今回はBリーグ開幕前総評番外編ということで初来日外国人選手について。
昨季番外編はこちら
評価基準は得点やアシスト、TOなどオフェンス面のみを評価し、ディフェンスやリバウンドなどはここでは評価には含まない。
それでいて評価対象は初来日かつ知っている選手のみ。
昔と違って明らかにレベルの低い選手は少なくなっている、というか今季は日本に来るとは思っていなかったようなランクの高い選手や有力選手が多く、初来日組は良い選手が多いので評価は厳しめに。
開幕前総評などで述べた選手のプレイスタイルや詳細は割愛。
最上位レベル
ここに分類した選手たちはどのチームに入ってたとしても1stオプションやスーパーエース級の活躍が予想され、オフェンス面でリーグトップレベルの活躍をすると予想している選手群となる。
・フランクス
オーストラリアNBL決勝や川崎の外国人選手予想、名古屋の開幕前総評など多くの記事でも述べた通り非常に高く評価していた選手で、ユーロリーグ参加チームに行くとも思っていたくらいの選手なので日本への移籍は驚いた。
今季初来日の選手の中でも最も楽しみな選手であり、この記事ではオフェンス面の評価のみで最上位したが、フランクスの場合はディフェンス面を含める評価だったとしても最上位としていたくらい攻守で優秀な選手。
名古屋のみならず他のどのチームでも間違いなく活躍出来る選手だと思っており、もちろん名古屋でもクラークの抜けた穴をクラークとは違う形で埋めてくれるはず。
・ブラントリー
フランクス同様にユーロリーグ常連チームに行くと思っていたので日本、それも昇格チームの長崎への移籍が決まって非常に驚いた選手。
思っているほど海外での評価が高くないのか、長崎のオファーが良かったのかは分からないが、どちらにせよ長崎にとっては非常に大きな戦力になるのは間違いない。
ブラントリーはフィジカルの強いフォワードで、そのフィジカルを活かしてのドライブやポストプレイで得点出来る。
カットやトランジションでの得点力も持ち味でスコアリング能力が非常に高い。
3P%やFTは昨季のみプロ入り後で高い確率を記録しているが、他のシーズンの確率は高くなく、シューティングに関しては上手くない。
リバウンドやディフェンス面も優秀で、オフェンス面だけでなく総合的な評価だったとしても最上位レベルの選手と見ている。
どのチームでも大活躍出来そうな選手であり、アグレッシブなディフェンスをする故にファウルの多さが気になるかもしれないが、長崎では全曲面で大黒柱となるはず。
上位レベル
ここに分類した選手はほとんどのチームで上位オプションになり得たりエース級の活躍が見込める選手で、最上位レベルの選手に準じると見ている選手群。
・ウィリス
ウィリスも以前から見たいと思っていたが、日本に来るとは思っていなかった得点力の高い選手。
ポストプレイやダイブ、カットで得点が可能でFTを貰うのが上手い上に確率も直近3シーズン8割以上でビッグマンとしては非常に高い。
一方で3Pは直近2シーズンは悪くないもののそれ以前も含めると高低差が凄まじい。
モータムとは全然違うタイプであるが、得点力はモータムと遜色なく、ロングがいなくなった北海道でもブルックスが従来通りプレイ出来るのであればロング移籍による得点力の懸念は心配しなくても良さそう。
・エレンソン
名古屋の外国人選手予想記事で書いた通りシュート、ドライブ、ポストプレイ、ダイブなど得点パターンが豊富な上に得点力も高いビッグマン。
フランクスに続いて別のチームとはいえ予想した選手の来日実現には驚いた。
このサイズでCTCを決めるトランジションでの走力やプッシュ力などビッグマンらしからぬプレイも見どころ。
茨城にはインサイドやハーフコートメインで仕事出来るジェイコブセンがいるので同時出場時はアウトサイドやオールコートでより存在感を発揮することになりそう。
・ベンティル
かなりランクの高い選手でオフボールでのプレイが得意なフォワード。
