丸の内でのランチタイムコンサート(12:10~13:00)が3か月のブランクの後に再開された。今日、その皮切りは
モーツアルト カタログの歌(オペラ「ドン・ジョヴァンニ」から)
ヴェルディ 一人寂しく眠ろう(オペラ「ドン・カルロ」から)
モーツアルト ドン・ジョヴァンニのセレナーデ(オペラ「ドン・ジョヴァン ニ」から)
ロータ ゴッド・ファーザーの愛のテーマ(映画「ゴッド・ファーザー」 から)
モリコーネ 愛を奏でて(映画「海の上のピアニスト」から)ピアノ・ソロ
ベルリオーズ 今宵バラは花開き(オペラ「ファウストの劫罰」から)
越谷達之助 初恋
ロウ 君住む街角(映画「マイ・フェア・レディ」から)
マリーニ 世界最高の美人(アンコール)
作曲と即興演奏を得意とする穴見の鮮やかな伴奏で、北川の弾力性豊かな中・低音が会場を魅了した。
バス・バリトンと称するだけあって、彼の低音域はよく響き、とても心地よく聴くことができた。我々素人歌手が歌うと、低音は声にならず、自他共に幻滅するものだ。
彼はまた達者なエンタテイナーであり、「初恋」を歌い終わった後、‘皆様のご協力を頂戴したい’とか何とか言って、会場中央辺りの初老のご婦人の隣の空いていた椅子に掛けて、‘あなたの初恋は?’と、話を聞き出すのだった。
彼女が恥ずかしがって喋ろうとしないのだが、上手に言葉をつないで、「春」であったことを探り出し、そのテーマで穴見の即興演奏にバトンタッチした。実に自然な印象の、完成度の高い即興曲だった。
北川はサービス精神にも溢れており、為に、お喋りが長引きがちで、前半の途中で既に時間超過の気配濃厚であった。
ご本人も自覚しているようであったが、特段焦る様子も無く、‘予定通りの’アンコール曲は終演予定時刻13:00を過ぎてから歌い始めた。舞台度胸十分の役者でもある。
会場を仕切っていた音楽企画会社のW氏が当管理人に気付いて、人懐っこく挨拶を寄越した。一銭の得にもならないこの顔をよく覚えてくれているものだ。
お返しに、という訳ではないが、今日も素直にBravo! と Encore! を叫んだのだった。