店のオーナーに

「お前はプライドが高い女だな。じゃなきゃ、あんな車に乗らないよ」

と言われ事がある。


私の車はこの街に1台しか走っていない珍しい車だ。

今の時代に逆行しているというか、全くエコを無視している。

お金を捨てながら走っているのに近く、燃費が超悪い。


市内を移動していても目立つため、知っている人には一撃でバレる。

「昨日、あそこにいたでしょ」

なんて言われるのは、いつもの事。


自宅も道路沿いな為、自宅もバレバレ。

「今日は家にいるんだね」

とお客さんからメール。


・・・気持ち悪い。ストーカーですか。


そんな私の愛車は昨年の事故の為、修理に出していた。


我が弟は某大手の車屋さんのセールスマンで、保険はそちらにお願いしていた。

修理は弟の会社経由となる。

フロントガラスは割れてしまったが、エンジンも無事でエアバックも出なかった為、全損にならず。

それでも、見積りで80万を超えていた。


破壊された車を見た工場長が一言。

「お前のねーちゃん、これで生きてたの?」


フロントガラスに勝った女・・・

という、大変不名誉な伝説を作ってしまった。


結局、修理に2か月を要し、昨日修理から帰ってきた。


久しぶりに乗るFR。


台車はレンタカーのティー○で全くタイプが違う車だった為、なかなか勘が戻ってこない。


車高は低いし、ハンドルは重いし、よくこんな車に乗っていたなと、自分に感動してしまった。


でも、しみじみ思う。

私の大事な車。

戻ってきてくれてありがとう。

大事にするからね。


事故で運ばれた病院の治療室で、廃車になるかもしれないと言われた時は、号泣してしまった。


・・・もう二度と乗れないかもしれない。


この車を買った時はまだ結婚していて、周りに大反対されて購入した車だった。

父には

「俺の車をあげるから、孫の顔を見せてくれ」

と言われてしまった程だ。

働いて5年。自分の働いた証がどうしても欲しかったのだ。


新車で購入して丸5年経った。

楽しい時も苦しい時も、いつも共に在った。


私のストレス発散方法はドライブだ。

アクセルを踏み込む瞬間だけは、すべてを忘れられる。

失恋した時も、泣きながら運転してた。


私の自慢の愛車だった。


・・・が。


実は事故る3日前。

ニッサンの新しいゼットに一目ボレをしてしまい、本まで買って見ていた。


次に買い替えるなら、アウディを辞めてゼットかな?なんて思っていた矢先の事故。


他の車に対してこんな気持ちになったのは初めてだったので、初の浮気?に愛車がヤキモチを焼いたのかもしれない。


修理から戻ってきた車はピカピカで黒々と独特な輝きを放っている。

やっぱりカッコイイな。

私の車が一番だ。


自分のプライドの高さなんて分からないが、この車は確かに私が頑張ってきた証。


誇り。



壊れるまで乗り続けようと、新たに心に誓った。