北大寮歌(都ぞ弥生)~ 歌詞全5番 ~ 壮大なドラマ | 愛唱会ジャーナル

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北海道大学の学外向け広報誌「リテラポプリ」最新号:第57号(2016年春)に、特集≪きらめき≫の一環として、『百年を超えて歌い継がれる叙情歌―――百年前、北極星を見上げた若者の心に込み上げた夢と憧れ、そして、若者の目に映ったキャンパスの四季の情景。私たちは自身の学生時代を歌詞に投影し、歌い継ぐ』が掲載されている。
 
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Litterae PopuliVol.57

 
今まで何十年間も漫然と歌っていた「恵迪寮歌(都ぞ弥生)」の歌詞が、実は東京から札幌に橋を架けたような壮大なドラマ仕立てになっていたとは。この感銘をいつまでも、とばかり、記事の主要部分を再録しておこう:
 
≪ 歌詞に込められたドラマ
 歌詞の内容に少し分け入ってみると、なかなか意味深いドラマを垣間見ることができる。
 一番の舞台は、歌い出しに「都ぞ弥生」とある通り、場所は東京、時は3月である。桜が今を盛りと咲き誇る華やかな光景。花見の宴がうち続く。けれども、やがて春の日は暮れ、目の前の光景も移ろう。瞬く間に過ぎゆく春の日と自身の青春時代の短さを重ね合わせた若者は、「夢こそひととき」(夢見ることができるのは限られた間だけだ)と気付く。若者は、すっかり暗くなった夜空に輝く澄んだ星の下の清廉な北の地に、自身のあふれんばかりの夢をかけることを決意する。
 一番の場面から半年後、二番では札幌の秋の情景へと飛ぶ。「都ぞ弥生」が作られた当時、本学は9月入学であった。若者は東京から憧れの北の地へ赴き、北大へ入学したのである。そして、三番では冬、四番では春、五番では夏と、若者が北大で過ごした一年間が巡る。
北大キャンパスの情景を描き出す
 二番から五番の歌詞には、本学を表象するイメージ、情景が次々と描写されていく。 例えば、収穫期の「石狩の野」や夕暮れる「手稲の嶺」はキャンパスからの眺望である。キャンパスで最も目にする「楡」は北大を象徴する樹木であるし、自生する野草「延齢草」はシンボルマークのモチーフにもなっている。羊が帰って行く「牧舎」や「牧場の若草」は農場風景。湿地や水場が多かったキャンパスではかつては「水芭蕉」も目を楽しませてくれた。
 そして、「貴き野心の訓」は言うまでもなく、W・S・クラークが別れ際に言ったとされる“Boys, be ambitious を指している。
 一番では東京で北の夜空に輝く星を見上げて北大を志した若者が、二番では北大で「北極星」を仰いでいる。そして、北の地に憧れて入学した若者が目にしたキャンパスの四季。「都ぞ弥生」は、~北大生の誰もが、多かれ少なかれ分かち合うことのできる物語を心象深く歌い込んでいる。
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北大の歌なのだから、“都ぞ弥生”の“都”は、 “住めば都”の“都”すなわち北大キャンパスを指すものとばかり思い込んでいた。季節の移ろいを読み込んでいることにも全く気付かなかった。単なる風景描写と受け取っていた。そもそも、歌詞が五番まであることなど、知らなかった。
 
北大(キャンパス)は、最近、妙なニュースが流れたりもしたが、今でも我が憧れの地であり続ける。
 
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学生だけではなく、大勢の観光客や市民の憩いの場となっている北海道大学。その構内で922日、刃物を持った男が女性を脅して体を触る事件がありました。背景に潜む危険とは。~~~