前知識がなく初めての神社に参拝する時は、まず鳥居を見て御祭神を推測するのが楽しみな尼津彦です。
皆様おはようございます。
杓子定規な寺社紹介記事が続いてますので、少し気分を変えて鳥居の種類について書いてみますね。
鳥居の種類は一応定義があるようですが、微妙に解釈が違ったりしていますので、尼津彦が見分けるポイントを加味して説明しますね。
なので、一般定義からは少し違う部分もあるかと思いますがご勘弁ください。
鳥居の定義が一般的かどうかって部分はスルーしてくださいね。
また、自分で撮った写真を使用していますので、わかりにくいものも多いですがご了承ください。
鳥居の種類は大きく分けて二種類で、神明鳥居と明神鳥居に分類されます。
これは平安神宮の明神鳥居です。
分類の仕方を説明するのに各部の名称を用いなければなりませんので上記の名称だけでも頭に入れてください。
まず神明鳥居から。
神明鳥居は皇祖系の神を祀る神社に多い形式で、笠木が丸く水平で、島木がありません。
また、貫が両柱を貫通していないのが特徴です。
額束もありません。
木嶋坐天照御魂神社の神明鳥居
材質によって黒木鳥居とか白木鳥居とも呼ばれます。
石造のものが天皇陵にありますね。
神明鳥居のうち、貫の断面が長方形、すなわち板状になったものを、靖国鳥居と呼びます。
写真ブレててすいません。靖国神社の靖国鳥居
これは靖国神社や護国神社に多い鳥居ですが、新しい神明鳥居はこの形状が多いように思います。
笠木の断面が五角形になると伊勢鳥居です。
伊勢山皇大神社の伊勢鳥居
伊勢の神宮などもこの形ですが、柱が八角形であったりさらに特殊な形状をしているものもあります。
靖国鳥居の貫が柱を貫通した形状の鳥居が鹿島鳥居です。
鹿島鳥居に額束がついたものが宗忠鳥居
次に明神鳥居の説明ですが、これは時代とともにかなり形状が変わってきてますので、例外も多いです。
まず神明鳥居との大きな違いは言うまでもなく見た目です。
車折神社の明神鳥居
おそらく明神鳥居系が日本で一番多いと思われます。
特徴としては笠木の下の島木があり笠木島木が反っている(反増し)、貫は柱を貫通し、額束がある。
これが明神鳥居の基本です。
そのうちさらに部分的な違いにより呼び名が変わります。
柱と島木のつなぎ目に輪のようなものがあるのが台輪鳥居です。
伏見稲荷の台輪鳥居
稲荷神社に多いため別名稲荷鳥居とも呼ばれます。
明神鳥居のうち反増しがなく島木の両端が垂直に切られてきるものが
春日鳥居です。
春日大社の春日鳥居
春日大社の鳥居は春日鳥居ではないという方がいますが、理由として笠木が反っているからと言うのです。
たしかに反っているように見えますが、よく見てください。
島木は平行ですし、笠木も反っているのではなく両端が太くなって上部が斜めになっているだけなんです。
なので僕は春日鳥居でいいと思いますよ。
これによく似たものに八幡鳥居というのがあるのですが、春日鳥居とよく似ていて島木の断面が斜めであるちょっと違いです。
また時代と共にさまざまなバリエーションがあるため、一番見分けるのが難しい鳥居だと思います。
多くの八幡鳥居は反増しがあり普通の明神鳥居との見分けはまず出来ないものも多いです。
そもそも八幡総社の宇佐神宮の鳥居が例外中の例外で、反増しがかなりあり、額束もありません。
そのため八幡総社でありながら宇佐鳥居と呼ばれます。
八幡鳥居の基本形の写真を持っていないので掲載できず、わかりにくくてごめんなさい。
仮に写真あってもわかりにくいですけどね。
石造の明神鳥居で柱が四角い住𠮷鳥居というのもあります。
貫が柱を貫通していない明神鳥居が中山鳥居です。
中山神社の中山鳥居
ここからさらに独特な形状の鳥居が登場しますよ。
見ただけで特徴的なので細かい説明はしませんよ。
明神鳥居の柱の前後に補助の柱のようなものがついていますね。
神仏習合色が強かった神社に多いようです。
大神教本院の三柱鳥居
これは神明鳥居の形式ですが、明神鳥居形式の三柱鳥居が蚕の社にあります。
この他まだあるのですが、写真がないので割愛しますが、たいていの鳥居はこれで見分けられると思いますので、まずは神明系か明神系かから始めてみてくださいね。
説明しやすい順で紹介しているだけで、鳥居の形状の移り変わりの時間軸とは全く関係ありませんのであしからず。
本殿建築編もやりたいのですが、本殿って全体図の写真撮りにくいので素材がないためやめときます。