今回は現地7月19日から開幕のオープントーナメントであるTBTの注目チームや注目選手、優勝予想について。
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今年のTBTも8地区の予選ブロックを勝ち抜いてきたチームによる決勝トーナメントで賞金100万ドルを目指すことになる。
かつて賞金が200万ドルだった時には有名選手や高ランク選手も多く参加していたが、賞金が半額になって有名選手の参加が少なくなってしまった。
今年もかつてほど有名選手が多いわけではいないが、オーバースペック気味の選手がいるチームなどもあり既に注目を集めいるチームも多い。
ただ、TBTは即席チームが多いことや一発勝負のトーナメント故にそのようなスーパープレイヤーが集まっているチームでも早期に負けることも珍しくなく、各国リーグ戦に比べて予想が難しい部分であり、面白い部分でもある。
そんな今季のTBT各地区について以下で見ていきたい。
ウィチタ
ウィチタ地区には前回ベスト4のアフターショックスをはじめ、ドリューリーグから参戦のLAチーターズなどが所属し、16チームも参加する地区となる。
選手単位で見るとNBAで8シーズンプレイしたジェイソン・トンプソン、日本でプレイしたウォーカーやスミス、NBLで活躍したクリーブランドなどがプレイする。
チーム単位で見ると個人的注目はアフターショックス、アーカンサス、マス・ストリートの3チーム。
アフターショックスは日本でもプレイしたスタツがGMとACを務めるチームで、攻撃的ガードのフランキャンプやスコアリングビッグマンのウィリス、オールラウンドフォワードのマクダフィーなど有力が多い。
チーム・アーカンサスはアーカンサス大出身者中心のチームでCBAで大活躍して途轍もないゲームメイク力を備えるフォートスンや、同じくCBAで大活躍していた得点力高いスイングマンのウィームスがいて侮れない。
マス・ストリートは注目するような選手はいないが、指揮を取るのがNBAのモリス兄弟なので大会全体でも注目度は高いはず。
地区優勝予想はアフターショックスで個人的注目選手はマクダフィー。
マクダフィーはオールラウンドなフォワードで日本に来ることを期待していた選手であり、TBTでも大活躍すると思っているのでタレント揃いで攻撃力あるメンバーの中でも目立つのではと見ている。
ルイビル
ルイビル地区はウィチタの半分の8チームしかない地区であるが、ガッター・キャッツやエバーレイン・ドライブなど有名チームが参加するレベルの高い地区となっている。
選手単位で見ればNBAで13シーズンをプレイしたコーリー・ブリュワーやアンダーサイズながらフィジカルでインサイドを突破するバーナード、スコアリングガードのガウデロック、得点力とP&Rに定評のあるトリンブル、オールラウンドスイングマンのブラウン、日本でプレイしたカーターなどがいる。
個人的注目チームはガッター・キャッツ、ザ・ビル、エバーレイン・ドライブの3チーム。
ガッター・キャッツはTBT恒例になりつつあるヨーロッパでも上位層選手のハインズが率いるチームで、ハインズのコネによるオーバースペックとも言えるようなタレントチームが特徴。
今年も以前ほどではないとはいえ、有名選手が揃っており、大阪に加入したカロイアロやドライブとゲームメイクスキルが高くバレンシアで大活躍したジョーンズ、シュートが抜群に上手いエディ、ベテランコンボガードのロール、そしてアンダーサイズながらユーロリーグでゴール下を支配し続けてきたハインズももちろんプレイ。
賞金減額以降タレントの参加が減ったTBTにおいて相変わらず別格のタレントを揃えたロスターであるが、ずっと結果が出ていないのでそろそろ決勝くらいにはロスター的にも進んでほしい。
ザ・ビルはペイントで強さを発揮するビッグマンのオヌアク、スコアリングガードのダウ、広島でプレイするメイヨ、ベルリンで長年メインPGだったシヴァ、そしてバルセロナで昨季までの5シーズンで何度もタイトルを獲得したシューターのキュリッチを擁する。
キュリッチはハインズと並んで地区のみならず大会全体でも別格クラスの選手で、加入が発表された時には驚いた。
