Bリーグ開幕前総評第11弾は島根。


昨季シーズン総評はこちら『Bリーグ21-22 シーズン総評 島根スサノオマジック』シーズン総評第11弾は今季のサプライズチームの1つである島根。開幕前総評はこちら『Bリーグ21-22シーズン開幕前総評 島根スサノオマジック』Bリーグ開幕前シ…リンクameblo.jp


昨季島根は日本人選手の層の薄さを主力選手にPTを偏らせることで誤魔化し、外国人選手の負傷の際も帰化選手やプレイ出来る外国人選手をフル出場近く引っ張るリスキーな戦い方でサプライズを起こした。


ボールを長く持つ選手とそうでない選手が極端であり、長く持つ選手のTOが異様に少なくポゼッションを無駄にしない姿勢は圧巻だった。


そんな島根のオフは日本人選手の大幅入れ替えが進むと予想していたが、津山と谷口の2人に留まった。


しかも島根にとっては想定外だったであろう金丸の退団もあり、谷口はニカと外国人ビッグマンのバックアップでPTが平均5分程度になると思われることを考えると主力級のPTが与えられるのは津山のみの可能性が高く、実質的に金丸と1:1交換でPGの層を1枚厚くした形に。


ほとんど休めなかった安藤の控えを用意出来たのは良いことだが、チームNo. 1の確率で3Pを決めて平均2桁得点も記録していた金丸はスペースを作る上でも重要な役割を果たしており、リーグ2位の3PAでガンガン3Pを打ってくる島根にとっては重要なピースでもあった。


その金丸の代役を確保出来ず、退団した後藤と再契約するあたりフロントの思っていたような選手獲得が出来なかったのは明らか。


安藤と変える必要性の感じなかった強力な外国人選手と帰化選手のニカをキープ出来たので大崩れすることはないと思われるが、補強という観点では上手くいかなかったと見るべきだろう。


今季は最初からニカがまとまったPTを貰えると思われるのと津山の加入で外国人選手と安藤のPTが昨季のように長くなることはなさそうだが、帰化・外国人選手の怪我と津山の出来次第では昨季のような偏ったPTに戻ることもありうる。


主力の残留とHCの継続で同じ路線を踏襲することで序盤から連携が問題ないことや他のチームのようにチームを1から作り上げる必要がないことは強味かもしれない。


昨季大幅に各項目が改善したチームスタッツの中でアタック出来る選手が多い割に少なかったFTAはリーグ上位のFT確率を誇る島根にとっては増やしたい部分であり、安藤やビュフォード、トラビスのアタックに期待がかかる。


個人的注目選手はケイ。


攻守で献身的かつ効率的な万能ビッグマンであり、プレシーズンからシーズン序盤で苦戦の見られた海外とは違う日本のバスケに順応する適応力も持つ。


FHOからのドライブやミスマッチを的確に突いてのフック、ノーマークで確実に決めてくれるシュートなどセレクションが絶妙で玉離れがいいのでTOもほとんどしない精密機械のようなプレイは見事。


アシストやディフェンスも抜群なチームの屋台骨であり、個人的に選ぶ昨季のMVP。


他の外国人選手の怪我で島根が崩れなかったのもケイがいたからだと思っており、ケイが怪我をすると穴埋めは相当難しくなると思われる。


やはり日本人選手の層が薄いのと2年連続でPTの偏重で戦うことになれば苦しいと思うのでワイルドカード争いに回ると予想。