今回はBリーグ30節からアルバルク東京とシーホース三河のカードをピックアップ。


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今節の結果次第でプレイオフ進出も決まる東京と地区内の追い上げで地区枠からワイルドカード争いにも巻き込まれかねない三河の試合は連日でロースコアの面白い試合だった。



1戦目


東京はFGの決定率は高くないが、持ち味のORを大量に獲得してセカンドチャンスから得点を伸ばしてリード。


三河はディフェンスからオフェンスのリズムも好転させ、FG全てをアシストから決めるチームオフェンスで1点ビハインドで折り返す。


東京は後半になると、アウトサイドシュートは高確率で決まるが、TOが多く出てミドルやペイントのフィニッシュ率に苦しみ逆転される。


ディフェンスで耐えた三河はTOを抑えてアウトサイドシュートを高確率で決めるなど引き離して12点差で勝利した。


チームスタッツは3Pが東京7/23で30%、三河は11/31で35%と確率と成功数で東京が上回った。


2Pは東京が15/37で40%、三河は14/29で48%と確率は三河で成功数は東京が上回った。


FG全体では東京が22/60で37%、三河は25/60で42%と確率と成功数で三河が上回った。


FTは東京が6/11で54%、三河は8/10で80%と確率と成功数で三河が上回った。


EFGは東京が42%、三河は51%で効率面でも三河が上回った。


リバウンドは東京がOR11本のトータル39本、三河はOR6本のトータル35本で東京が優勢だった。


TOは東京13個、三河は9個でTOでも三河が上回った。


その他気になるスタッツとしてファストブレイクポイントが東京7点に対して三河15点。


セカンドチャンスポイントが東京13点に対して三河5点と試合の勝因と各チームの強みが反映された。


個人では東京の安藤がシュートを高確率で決めてゲームハイの18点と1リバウンドで活躍。


セバスチャン・サイズはポストプレイやミドルなどで12点と5リバウンドに1アシストで貢献。


勝った三河はダバンテ・ガードナーがシュートやポストプレイなどでチームハイの16点と8リバウンドで活躍。


ジェイク・レイマンはシュートやトランジションでのフィニッシュなどで13点と6リバウンドで貢献。



2戦目


東京は凄まじい精度でアウトサイドシュートを沈めまくると30点近く挙げるハイペースで大量リード。


三河は前日同様にディフェンスから建て直しを測ると、東京の得点ペースを鈍らせて2Pでコツコツ詰める。


後半に入ると東京はTOが頻発するが、インサイドで驚異的な決定率で地道に得点しつつ三河の得点も抑える。


三河は東京のお株を奪うようなORからの波状攻撃でレイマンが奮起するも僅かな差を東京が詰めさせず4点差で逃げ切った。


チームスタッツは3Pが東京10/28で36%、三河は6/15で40%と確率は三河で成功数は東京が上回った。


2Pは東京が13/26で50%、三河は18/42で43%と確率は東京で成功数は三河が上回った。


FG全体では東京が23/54で43%、三河は24/57で42%と確率で東京、成功数は三河が上回った。


FTは東京が9/13で69%、三河は7/13で54%と確率と成功数で東京が上回った。


EFGは東京52%、三河は47%で効率面で東京が上回った。


リバウンドは東京がOR9本のトータル35本、三河はOR8本のトータル33本で東京が優勢だった。


TOは東京が16個、三河は14個で両チーム多かった。


その他気になるスタッツとしてペイント内得点が東京22点に対して三河36点だった。


個人では東京のテーブスがミドルやロングを様々ばシチュエーションから決めてチームハイの18点と6リバウンドにチームトップの6アシストで大活躍。


レオナルド・メインデルはシュートやドライブなどで10点と6リバウンドに3アシストで活躍。


負けた三河はジェイク・レイマンがシュートやドライブなどでゲームハイの20点とチームトップの9リバウンドで活躍。


アジア枠のイ・デソンはシュート中心に13点と3リバウンドに1アシストを記録。



総括


2試合ともロースコアゲームだったが面白かった。


しかも三河が東京が得意とするロースコアゲームで1勝をもぎ取り、2戦目も惜しいところまで行くなど見応え抜群だった。


2試合とも三河のディフェンスが光っており、東京に2試合続けて大量のTOを出させたのは見事だった。


スローペースの東京にとってTOでオフェンスが削られることはただでさえ攻撃回数が少ないチームなのに得点機会を失うわけであり、よりディフェンスに比重が掛かることになる。


また、東京はそのスローペースを補うべくリーグトップクラスのFTAで得点源を昨季から確保しているチームであるが、その東京に対して三河はFTを平気未満しか与えないようディフェンスしたのも素晴らしかった。


ディフェンスでの1戦目勝利であり、2戦目もディフェンスが良かったから惜しい試合まで持っていけたわけであり、ディフェンスが弱点だった三河が今季で全く違うチームになったことを東京相手でも証明する形になった。


プレイオフ安全圏ではない三河にとって負けても仕方がないと言える東京相手にイーブンで終えられたのは大成功と言える。


どのチームにも言えることであるが、残りの試合を全勝するのは難しい話なので落としてもいい試合があると割り切る部分は必要であると思っており、三河にとってそれが東京だとも思っていたので余裕のあるわけでない三河がそういう試合を1つ取れたのは大きい。


だからこそ今後勝たなければならない相手に落としてしまうと東京相手の勝利が無駄になってしまうので、特に大事な川崎、渋谷との直接対決は当然のこと同格以下は勝たないとプレイオフが遠のきかねない。


三河が新体制1年目で結果を出せるか、負けている川崎、渋谷との直接対決でどうなるか楽しみにしたい。


東京としてはプレイオフが確定したとはいえ、1位で出たい状況で栃木との差が広がってしまったので2勝出来なかったのは痛い。


大型連勝が続いている栃木相手に3ゲーム差をひっくり返すのは自力だけじゃ無理という点を抜きにしたとしても難しいように思える。


東京は試合を取り上げる度に述べている気もするが、やはりグダイティスを獲得したのは大きなプラスになり得たかという点に尽きる。


言うまでもなくリムプロテクターとしては優秀だが、フィニッシャーとしてはミドルも打つサイズより2P%が低い点で物足りず、ロシターがシュートに積極的出ない点でも組み合わせとして抜群とは言い難い。


また、開幕前総評でも当記事でも述べているように東京はFTを武器にするチームでもあるのでFTの下手なグダイティスは折角アテンプトが多くても確率を下げる結果になってしまっている。


その点ではメインデルも当てはまっており、メインデルについても開幕前総評でベストな補強でない旨を述べた記憶があるが、今シーズンのFT%が大きく下がっている部分からも改めてそう感じる。


もちろん、メインデルはシュートを想定以上の高確率で決めており、得点面では東京の強力な武器になっているが、今季はFT%のみならず、もう1つの東京の強みでもあったTOも増えており、メインデルのTOの多さも関係しているので資金力ある東京は他に選択肢がいくらでもある中で何故メインデルとグダイティスなのかというのは付き纏ってしまう。


そういうチームに合った補強が出来ていないように見える部分が栃木や千葉がシーズンを経るごとにチームが熟成されていると感じるのに対して東京は強いけど最初から完成されている状態であまり伸びていないように感じる理由なのではないかと個人的に思う。


だから東京は1位を維持できず、練度を上げて完成していった栃木に抜かれたのではないかと見ている。


プレイオフで優勝してグダイティスとメインデルが正しい選択だったと証明してくれることを期待したい。