🌸60代のスローライフ🌸                   日々の暮らしを心地よく                        

 

  映画『オッペンハイマー』原爆の父

 

 
 
 
 
 
「我は死なり 世界の破壊者なり」

天上の火を盗み 人間にそれを与えたというギリシャ神話に登場する神
プロメテウスの 言葉の一節から始まる
 
 
原爆の父と言われた
ロバート・オッペンハイマーの苦悩の半生を描いた
アカデミー賞作品賞の映画
 
 
友人と3人で この映画を鑑賞してきました
 

 
 
 
唯一の被爆国に住む わたし達日本人の中には
この映画を 観ること自体を
拒否する人も多いと聞きますが
 
 
感想…
ひと言で 観て良かったです
 
 
NHKで放映されていた
『映像の世紀バタフライエフェクト』を予習として視ておけば良かった と後悔しながらも
3時間という長い上映時間を
少しも長くは感じなかった
 
 
量子力学に秀でた青年が
大学で教授から苛めを受けていたシーンからの始まりは 夫の学生時代と重なり
一気に親近感を抱いた
 
 
そんな どこにでもいる
研究熱心な普通の
(いや、普通ではないかもしれないけれども)そんな青年が流れの中で 
原子爆弾の開発リーダーになる
 
 
最初は ナチス・ドイツを止めるためにと
 
そして
この世界から『戦争』を無くすために
 と
壮大なプロジェクトに取り組む姿が描かれている
 
 
広島・長崎は
全くと言ってもいい程 描かれてはいなくて

人類初原爆の開発地
ニューメキシコ州のロスアラモス
砂漠の実験場景色が 印象的

そのことに対しては 視点が違うのだからと受け止めることはできたのだけれども
 
 
開発成功の 歓喜のシーンが
唯一
違和感を感じずにはいられない場面だった
 
 
 
 
 
 
 
オッペンハイマーを演じる
キリアン・マーフィー や
アインシュタインを演じる
トム・コンティ
 
も 本人ではないかと 感動するほどに似ている
 
 
重いテーマゆえにこの様な映画は
受け止める人それぞれに
思いは 異なると思う
 
 
亡き義父は
『被爆者手帳』を持っていた
義父はいつも「原爆手帳」と言っていたけれど
投下時に 広島宇品に駐屯させられていたから 命は助かったけれども
投下直後に 爆心地に入り様々な任務で被曝 義父 二十歳の時
 
 それから生涯 常に発癌の恐怖を抱いていた

義父にとっては孫である わたしの息子の小学生時代 小学校の担任の先生から度々
その体験を子ども達に語ってほしいと頼まれていたのだけれど
義父は一度も 語れなかった…

一度は引き受けた時もあったりしたものの直前になって
やはり断っていたりして… 
 

義父の心中には わたしには
推し量れないほどの
光景が蘇っていたのではないかと思う



 
 
 
わたしが 最も印象に残ったのは
 

開発研究に携わる たくさんの研究者たちが
議論を闘わせ
何年もの 月日を重ね
量子力学や 数学で計算を重ねる
 
そのシーンの…
机上の コンパス
 
 
 
 ✤これは日頃わたしが使っているコンパス 
 

図面に コンパスで
何回も 何回も 円が描かれ
描き直される
 
それは
 
原子爆弾の破壊力の 効果を表す 
 
 
 
 
この映画を 一回観ただけで
全てが理解出来たとは 思っていない
 
 
けれども
その円の下は 紙ではなくて
 
まぎれもなく
街 町 道 家が有り 人がいる世界で
 
赤ちゃんがいて
老若男女…のかけがえの無い人々がいる
 
 
コンパスで 描く円の中には
命が あったのに
 
 
 
と わたしでも思うのだから
 
オッペンハイマーのラストの悲壮な眼から
 
開けてはいけなかったパンドラの箱を開けてしまった
彼の哀しみ を思う映画でした
 
 
 
 
 
 

 



✤画像一部お借り致しました。



 

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