今オフにバルサ退団が決まったが、バルサでの5シーズンで3Pは4割を超えることが3度、最低でも35.6%と安定して高いシュート力を持っており、先日のACBプレイオフでも優勝してバルサでの有終の美を飾った。
TBTでは明らかにオーバースペックな選手であり、チームもタレントが多いのでキュリッチがフリーで打てる状況も多くなると思われ、大活躍が予想される。
エバーレイン・ドライブは大会常連の強豪でかつては東京でプレイしたカークなども所属した。
今年はポーランド代表でシュートの上手いスロウター、ゲームメイクの達人で昨季イスラエルで平均13アシストの脅威的な記録を残したクーパー、スコアリングビッグマンのオブライアント、昨季初のユーロリーグ参戦にも漕ぎ着けたスコアリングガードのヘイデガーなどが揃った。
ハインズやキュリッチのようなスーパースターはいなくても中堅のトップクラスが集まったチームで弱いことはないだろう。
タレント揃いのチームが多いので優勝予想の難しい地区であるが、ガッター・キャッツを推したい。
個人的注目選手はクリス・ジョーンズ。
先日のBリーグ新外国人選手予想東京編でも述べた通り、メイコンと最後の3人で迷った選手の1人でドライブとゲームメイクが抜群に上手い。
シュートも積極的に打つわけではないが、高確率で決めており好きな選手なので是非TBTでの活躍も見たい。
ウェスト・バージニア
ウェスト・バージニア地区は前回地区王者のベスト・バージニアや常連で強豪のサイドライン・キャンサーやチャレンジALSなど有名なチームが多い。
選手単位で見れば、京都に移籍したジョーンズや身体能力抜群のスイングマンのトコト、オフボールビッグマンのフィッシャー、日本でもプレイしたウィッティントン、ポストゲーマーのシムズなどがいる。
個人的注目チームは常連のサイドライン・キャンサーとチャレンジALS。
キャンサーはディフェンス力の高いライスやストレッチビッグのドーム、大会全体でも上位の得点力を持つであろうキーンなどがプレイ。
以前ほどタレントの多いチームでは無くなったが、それでも有力な選手が多い。
ALSは日本でもプレイしたスティーブンス、コンボガードのマギー、シュートの上手いボイントン、ヨーロッパでも脅威的な得点力を発揮していたスコアリングガードのウォーレンなどガード層が異様に厚い。
優勝予想はキャンサーで注目選手はドーム。
ずっと日本に来てほしいと思っている選手の1人でシュートが上手いだけでなく得点力にも優れている。
キーンが間違いなくディフェンスを引きつけるはずなのでドームの得点チャンスも増えるはず。
シラキュース
シラキュース地区は前回王者のブルーカラーUやTBT歴代最多勝利数を記録するボーハイムズアーミーが所属する地区となる。
選手単位で見ると、中でも外でもプレイ出来るビッグマンのカッジ、得点力と身体能力に優れるマンフォード、Bリーグ新外国人予想北海道編で予想したスコアリングビッグマンのラレン、突破力あるフォワードのクックなどがいる。
注目チームはブルーカラーUとボーハイムズアーミー。
ブルーカラーUは前回王者で大会全体でも1回しか負けていない意外な伏兵である。
フィジカルの強いスイングマンのハミルトンや前回MVPのマシンバーグ、日本でもプレイした得点力のあるパーキンス、前回大会で安定して得点していたガードのクラークなどがいる。
正直言って前回大会といいブルーカラーのロスターはタレントレベルが高いわけではないのでチーム力で勝っているチームと言える。
今大会でもこの陣容で勝ち進めるのか興味深い。
ボーハイムズアーミーはその名の通りシラキュース大OBを中心としたチームで大会最多勝利数を誇る。
ロスターにはヨーロッパでもトップクラスの身体能力を誇るスイングマンのジョンソン、TBT初期から参加しているコンボガードのバイクス、オールラウンドスイングマンのリチャードソン、スコアリングガードのモーガンなどバックコートが充実している。
フロントコートは少し頼りない気もするが、地区内ではバックコートだけでお釣りが来るような布陣と言える。
優勝予想はボーハイムズアーミーで注目選手はリチャードソン。
