音楽入門書~疑問に答える~微分音階否定 | 愛唱会ジャーナル

愛唱会ジャーナル

廃止されたYahooブログ「愛唱会きらくジャーナル」から改名移設
歌曲、唱歌、童謡、オペラ・アリア、合唱曲などを楽しむグループ
外国曲にも積極的に取り組んで、脳の老化抑制を期待する  
 tnryamadabss@yahoo.co.jp          

「音楽好きの脳」は、我が脳内にて好書に分類された。音楽の入門書として好適である。今まで目にした音楽入門書は、たとえ新書シリーズであっても、生硬な印象があり、音階、記号、楽想用語、歴史、その他専門用語が続出し、たちまち興味を失うというのが我が経験であった。
「音楽好きの脳」は、素人が抱く疑問に答える形の記述が多く、読者の興味を殺がない。むしろ、次はどんな話題かと読者は引き込まれるのである。内容が簡単な事柄ばかりと言うわけではない。心理学、神経生理学、哲学の最新の成果も取り込んで論を進めている。
個々の興味深い話題(例の天使の声の倍音、失われた基音の回復、言語・音楽同根説、記憶の仕組み、演奏スピードによるメロディー出没、異種楽器の音の合成による錯覚など)も沢山ある。
総評すれば、我々が何気なく楽しんでいる音楽も、聴覚から脳内への受容プロセスは気が遠くなるほど複雑多様であり、最新科学の粋を以ってしても全容解明には程遠いことが解る。
かなり前に、アラブ音楽などでは微分音階が使われることを書いたが、最新の研究によれば、それは否定されたそうだ。音高(ピッチ)の揺れを活用しているに過ぎず、世界のどこの音楽でも見られる現象に類するものだそうだ。
とすれば、カントリーウェスタンで聞かれるイメージ 11/4音が改めて微分音代表として評価されるのではないか。