シュートやカットが上手いので並里や辻からのアシストが見込めるだけでなく、ジョーンズにスペースを与える意味でもターズースキーにペイント付近でディフェンスが寄ることを考えても数字以上にチームに与える部分での活躍が期待出来る。
昨季キーナンのシュートが入らなかった群馬にとっては辻と合わせてシュート%の改善になりそうな補強で外国人選手や帰化選手とのバランス的にも合いそうな選手。
チームのトップスコアラーは変わらずジョーンズのままだと思うが、ジョーンズが下がった時間帯もベンティルがいればバランスの良いオフェンスが見られそう。
・メインデル
オールラウンドタイプのフォワードでドライブが特に脅威。
東京はオン3でメインデルを3番起用出来るので日本人選手とのマッチアップが起こると相手にとっては痛い部分であり、東京の大きなアドバンテージになりそう。
ただ、今季もチームでシュートが入らないようだとメインデルの持ち味を存分に活かせないかもしれない。
・クレモンズ
シュート、ドライブから得点するのが得意でFTも大量試投が期待出来る。
ゲームメイクも出来るのでマカドゥやホーキンソンとは相性が良さそう。
何より渋谷ではオン3で出場してくるわけで、数少ない外国人ガードという特性上から日本人選手とのマッチアップが多くなることが予想される。
そうなると止めるのは相当に難しいのではないかと思う。
渋谷には優秀な帰化選手や得点力高い外国人選手がいるのでクレモンズの得点が飛び抜けたものになることはなさそうだが、渋谷の大きな戦力になるのは容易に想像出来るので、オン3での起用によりスタッツが伸びることも含めての上位評価。
・ウィンブッシュ
ドライブとトランジションでの展開を特に得意とするスイングマン。
シュートも悪くなく、FTは貰うのも決めるのも上手いのでオン3で日本人選手とのマッチアップになれば大きな得点源になることが期待出来る。
日本人選手相手でもアタック出来ないジャニングからウィンブッシュに変わったことは川崎にとって大きな戦力アップと見ており、オン3での起用でスタッツも伸びることを含めて上位評価とした。
・オーガスト
シュートやFT、オンボールでのスキルや得点には期待出来ない代わりにダイブやカット、トランジションからのフィニッシュにおいては凄まじいものがあるビッグマン。
ファウルが多い選手なのでPTは少なくなる可能性もあり、総合的に見れば三河にとってベストな選手だったとは思わないが、オフェンス面に限って見るなら久保田やダバンテとの相性的にもインパクトを残すはず。
スローなダバンテと機動力抜群のオーガストとの緩急差は楽しみ。
・カロイアロ
前から日本で見たいと思っていた選手の1人で一昨季前までは4シーズン連続でテルアビブの主力としてプレイしていた高ランクプレイヤー。
シュート、ドライブ、ポストプレイ、カット、トランジションと得点パターン豊富でどれも最低限のスキルは持ち合わせているオールラウンドタイプのフォワード。
中でもシュートとドライブは得意であり、3P%は高確率を記録しているシーズンが多く、大阪にはインサイドでディフェンスを引き付けまくるロングがいるので相性も良さそう。
ドライブに関してもカロイアロのドライブにインサイドからヘルプが寄ったらロングがフリーになりやすいので相乗効果も期待出来る。
FTも上手く、日本ではアテンプトも増えそうなのでロングともども大阪はFTが大きな得点源になるかもしれない。
TOが少ないのも素晴らしく、得点面ではロングに及ばないかもしれないが大活躍するはず。
中位レベル
ここに分類した選手は中位クラスのチームでエースや上位オプションとして機能すると見ている選手群となる。
・ステフェンズ
身体能力抜群なオフボールタイプのスイングマンでカットとシュート、トランジションでのフィニッシュ力が持ち味。
リバウンドの強いムーニーとアシストの上手い富樫がいる千葉とは相性が良さそう。
