【読書ライフ】『ゼロからの資本論』斎藤幸平著






車で町を走っていると
アチラコチラの曲がり角で
わりと大きな店舗だった場所や 空き地だった場所が
何か新しく建てているみたいで幕が張り巡らされている



何が建つのかな?
と 気にしているような気にしていないような感覚で いつも通り過ぎていて



気付くと 出現していたのは


何か大きな建物なんだけれども
足を止めてみたくなるような
おしゃれなカフェや運動施設のようでもなくて…ましてや
新たなショッピングセンターでもなかった不思議



ところで マルクスの『資本論』

を読まれたことがありますか?



経済学者としては

あまりにも有名な人ではあるけれども

戦後日本は資本主義社会の道を邁進してきたから



マルクスって


社会主義⁉ 共産主義!?

それを指導する立場の考え方じゃないの!?


…と  だから


あのロシアを支持しているの?

それとも

中国共産党の社会が良いと思っているの?


…と

そもそも『資本論』を読む前から拒否反応を示す人も多いのでは






わたしだって
今のロシアや中国に住みたいとは
全く 思わないです


最近 テレビでご活躍の 斎藤幸平さん


彼の著書
『人新世の資本論』がベストセラーになり 
そもそも『資本論』はちゃんと読んだことが無い


経済学を学んだこともないから
アラカンになって 今更 難解な
マルクスの『資本論』が読めるとは毛頭思っていないけれども

最近本当に
災害が多過ぎない?


わたしの周りでも
仕事を辞めていく若い人たちがいて


介護で苦しんだり 老後の暮らしの心配はしなくちゃならない
仕事では時折 人身事故などで電車が遅延する…


そんな誰もが抱える生きづらさの根本原因は何なのだろうか…


そこで『資本論』の
入門書とも言える
新書での斎藤幸平さんの この


『ゼロからの資本論』を読んでみることに






新書は
キラキラしたカバーなど 無い方が良い

だから申し訳ありませんが 斎藤幸平さんのカバーは外して読むことに


第1章 商品に振りまわされる私たち…


都会であくせく働く人と 南の島の漁師の小噺から始まります


「なんでお前は毎日そんなにダラダラしているんだ。もっと真面目に働いて金を稼げ」

「そんなに必死に働いて、貯めたお金で何をするんだい?」

「たくさん稼いで引退したら昼寝しながら、のんびり魚釣りでもして暮らしたいからね」

「ああ、僕はもうそれをやっているよ」

―私たちはいったい何のために、毎日つらい思いをしてこんなにたくさん働いているのでしょうか―by斎藤幸平さん



物質代謝としての労働…


人間はほかの生き物と同様に絶えず自然に働きかけ、様々な物を生み出しながら、この地球上で生を営んできた
家、洋服、食べ物などを得るために、人間は 自然に働きかけてきた


という労働を
「人間と自然との物質代謝」であると言うところから話は始まります

なるほど

だから

必要な物を必要なだけ 作れば良かった


けれども
この 自然と人間の関係に変化をもたらしたのが「資本主義」だった

資本が利益を上げるために
必要以上の物を自然界から作りはじめた


最もわかり易い例が

「水」なのだと…


ところで先日は
自然の「水」 縁の地
国宝 善水寺 へ行ってきましたよ



そして その後
『ウツクシマツ』へ
世の中には
こんな所に こんな美しい場所が…
と 思わせられる穴場スポットのような場所が在り
この
松の自生地
『ウツクシマツ』もそんな場所で


