働きを整える消化促進なども期待できます。
- ●食物繊維
- ごぼう・れんこん・ブロッコリーなどに含まれる食物繊維には、感染症への抵抗力を高める成分も含まれているといわれています。
- ●かぼちゃ
- かぼちゃには「三大抗酸化ビタミン」と呼ばれるビタミンC・ビタミンE・βカロテンが豊富です。
- 特にβカロテンには、粘膜の正常に働かせたりや免疫力アップ・目の疲労への効果があるといわれています。
●その他にも、小松菜にはビタミンCのほかにカルシウムも豊富。大根や白菜、カブやキャベツにはビタミンCが豊富。
サツマイモやジャガイモに含まれるビタミンCは熱に強く、冬場の煮込み料理に最適です。
もちろんいっぺんに摂ることはできないですが、毎日の食事に上手く取り入れてみましょう。
たとえば、ブレイクタイムに発酵茶である紅茶やルイボスティーにシナモンパウダーやしょうがパウダーを入れて飲むのは私もお気に入りです
感染症の流行により、様々な事が制限されてストレスも溜まる日々かと思いますが、ストレスが溜まったままだと、免疫力が低下する原因にもなります。
お風呂に好きな色や香りの入浴剤を入れてゆったりバスタイムを過ごしたり、上手く食材を取り入れて美味しい食事をとったり、ストレスをリセットできることを見つけて、厳しい冬を乗り越えていきましょう