私の昼のお仕事は人の命と係わる仕事。
年末から年始にかけて寒い日が続いた。
そのせいだろうか、私の担当している方が続いて2名も亡くなった。
やはり涙は出なかった。
自分が関わってきた人が亡くなったのに、何も感じない。
いつからこんな悲しい人間になってしまったんだろう。
親が亡くなっても、涙が出ないかもしれない。
この仕事に就いてもう10年以上になる。
入社して1、2年の頃は号泣していたが、それでは仕事ができないと分かった。
人の死を仕事として受け入れなければならないと。
先日、年始そうそう通夜に行ってきた。
今年、初だ。
仕事柄、結婚式より通夜に行く方が多い。
礼服はいつでも着れるように準備してある。
この度、亡くなった方は女性で、かなりの高齢だ。
風邪をこじらせて入院して、すぐに亡くなられた。
内縁の夫が亡くなって、ちょうど49日目。
仲の良いご夫婦だったので、旦那さんが寂しくて連れて行ってしまったんだろう。
あんなに元気だったのに。
お見舞いに行こうと思っていた矢先だ。
もう、何度目だろう。
いつも後悔する。
あの時、会いに行っていれば。
人の命って刹那的だ。次に会える保証なんてない。
普段忘れてしまっているが、生きていることは奇跡なのだ。
・・・今頃、天国で会えているのかな。
内縁の夫婦といっても複雑な関係で、お互い結婚していてそれぞれに家庭がある身。
何か事情があり離婚できなかったのだろう。
離婚しないで、内縁という形で老後まで共にしている。
子供にも恵まれ、孫もいる。
今だからこそ受け入れられる関係なのかもしれないが、何十年も前だったら世間の眼は相当厳しかったのではないだろうか。
いろんな苦労があったはず。
それでも、二人は愛し合って一緒にいることを選んだ。
なんて深い愛だろう。
こんな愛の形もあるんだなと思った。
どこかの尼さんが
「不倫も命がけなら純愛」
と言っていた。
確かにその通りかもしれない。
「うちは複雑だから大変だったよ。でも好きだったからね」
明るく話す屈託のない奥さんの笑顔を、今でも思い出す。