義父が
一度は見ておきたいと言っていた場所なのです






国の名所で天然記念物


江戸時代には 人々が集まる観光スポットとなっていたから
歌川広重の
『東海道五十三次』 五十一番目の絵にも描かれている場所なのですよ





今の日本の観光地は円安が進み
何処へ行っても外国の人でいっぱい


けれども  この日のここは
人は ほとんどいなくて


足を踏み入れると
爽やかな風に吹かれ 目から
心が癒やされる






この美しい自生地の松林は自然の恵み
天皇陛下も行幸の地


本当に穴場…

美しい貴重な 自然環境です




第2章なぜ過労死はなくならないのか…




資本主義の犠牲になるのは

労働者 と 自然環境なのだそうです



資本主義において 資本があらゆるものを

抱え込んでしまった(包摂と表現されていて)世の中は

全てのモノは お金を払わなければ得られなくなってしまった…



昔は


水をはじめ 自然環境もみんなのモノだった

みんなの豊かな「富」…それが自然環境


けれども


全てのモノを 資本が「包摂」してしまったから

わたし達は 働いてお金を払わなければ何も手に入れられず生きていけなくなってしまった



水道水の水質は 今も飲んでも問題ないけれども
いつしかペットボトルに入った「ミネラルウオーター」という「商品」が定着し
ワザワザお金を払って水を飲むように


企業は儲かる…一方、気付けば
わたし達のお財布の負担は増えていく…と




第4章 緑の資本主義というおとぎ話…



私たちはいったい何のために、毎日つらい思いをしてこんなにたくさん働いているのでしょうか


と 常に問いかける斎藤幸平さん



昨日 また車で走っていたら
あの大きな建物の前に来た時
1台の救急車がサイレンを鳴らして
わたしの目の前でその建物に吸い込まれる様に入って行きました

そうだ ここは
広い田んぼだった所

幕が外されたら 今は人の気配がしない…まるで
空洞のような 巨大な箱みたいになっていた…


この 無機質な巨大な新しい建物…


倉庫…!?


わたし 先日の夜中に
 『ヘア・ケアオイル』をアマゾンで注文しました
アマゾンプライム 翌日でも送料無料

…そう 翌日にはもう届きましたよ
嬉しいけれど
何処から こんなにも速く届くのだろう…!?と思った
ひょっとして…ここから…!?なら納得!

それこそ
その便利さの裏に有る 
「労働と自然環境の過剰な掠奪」…!?


マルクスが目指したのは
人間があらゆる労働から解放され
、働かずとも暮らしていける社会になればいいと言っているわけでもなく
ましてや

代わりにロボットがなんでもやってくれる横で ぼぅっとビールを飲む未来でもなくて

やりがいのある、豊かで魅力的な労働の実現で


自然環境と労働を掠奪しないことが大切なのだと





大洪水よ、我が亡き後に来たれ…


今の無理な木材伐採
化石燃料やレアメタルの採掘…などは

環境破壊のツケを将来に押し付ける態度で
「大洪水よ、我が亡き後に来たれ!」

とするのが 資本主義社会なのだと述べられている


愛媛の土砂災害…
もう…既に大洪水などの災害が頻繁に起こってます…


わたし達にも責任があるのですね…(泣)



老後資金2000万円 問題…


そして これからの時代

わたし達は老後を生き延びるために

もう、国は面倒見れないから「投資家」であることを求められるようになりましたと



実際 積み立てNISAをきっかけに

わたし達は もう既に立派な!?「投資家」となっていて


そうして

投資活動を通して


自らも資本家としての考えを内面化し


株価よ上がれ!…と願い

振る舞い コスパを優先してしまう社会に馴染んでしまっている…というあせる


もう医療 福祉をはじめ


山に入って拾う薪の木さえ

資本が抱え込んでいて勝手には拾えない

生きていくのには お金が絶対必要な世の中では

お金が無ければ生きられないから

なんとか 暮らしの

コスパを上げようとする




人生のコスパを突き詰めれば、「いきなり棺桶にはいるのが一番いい」

と養老孟司は 皮肉っています

        ―by 斎藤幸平さん





胸が…頭が…
苦しくなる…


でも、
この胸の苦しみや 頭の痛みが

わたし達に 求められているように思うのです



先日 ご近所様から頂いた夏野菜


新鮮な そのお野菜は
資本を通さずに わが手へと



有難いです


わたしは
野菜作りは出来ないから






御礼には
551蓬莱の豚まんとアイスキャンディーを

「ある時〜、ない時〜」のある時〜
の笑顔をご近所様からいただきました♪


これが世の中の「富」だそうです
得意なことを活かして富を作り 余剰分は
人々へ分け与える
そして受け取る側もまた
得意なことを活かして 何らかの形でお返しをする…


今のままでは 地球が枯渇しますよ

資本主義を完全に否定するのではない

だけど

誰もが 豊かで幸せに暮らす世の中にするためには

労働を自然環境を搾取するようなことまでしなくていいんじゃないの?

「脱成長社会」でいいんじゃないの?


という
斎藤幸平さんの問いかけ
確かに 受け取りました
だけど

そもそも 『資本論』は
未完の著…




七夕にお願い事が 叶うなら


どうか

誰にとっても
明日が 生きやすい
優しい世の中になりますように…