今回はBリーグから開幕前総評第7弾の群馬クレインサンダーズ編。


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群馬は昨季も怪我などの不幸があったとは言えプレイオフをまたもや逃しており、予算も最低でも中位帯以上と思われることから成績的には見合ってるとはお世辞にも言えなかった。


同じく急激に資金力が上がった広島は既に優勝もしているわけで、未だにプレイオフすら出ていないのでは差が付くばかりでリーグのレベルアップにも付いていけていないイメージが強い。


だからこそ高ランク選手を毎年のように獲得している群馬が今オフはどのような編成をするのか楽しみだったが、かなり意外なオフになった。


まず、水野HCから広島で優勝の快挙を成し遂げたミリングHCに交代。


優秀でディフェンス志向のミリングHCの就任はワクワクさせる発表だった。


そんなミリングHCが指揮するロスターについて順に見ていくと、まずPGはフリッピンと菅原が継続して藤井が加入。


フリッピン、藤井とどちらが出てもディフェンス力が落ちないのは大きな武器であり、ドライブは得意だがシュートの苦手なフリッピンと違って藤井はシュートも上手いので昨季の並里・フリッピンに対してアンダーだけしているわけにはいかなくなるのも大きい。


また、藤井は日本人選手としては非常に高い得点力も持ち合わせているので辻以外の日本人選手の得点源としても見込める。


藤井加入でPGは大きく強化された。


SGは辻が継続して細川が加入。


昨季日本人選手トップスコアラーのシューターでありながらプレイメイカーにもなれる辻に加えて更にシューターの細川が入って辻が下がってもシュート力が落ちない布陣になった。


群馬は3PAを増やしても良いと思っていたチームなのでシュートを多投して高確率で決めていたベンティルがいなくなったチームにシューターの細川が入るのは合理的な補強かと思う。


藤井がSG起用されることもあると思うのでSGポジションも大きく強化された。


SFは八村とジョーンズが継続。


個人的にはジョーンズはSF層をもっと強化する意味で入れ替えると思っていたのと年齢的にも継続は意外だった。


ただ、そのままでも強力な選手であることには変わりなく、シュートが少ない点も藤井と細川加入で昨季ほどチーム的にデメリットではないと感じる。


枚数の少なさ的にジョーンズが怪我した場合はメンバー的にオン3出来なくなると思う部分が不安要素ではあるが、戦力的には現状維持は出来ている。


PFはパーカーと野本が継続してアキノとティーマンが加入。


高齢で昨季欠場も増えたが年齢を感じさせない運動量と献身性からサボらないディフェンスとリバウンドで多大な貢献をするパーカーを残せたのは大きい。


さらに最後の外国人選手としてティーマンを獲得したのは意外だった。


当ブログではティエマン表記をしていたが、ターズースキーやトーマスほどでないにせよかなりランクの高い選手なので相変わらず群馬の資金力には驚かされる。


ただ、群馬のティーマンに対する公式コメントでは都合が良いような好意的すぎる抜き出しが多いようにも思える。


例えばユーロリーグのスター選手でユーロリーグでも圧倒的な結果を残したという部分について、個人的には賛同しかねる部分と感じる。


というのも、確かにティーマンはユーロリーグ常連のベルリンでずっとプレイしていた選手であるが、ユーロリーグにおいてベルリンは資金力的にも成績的にも下位常連でヨーロッパのファンからはユーロリーグに残っているのが不思議なチームの1つともされている。


他のユーロリーグチームを渡り歩いてベルリンに居着いたわけでなく、ユーロリーグチームではベルリンでしかプレイしていないのでドイツBBLのスター選手ならともかく、ユーロリーグのスター選手はハードルを上げすぎではないかと思う。


圧倒的な結果という部分に関しても昨季は確かに平均12点以上で一昨期から平均5点近くも伸びてPTも増えているが、それはローやシクマなどのベルリンにいた数少ないユーロリーグでもスターと言えるような選手の他にもラマーズなどタレントがいなくなったことでスタッツが伸びたというのが実情である。


ユーロリーグ上位チームのようなスター軍団やタレントだらけのチームではタイムシェア出来るのでスタッツも分散しがちであり、1人の選手の得点やリバウンドが飛び抜けることは少ない。


だからこそミロティッチのように上位チームやタレントチームでも飛び抜けた得点力を記録するのが凄いわけであり、下位チームやタレントの少ないチームでPTの長い選手が平均12点取るのとは意味合いが違ってくる。


ミロティッチでなくてもラプロヴィットラなどティーマンより平均得点が少なくても実際はティーマンより得点力ある選手はユーロリーグ内にたくさんおり、リバウンドでも同様である。


