秋は深まり、いつの間にか冬は目の前になりました。

 

 

そこで今回は、「冬の健康管理」についてお話ししようと思います。

 

 

 

冬はどんな季節?

 

 

穏やかで過ごしやすい秋の気候から、一年で最も寒さの規模しくなる季節は冬です。冬の体調管理は、寒さ・乾燥対策や免疫力の向上、ウィルスや細菌感染の予防が更に大切となってきます。

 

 

冬は、ユーラシア大陸から運ばれてくる冷たくて乾燥した空気が、比較的暖かい日本海側に流れて上空の水蒸気を吸収します。

 

 

この時日本海側では雪雲をつくり、雪がたくさん降ります。

 

 

太平洋側では晴天が多く乾燥した天気が続きます。

 

 

寒い冬を迎えるための準備をしていきましょう。

 

 

冬に起こりやすい不調と対策

 

 

❶乾燥した空気による皮膚の損傷

 

 

乾燥した空気や暖房の使用により、肌の水分を奪われ、気温の低下により新陳代謝が乱れて皮脂の分泌量が減少します。

 

 

皮脂は肌のバリア機能。皮脂膜によって外部の刺激から肌を守り、肌の過剰は水分の蒸発を防いで潤いを保ちます。

 

 

異物や細菌が皮膚内へ侵入するのを防いだり寒さから肌を守るはたらきがあります。

 

 

 

角質細胞の中にある天然保湿因子(NMF)は水分を抱え込む性質を持っていて、空気中や真皮からの水分を吸収して肌に潤いを与え、水分量を一定に保ちます。

 

 

角質層の細胞間にはセラミドを主成分とする細胞間脂質があり、細胞同士を密着させて水分の蒸発を防いでいます。

 

 

これらの機能が弱まると、外部刺激により肌が乾燥し、皮膚の代謝が乱れて保湿・排泄機能の低下し、肌トラブルが起きやすくなります。

 

 

 

 

 

乾皮症は皮膚表面のかさつき・ざらつき・ひび割れ・かゆみ・細かく皮膚が剥がれ落ちるなどの症状が現れます。

 

 

さらに悪化すると、強い赤みやかゆみ、水ぶくれ状の湿疹を伴う皮脂欠乏性皮膚炎になります。

 


指先や耳などが循環障害でうっ血して赤く腫れ、かゆみを伴う「しもやけ」が起こる場合もあります。

 

 

これが更に悪化すると、硬貨のような丸い貨幣状湿疹という、時には水疱を伴い強い痒みを起こしたりします。

 

 

掻きすぎると傷口から最近が繁殖して化膿することもあります。

 

 

このようにならないためにも予防が大切です。

 

 

肌が乾燥しやすいのは、皮脂の分泌が少ない部位です。外気にさらされる機会が多い目や口の周り・頬・首・すね・膝・手などや肘・かかとも乾燥しやすい部位です。

 


また、加齢に伴って皮脂分泌量と水分保持機能は低下するので、年とともに乾燥しやすくなり、肌トラブルを生じやすいので注意が必要です。

 

 

予防法

 

❶保湿

 

 

保湿手荒れや肌荒れを予防するには、何より乾燥を防いで保湿を行うことが最も重要です。

 


外出時はマスクや手袋などを用い、保湿剤を塗るようにしましょう。

 

 

 

ワセリンやヘパリン類似物質・尿素・セラミドなど配合のクリームなどでこまめに使うようにしましょう。

 

 

尿素製剤は肌トラブルがあると刺激を感じる場合があるので注意し、自分の肌に合ったものを使用するようにしましょう。

 

 

かゆみや湿疹などがひどい場合は皮膚科を受診しましょう。

 

 

室内でも暖房機器によって湿度が低下するので、加湿するようにしましょう。

 


❷家事・入浴時

手洗い・入浴・家事では、洗浄力の強い石鹸やシャンプーを使用すると皮脂膜を洗い流してしまうので、肌に近い㏗の弱酸性の低刺激製品を使いましょう。

 

 

入浴時の熱いお湯や長湯も水分を奪う原因になるので、お湯の温度は38~40度を目安にしましょう。

 

 

洗顔・家事・手洗いの時もお湯の温度は更にぬるめの設定をお勧めいたします。

 

 

洗うときはゴシゴシこすって角層を傷つけてしまわないようにやさしく洗いましょう。

 

 

洗浄後はタオルで押さえるようにして水分をしっかりとふき取り、早めに保湿しましょう。



❸食生活

 

栄養バランスの取れた食事も新陳代謝を促して健康な肌を保つ上で重要です。

 

 

美肌に良い食品はいろいろありますが、肌の角質層の水分保持に役立つセラミドに注目したいと思います。

 

 

セラミドは、肌内部でも生成されますが、年齢とともに減少してしまうので食事で摂取する必要があります。

 

 

セラミドを多く含む食材は、大豆・黒豆・ほうれん草・黒ゴマ・ごぼう・ひじき・生芋こんにゃく・米ぬか・そば・わかめなどです。

 

 

特に色が黒い食材にはセラミドが多く含まれているので、積極的に摂取しましょう。