今回はオーストラリアNBLの11節からメルボルン・ユナイテッドとアデレード36ERSのカードをピックアップ。
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大幅貯金でリーグ1位のメルボルンと大幅借金で下位のアデレードという対照的なチーム状況の試合はNBLらしいハイスコアゲームになった。
1Q
メルボルンはTOを1個も出さずにインサイドでもアウトサイドでも5割以上の高確率で決めてリードする。
アデレードもインサイド、アウトサイドともに高確率だが、3Pは1本しか打たなかったために5点ビハインドで終える。
メルボルンはデラベドバのドライブ、アチールのダイブ、トラヴァースとゴールディングの連続3P、アリエルのダイブとFT、クラークのドライブ、キャメロンのFTと3P、イリーとゴールディングの3Pで得点。
アデレードはヴァシリエヴィッチのフローター、フラワーズのドライブ、ヴァシリエヴィッチとワイリーのブレイク、ヴァシリエヴィッチのドライブ、ハンフリーズのC&F、マーシャルの3P、ヴァシリエヴィッチのFT、マーシャルのドライブ、ハンフリーズのダイブとフローターで得点。
2Q
メルボルンはTOが大量に出るが、アウトサイドシュートは引き続き5割以上で決めつつ2Pを7割近い確率まで上げて引き離す。
アデレードはORを大量に獲得してアテンプトを増やすが、FG33%で内外ともに不審から13点ビハインドで折り返す。
メルボルンはアチールのブレイク、トラヴァースのドライブとカット、アリエルのカット、デラベドバのドライブ、イリーのプルアップ2、クレブスのコーナー3Pとトランジション3Pとタフショット3P、クレブスのFT、アチールのプットバック、デラベドバのドライブから3点プレイで得点。
アデレードはケルのプルアップミドル、ハンフリーズのFHOドライブ、ワイリーのカット、スターリングのFT、ケルのブレイクとプルアップジャンパーとフローター、ハンフリーズのダイブから3点プレイ、マーシャルのドライブで得点。
3Q
メルボルンは後半に入っても3P、2Pともに6割以上の超高確率なオフェンスを展開してリードをキープ。
アデレードもようやくFG7割近い効率的なオフェンスで内外から高確率で決めると8点ビハインドまで詰めて最終Qへ。
メルボルンはトラヴァースのC&Fと3P、イリーのFTで得点、アチールのC&F、イリーのコーナー3P、クラークのカット、ゴールディングとクラークの3P、クレブスのドライブ、クラークの3Pで得点。
アデレードはP&Rからワイリーのアリウープ、フラワーズのドライブ、ヴァシリエヴィッチとケルの3P、ケルのFTとブレイクから3点プレイ、ワイリーとマキャロンの3P、スターリングのC&F、ヴァシリエヴィッチのステップバックミドル、ワイリーの3P、ハンフリーズのカットで得点。
4Q
メルボルンはようやくFG%が落ちて4割を切るが、ディフェンスで失点も抑えてFTはパーフェクトで決めて逃げ切る。
アデレードは大量のFTと高確率なアウトサイドシュートで追い上げを図るが、インサイドでのフィニッシュを阻まれ11点差での敗北となった。
メルボルンはイリーのドライブ、ゴールディングの3P、デラベドバのフローターとFT、トラヴァースのプットバック、アチールのブレイクから3点プレイとドライブ、スティールからイリーのブレイクとFT、アチールのFT、ロングの3Pで得点。
アデレードはヴァシリエヴィッチのステップバックジャンパー、ワイリーのブレイク、マキャロンのFT、ヴァシリエヴィッチのロング3P、スターリングのダイブ、ヴァシリエヴィッチのディープ3PとFT、ハンフリーズのカットとFT、ケルの3PとFTで得点。
チームスタッツ
チームスタッツは3Pがメルボルン16/33で48%、アデレードは9/14で64%と確率はアデレードで成功数はメルボルンが上回った。
2Pはメルボルンが23/43で53%、アデレードは27/65で41%と確率はメルボルンで成功数はアデレードが上回った。
FG全体ではメルボルンが39/76で51%、アデレードは36/79で46%と確率と成功数でメルボルンが上回った。
FTはメルボルンが13/16で81%、アデレードは15/19で79%と確率と成功数でメルボルンが上回った。
リバウンドはメルボルンがOR10本のトータル46本、アデレードはOR9本のトータル36本でメルボルンが優勢だった。
TOはメルボルンが12個、アデレードは7個でアデレードはミスが非常に少なかった。
個人スタッツ
個人ではメルボルンのシー・イリーがシュートやドライブなどでチームハイの16点と2アシストで活躍。
クリス・ゴールディングは3Pのみで15点と4リバウンドに2アシストでシューティング中心に活躍。
負けたアデレードはデジャン・ヴァシリエヴィッチがシュートやドライブなどでゲームハイの23点と2リバウンドにチームトップに6リバウンドで活躍。
トレイ・ケルはシュートやドライブなどで22点と3リバウンドに2アシストで貢献。
総括
両チームともにシュートが高確率で決まる試合だった。
全てのQエンドでメルボルンが上回るなど順位通り内容でも圧倒的だった。
アデレードはTOが非常に少なく、3Pも6割以上の超高確率で決まっていて普通なら勝ち試合のはずなのだが、3PAがたった14本しかなく、NBLの試合とは思えない3P割合が低かったのが響いた。
特に4Qではアデレードは徹底してインサイドを攻めており、しかもそれをメルボルンに尽く阻まれていたのでメルボルンのディフェンスが凄かったというのもあるが、アデレードのオフェンス選択が勿体無かった。
こういうオフェンスが絶好調な試合が出来た時に相手が1位のメルボルンというのも運がなかった。
アデレードは引き続き借金生活が続き、ロスターから見てもここから這い上がるのは難しいかもしれない。
ヴァシリエヴィッチはオフにサマーリーグに挑戦したが、NBAには残れなかったもののNBLではやはりトップクラスの選手で今季も個人では高いスタッツを残しそうである。
メルボルンはスーパープレイヤーこそいないが、デラベドバやゴールディングなどトップクラスの選手がいてバランスがいい。
特にNBLにはコットンやカミングス、カートライトやミラーなどPGに凄まじい得点力を持つ選手が多いが、デラベドバはそういう選手と比べて異質な存在かもしれない。
デラベドバも得点力のある選手ではあるが、スコアリングタイプというよりは万能タイプなガードで上記の選手のような派手さはない。
ただ、得点やアシストで引っ張るコットンやカートライトと違ってディフェンスやコントロールでも存在感を出せるデラベドバが他のどのNBLのガードよりもNBAで実績を残したのは納得である。
デラベドバがいるからこそSEメルボルンなどのスーパープレイヤーを複数揃えるタレントチームよりも上の順位でいられるのかもしれない。
メルボルンがこのままチーム力で1位をキープ出来るか今後も注目したい。