先述したようにチーム成績でもベルリンは下位常連で、昨季は先に挙げたスター選手やタレント選手がいなくなったことでダントツの最下位だったわけで、それらを圧倒的な結果やユーロリーグのスターとするのは飛躍しすぎかと思う。


また、シュートが上手い選手かのように公式からコメントされているが、直近3シーズンの3P確率は30%以下でハッキリ言って下手である。


仮に上振れしたとしてもベンティルより高確率で決まる可能性は極めて低いと思われるので、ティーマンにシュートが期待できない分を同じく新加入の藤井や細川でどこまでベンティルが担っていたアテンプトと確率をカバー出来るかは重要になる。


なので、群馬のコメントは誇張しすぎというか事実以上のことが書かれているような気がしなくもない。


それでも日本で活躍するには十分な選手だと思うので、前置きが長くなったがティーマンについて持っている選手像について語ると、シュートは苦手だがポストプレイやドライブ、カットやダイブなどインサイドで得点するのが得意な選手である。


ターズースキーがオンボールでのプレイが得意なタイプではないのでベンティル同様にオンボールでのプレイが多くなると見ており、特にポストプレイのスキルが高いのでポストプレイは大きな得点源になりそう。


FTは3Pと違ってビッグマンとしては非常に上手く、直近4シーズンで75%と安定している。


ヨーロッパでもアテンプトが多かったので日本ではより増える可能性が高く、ベンティルと同等の大量試投も期待出来るかもしれない。


TOは直近3シーズンで割合15%以上と多く、得点力が高い上にTO割合が非常に少なかったベンティルとの比較では見劣りする。


リバウンドで見るとベンティルはORが弱いから取れない選手ということではなかったが、シュートが多い故にORが少ないという選手だったのに対してティーマンはシュートが多くない上にORの強さも持っているのでORは強化が見込める。


DRもティーマンの方がベンティルよりも若干上だと思うのでDRも強化が期待できる。


ディフェンスに関してベンティルはヨーロッパと違ってC起用も普通にされながらターズースキーと同等のディフェンシブレーティングを記録するなどオフェンス力に目が行きがちだが、適正ポジションを考えたらディフェンス面でも優秀な選手だったと思っている。


そのベンティルの代わりに入るティーマンは異なるリーグも混じっているので単純比較は出来ないが、ヨーロッパでのディフェンシブレーティング的にはベンティルと大きく差はない。


ポストディフェンスもペリメーターディフェンスもティーマンが若干上回ると思っているが、オフェンス力やオフェンス面のバランスの良さではベンティルだと思っているので総合的に見てベンティルがティーマンに代わったのがプラスになるかは分からない。


なのでPF層は微減か微増で判断出来なかったので間を取って同等と見た。


最後にCはターズースキーが継続。


昨季ファウル数を減らしており、ゴール下だけでなくミドルも良い確率で決めるなど良い活躍だった。


余計なテクニカルがなければ文句ないプレイぶりだったのでターズースキーの継続は意外ではなく、昨季同様の活躍が出来ればベンティルよりC適性のあるティーマンも回ってくるのでC層は強化されたと言えるはず。


チーム全体ではディフェンスとリバウンドが強化されたと思うので藤井、細川、ティーマンでベンティルの得点力とシュート力が抜けた分をカバー出来るかどうかということになりそう。


個人的にはジョーンズを変えても良かったのではという部分と群馬の資金力ならティーマンより良い選手や合いそうな選手を取れたとも思っているので外国人選手では若干期待外れで想定を下回る編成となった。


それでもティーマンは良い選手で3人とも地区内では豪華なメンバーなことに変わりなく、東京が抜けて千葉と栃木が高い壁と思われる部分に秋田とともに割って入れるかという位置に入れなきゃおかしいロスターと感じる。


昨季は怪我人の多さで勝率を落とした部分もあると思うので、仮にベンティルとティーマンの入れ替えがプラスにならなかったとしてもチームが健康でミリングHCが指揮するなら昨季の勝率は普通に上回るはず。


むしろ昨季の勝率を上回るのは最低限だと思っているので今季こそプレイオフに出場なるか楽しみにしたい。


個人的注目選手は新加入の藤井。


得点力高いガードでシュート、ドライブともに上手い。


自身の得点力を餌にアシストも出来るのでシューター陣や合わせで得点してくれるパーカーやターズースキー、ティーマンとの相性も良さそう。


サイズはないがリバウンドへの飛び込みも素晴らしく、豊富な運動量と強度で行うディフェンスも強み。


新天地でも攻守で躍動するのか注目したい。