今回はBリーグから開幕前総評第11弾のアルバルク東京編。


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昨季の東京は例年通りタレント力抜群のメンバーでリーグ屈指のリバウンドとディフェンスに加えて近年の課題でもあった3P%も上げたことでオフェンスにおいてもリーグトップクラスのチームだった。


しかし、シュート確率は上がったとはいえ35%以上で決めていたのはサイズとメインデルのみ、しかもチームの3PAが増えても3PA割合はリーグワーストクラスに少なかった。


それでいてテーブス、安藤、メインデルでチームの6割以上の3Pを打っており、確率的にも本数的にも東京の3Pはこの3人さえ警戒しておけばというのが実態だったと思っており、ディフェンスもこの3人以外には打たせてもOKでインサイドを優先しているチームが多かった印象。


つまり、表面上は3Pの確率が上がって弱点が克服されたように見えるが、この3人の1人でも下がってしまうと更にディフェンスはシュート警戒対象を絞れてインサイドを固められるわけで、根本的な意味で3PAの少なさと低確率は解決出来ていなかったと個人的に思っている。


実際にプレイオフで2PAはRSより大きく増えているのに3PAは大きく減って確率も大幅に下がるなど以前の東京に戻っており、10分で1本も3Pを打たなかったQもあったと記憶している。


だからこそ昨季の開幕前総評でも述べたようにグダイティス獲得はフロアバランスなどオフェンス面で疑問だったわけであり、強化するべき箇所が明らかなチームで予算も潤沢なので今季こそバランスが良くてワクワクするロスター編成を期待していたが、ワクワク感はないオフとなった。


実際にロスターを見てみると、PGはテーブスと岡本と福澤が継続して大倉が加入。


昨季橋本が予想外に酷かったので契約解除は納得であり、例年に引き続いてPGは東京の弱点とも言えるポジションだったので注目していたが、怪我がちな大倉の獲得に留まったので大きな補強とまではいかなかった。


大倉はドライブが上手く、実力的な意味では橋本より上だと思っているが、やはりシーズン通して健康でいられるかというのが不安であり、大倉が離脱してしまうようだと実力的にも厳しい福澤と岡本がテーブスの控えということになってしまう。


2人ともPG適性自体も高いとは思っておらず、以前そうだったように2人よりは小酒部をPG起用した方が良いとも思っているので大倉の状態次第ではテーブスの負担は今季同様に大きくなりかねない。


なので、PG2番手に怪我がちな大倉を置くなら3番手も同等レベルの選手がいないと不安に思える。


もっと言うと、渡邊を獲得してメインデルの枠をPGの外国人選手に充てて強化して欲しかった部分でもある。


PG層は大倉が長く離脱しないなら戦力的には微増かと見ている。


次にSGは小酒部と安藤が継続。


小酒部はP&Rも徐々に上達しており、安藤は東京で数少ないディフェンスを広げる役割も担っている。


この2人がいるだけでSG層は強力なので2人ともキープ出来たのは大きい。


ただ、小酒部と安藤はシュート確率が低いので今季は小酒部34%、安藤38%くらいは期待したい。


SFはザックとメインデルが継続して菊池が加入。


昨季から述べているようにメインデルはドライブも上手い選手だが、東京ではチームのシュートが少ないために他の選手のマークマンがマッチアップのシュートよりもメインデルのドライブにヘルプに備えていることが多い。


そのためにメインデルのマッチアップはシュートを警戒して詰めてくる分ドライブがしやすいはずのところ、ヘルプが待ち構えている故にドライブが決まりにくくなっていると感じる。


なので、メインデルがドライブでも本来の実力を発揮出来るかという意味でも東京のシュート力は重要になってくる。


もちろんメインデル自身も昨季はチームトップの3P%だったことから高確率を維持出来ないとフロアバランスやスペーシングが悪化してしまうので確率は落としたくない部分である。


外国人選手のメインデルがいることでSFは強力であるが、東京の強みかつ得点源でもあったFTにおいて後述のグダイティスとともに損ねる一因になっているので正直言って入れ替えて欲しかった部分でもある。