日本で見たいと毎年思っている選手でドライブとシュートどちらも水準が高い。
他にもタレント揃いのチームなのでリチャードソンのスタッツが飛び抜けたものになるとは思えないが、得点力に期待したい。
デイトン
デイトン地区は優勝経験あるカルメンズクルーや前回ベスト4のレッド・スケアーなどが所属する地区となっている。
選手単位で見れば、シュートの上手いフォワードのアレン、オールラウンドなスイングマンのキング、大会MVP経験のあるビュフォード、スコアリングガードのケイバーなどがいる。
注目チームは大会初期から強豪だったアーマード・アスリートを前身とするフライデービアーズ。
オフボールスイングマンのドーキンス、名古屋でプレイするクラーク、スコアリングガードのボスト、シューターのヨーク、コンボガードのミラー、ロールマンのギャンブル、オールラウンドスイングマンのブラウン、圧倒的な得点力を持つクリークなど有力選手だらけとなっている。
優勝予想もそのままビアーズで、個人的注目選手はクリーク。
何年も前から日本に来て欲しいと思っているオーストラリア人スイングマンでドライブやポストプレイなどアタックが強烈で得点力がとにかく高い。
オーストラリアNBLでも毎年トップクラスの得点力とスタッツを見せつけており、優秀なチームメイトが多いTBTでも凄まじいスタッツを残す気がする。
ラボック
ラボック地区は前回なかった地区でラッカーパークの代わりに入った地区となるので初出場のチームが多い。
選手単位で見れば、大会屈指の得点力を持つと思われるガードのジェファーソン、日本でもプレイしたショーターとオクインなどがいる。
注目チームと優勝予想はエア・レイダーズで、レイダーズにはスコアリングガードのムーニーやドライブの得意なビッグマンのクラヴィッチ、シュートの得意なロバーソンなどがいる。
注目選手はボスニア・ヘルツェゴビナ代表のロバーソン。
ロバーソンは得点力抜群で昨年のユーロバスケットでも大活躍しており、シュートとドライブどちらも上手い。
初出場のチームが多く、有力選手も他の地区と比べて少ない気がするのでラボック地区から優勝チームが出るのは難しい気がする。
ゼイビア
ゼイビア地区は前回準優勝のオーティズムやメイウェザーも関わっていたマネーチームなどが所属する地区となっている。
選手単位で見れば、秋田でプレイしたカンターやオフボールでもオンボールでも得点出来るスイングマンのマキュラ、Gリーグで活躍したゲイツなどがいる。
注目チームはザ・プログラム・フォー・オーティズムとザ・マネーチーム。
オーティズムは前回準優勝のアメリカン・フォー・オーティズムを前身とするチームでポストプレイの得意なビッグマンのモンローやオフボールビッグマンのジェームズ、スコアリングガードのブラウン、シュート力あるガードのアルマンドなど有力選手が多い。
マネーチームはオフボールビッグマンのブッカー、NBLで活躍したレッドベター、スコアリングガードのクロウフォードなどがいる。
優勝予想はマネーチームを推したい。
今年はフレデッテがいなくなってしまったが、それでも地区内ではタレントチームなのは変わらない。
注目チームはブッカー。
ブッカーはユーロリーグ常連チームを渡り歩く高ランク選手でTBTではオーバースペックな選手と言える。
ダイブやカット、トランジションの展開が得意で身体能力とフィジカルでコンタクトに関係なくフィニッシュ出来るのが強み。
以上8地区を見てきたが、唯一16チームのウィチタや強豪揃いのルイビル、決勝と日程が近いデイトンあたりは勝ち抜き続けるのは厳しいように感じる。
全体の優勝予想は
本命:ガッター・キャッツ
対抗:フライデー・ビアーズ
大穴:ザ・ビル
同じ地区から2チーム選んでしまったが、正直ルイビルからはエバーレイン・ドライブも選びたいくらいであり、個人的には最激戦区と感じる。
ただ、やっぱり毎年ユーロリーグ上位クラスの選手を参加させてくれるハインズの優勝が見たいので本命はキャッツとした。
TBTはシーズン中の海外リーグと比べても予想難易度が圧倒的に高い大会なので前回のように予想外のチームが勝ち上がるかにも注目したい。