上位と中位で迷った末に中位にした。
・グダイティス
リーグの歴史の中でもトップクラスにランクの高いビッグマン。
ポストプレイとダイブが得点パターンでFTを貰うのも上手い。
ただ、東京は数シーズン続けてシュートが入らずインサイドを固められがちなので、今季も従来通り東京のシュートが入らないようであればグダイティスは本来の実力を発揮出来ない可能性が高い。
他のチームの方が活躍出来そうな選手だが、サラリー的に他のチームでは獲得出来ない選手のはずなので東京が他の選択肢も多くある中でグダイティスを選んだのかは開幕前総評でも述べた通り意図が読めない。
実績やランクでは飛び抜けているが、活躍出来るチームを他の選手よりも選びそうな点で中位にした。
・ダジンスキー
シュートが非常に上手いビッグマン。
スポットアップやP&P、トランジションなどから打ってくるC&Sが得意で直近3シーズンの3P%は4割以上で驚異的。
当然FTも上手く、8割前後のシーズンが多い。
シュート力があるので、それを餌にカットも効果的に行う。
ポストプレイでも得点出来るが、シュートほどスキルがあるわけではない。
三遠には同じようにシュートの上手いクラークとインサイドで強みを発揮するメイテンとで得点力ある選手が揃っているのでダジンスキーの得点が大きく伸びることはないかもしれないが、2人と相性的にも良さそうで効率的な活躍が期待出来る。
・ソアレス
ブラジル代表のビッグマン。
シュート、ポストプレイ、ダイブをメインに得点するが、中でもシュートが得意でミドル、ロングともに上手い。
名古屋にはエサトン、フランクスと得点力が非常に高い選手が揃っているのでソアレスは2人に次ぐ得点を記録することになりそう。
シュートが上手い点でも名古屋のオフェンスには合いそうだが、ファウルの多さは気がかり。
・チャイルズ
フィジカルと身体能力に秀でたビッグマン。
ポストプレイやダイブ、ポジショニングによるC&Fなどペイント内で得点するフィニッシャータイプ。
一方でシュートやFTの確率に関しては期待出来ない。
ここでの評価には関係ないが、リバウンドとディフェンスは優秀。
昇格チームで日本人選手のタレントに欠ける佐賀ではスタッツも伸びそう。
並レベル
ここに分類した選手はリーグで通用する最低ライン前後の実力や活躍度合になると見ている選手群で、個人的に物足りなさを感じそうな選手を分類した。
・クロケット
オフボールタイプのSFでカットやトランジションから得点するのが得意。
シュートはマイナーなリーグ以外では低確率なことが多いので上手いとは言い難く、シュートが決まらないようだと得点や活躍度合は小さいかもしれない。
ザックとは相性が良さそう。
・トンプソン
フィジカルの強いビッグマン。
ここ1〜2年で徐々に衰えた印象。
ポストプレイとダイブがメインの得点源であるが、シュートも少ないながら打ってくる。
FTは苦手で、近年は7割未満が続いている。
信州はタレントの少ないチームなのでトンプソンのスタッツ自体は伸びる可能性が高いが、他のチームが欲しがることはなさそう。
・ハマー
オフボールタイプのPFでカットやダイブ、C&FやC&Dで得点する。
シュートは苦手で3P、FTともに確率が低い。
ロングやカロイアロにディフェンスがよると思うので得点機会は多いかもしれない。
・デイビス
フィジカルの強いアンダーサイズのビッグマン。
シュート、ドライブ、ポストプレイ、ダイブ、トランジションと得点パターンは多いが個々のスキルは高いと思わない。
FTは毎年高確率でビッグマンとしては申し分ない上手さ。
京都はジョーンズ、ジャクソンと優秀な外国人選手がいるので3番手で間違いないと見ている。
以上見てきたが、やはり個人的最注目はフランクスで、早く日本でのプレイが見たい。
この評価が当たっているのか、意外な選手による予想外の活躍があるのか、評価出来なかった知らない選手のプレイ含めて開幕を楽しみにしたい。