某新興合唱団のHPを贔屓にしている。特に、練習曲の音取りファイルには感心していた。その技術、労力に敬意を払いつつ、聴かせてもらっていた。
そのうち、楽譜が追加された。これはまた、随分大胆なサービスだと驚きつつも、重宝な資料として利用させていただいた。楽譜は歌い易いように移調されているものが多いようであった。とにかく、メロディーを確認できるだけでも価値が有った。
著作権にうるさい、法の趣旨を曲解しているとしか思われない指導に忠実な、図書館側の対応に泣かされてきた音楽愛好者としては、この合唱団の大胆なサービスに、危なっかしさを感じ取ってもいた。
案の定、掲示板に、著作権法に詳しい人物の注意喚起ないしは警告の投稿があって、それまで活発だった掲示板が凍り付いてしまった。やがて、危険を察知したHP管理者が楽譜ファイルを削除した。
更にややあって、資本の論理に基づく著作物利用制限を潔しとしない勇者の意見と対処法示唆が投稿された。警告者ともども、相当の論客と思われた。
警告者の再反論もあり、このHPは、以前の和やかな雰囲気を一変させてしまった。誰もが固唾を呑んで成り行きを見守っているのではないか。著作権を管理して(商って)利潤を貪っている団体も恐らく(当初から)監視しているだろう。
合唱団は、内輪だけの利用を意図した楽譜ファイル供用を考えているようだが、これとて、警告者の言う通り、必ずしも網の目を潜り抜けられるとは断言できない。
更に厳しく考えれば、音源のアップも、資本の論理では違法とすることも可能なのではないだろうか。優れた音楽ソフトにかかれば、音源から楽譜を起こすことも出来るらしいから。
とにかく、著作権業界の支配によって、ささやかなコーラスサークルが窒息するような暗黒時代が来ないことを祈る。