渡邊にも高額オファーを出していたと思うので東京の予算ならメインデル以上の選手を獲得するのも難しいことではなかったとも思っており、メインデル継続は個人的に意外だった。


PFはロシターとサイズが継続。


リーグ最強クラスの帰化選手とリーグ最強クラスの外国人選手がいてリバウンド、ディフェンスは特に強力。


オフェンスでもポストプレイからシュートまでこなせるサイズとプレイメイカーにもなれるロシターが収縮したディフェンスをこじ開けるのは驚異的。


収縮したディフェンスの中でもあれだけインサイドが強いのでディフェンスを広げられればインサイドでの強さはより増して楽に得点出来るはず。


なので、シュートが苦手というわけではないロシターはシュートフェイクからわざわざディフェンスのいる方にドライブしないで積極的にシュートを打ってもいいのではとも思う。


そういう意味で同じメンバーで既に強力なPFも伸びしろはあるかもしれない。


最後にCは平岩とグダイティスが継続。


グダイティスについては昨季から述べているが、シュートがない点とFTが苦手な部分でチームに必要なポイントから外れている選手だとずっと思っているので継続は意外だった。


ただでさえ3Pが少ないチームでロシターもサイズも積極的にシュートを打つわけではないのでグダイティスと組むとオフェンスが狭くなりがちなのがバランス的にベストではないと感じる。


逆にチームのスペーシングが良ければグダイティス自身も持ち味のフィニッシュ力がもっと活きるはずという意味でもオフェンス面でメインデル同様に持っている実力を発揮しきれていない、発揮出来ないチームでプレイしている選手と思っている。


それでもオフェンシブレーティング120以上と非常に高い数値でそもそものスペックが圧倒的な選手であるが、やっぱり100%でプレイ出来ていないのは勿体無く感じる。


一方でディフェンスでは持ち味や実力を存分に発揮しており、ディフェンシブレーティングは95という異常な数値で個人的にリーグNo.1のディフェンス力を持った選手だと思っており、想定していたリムプロテクトでの活躍みならず、ペリメーターやスイッチディフェンスでの活躍も素晴らしかった。


リバウンドにおいてもロシターやサイズ同様に攻守ともに圧倒的な強さで、東京がリーグトップクラスのリバウンドチームたる一因だった。


ただ、メインデルと同様に東京ほどの資金力があればディフェンス力は多少落ちるとしてもディフェンス面のマイナスを優先度の高いシュート力でプラスに出来るくらいの選手の獲得はいくらでも可能だったように思える部分でもある。


Cはメンバーが変わらないのでオフェンス面のバランス的な不安は残しつつ強力なメンバーのまま戦力的な変化はない。


総合的に見ても橋本が大倉に変わったのがプラスとしても吉井が菊池に変わったのはマイナスだと思っており、1番チームが変わる外国人選手がそのままだったので戦力的には昨季と同等と見ている。


オフェンスのバランス的な意味でも新しい選手が見たかったと言う意味でもメインデルとグダイティスは入れ替えて欲しかったが、それでも優勝候補なことに変わりないタレントだらけの強力なロスターなことには間違いない。


チームで3PA割合がどれだけ増えるか、アテンプト自体も昨季よりバラけるのかに注目したい。


個人的注目選手はテーブス。


PG層が他のポジションに比べて圧倒的に薄い東京において昨季テーブスの活躍と貢献は素晴らしかった。


日本人選手としてはサイズのあるガードとしてアドバンテージを持っており、トップクラスのゲームメイク力とアシスト力も備えている。


P&Rアクションも日本人選手で別格の上手さであり、フィニッシュ力ある外国人選手とは相性が良い。


ドライブのスキルも高く、強気にアタックする姿勢から打開することも多い。


東京の選手としては珍しくシュートも積極的に打つ選手で、強引なプルアップなども決め切る印象が強かった。


リバウンドにも飛び込んでポゼッションを確保しており、ディフェンスでもサボらない献身性で外国人ビッグマン相手でもフィジカルに当たるのが素晴らしい。


負担がかなりも大きいのに全局面で躍動しているので心配な面もあるが、今季も東京の心臓としてのプレイに期待したい。


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