昨日、例会での稽古の途中、奇妙な感覚に襲われた。
ある曲のファ、ソ、ラと昇り音階の所、ラのピッチで、もたついた。伴奏ピアノが、当方の想定したピッチより明らかに高い音を出してくれた。慌ててピアノに合せて歌ったものの、腑に落ちなかった。
再度その部分に差し掛かった時に十分注意して同じ結果であることを確認し、改めて指導者に当該部分を弾いて貰った。勿論同じ違和感を覚えた。
こんなにも己の音感が狂ってしまったにのかと悲観もしたが、やはり納得できず、あれこれ思いをめぐらした。
ピッチの違和感で自分が傷つかない説明を捻り出した。
音階には大きく分けて自然律と平均律があり、我々が普段頼りにするピアノは平均律の象徴のような存在である。自然律は、平均律に慣らされていない音感で心地良く感じられる音階で、基準音との周波数比が簡単な整数比になる音で構成されている、と思っているが正しいだろうか。純正律その他の用語もあるが、厳密な考察はパスする。
とにかく、同じドレミで呼ばれる音階でも、依拠する律によって、ピッチが多少食い違うことになる。
大雑把であるが、いわゆる基準音であるラ440Hzと、その直下のソ、ファの周波数について、自然律と平均律とにおけるHz数値を並べて眺めてみる。
ファ ソ ラ
自然律 352.0 396.0 440.0
平均律 349.2 392.0 440.0
自然律が身に沁み込んだ者の耳で平均律のファソラを聞くと、ラが高めに聞こえることが解る。
当方は未だ平均律に馴染めない未開人なのだろうか。
この違和感は一過性のものか、それとも、今後も悩まされるのだろうか。