結局術後は順調でした。
でも、何かが違いました。
胃の全摘をした人は中々食べられないという話でしたが、私の場合は少しずつ慣れてきて半年ぐらいでお蕎麦やうどんなら一人前ぐらいは平気で食べられるようになりました。でも、満腹感がないのです。
いくらでも食べられるというのではありません。食べ進めていくと、ある程度のところで一口でも入らなくなるのです。苦しくなるのです。
ゲップが出ないのです。
つまり、腸を胃の代わりにつないであるので、腸は細いし広がらないので食べ物が腸に重なってその食べ物と食べ物の間に空気が挟まってしまい、食べ物が下に落ちないのです。胃ならば広がりますのでその空気はゲップとなって出ていきますが、そうならないのです。
さらに、一口でも入らなくなるというのは、その一口が食道にとどまってしまう。これこそ苦しいのです。
苦しいので横になります。そうすると逆流して食べたものが口の方に戻ってきます。でもその戻ってくる食べ物には腸液が混じってそれはそれは苦いのです。胃液なら酸っぱいのですが、腸液が戻るのでこの苦さはいつまでも口に残るだけでなく、喉がやられて苦しいのです。
この一口も入らなくなる兼ね合いが難しいのです。
このことは、外食していると通説に感じてしまいます。せっかく注文した料理です、残らず食べたいし食べないと失礼に当たると思います。でも、食べられないことは、作り手に失礼に感じてしまう。そうするとついつい無理をしてその一口の限界を超えてしまい、後でしばらくの間苦しい思いをすることになってしまいます。金を払うのだから残しても構わないと思うのですが、ついつい食い意地のせいもあるのか食べてしまうのです。
そして、満足感、満腹感は感じなくなってしまいました。
さらに、胃の働きは食べ物を少しずつ腸に送り出す役目もしています。しかし、胃の代替の腸はただの管ですから胃のように食べ物をためておけません。どんどん送り出して今うので、すぐにお腹がすいてしまうのです。さらに食べたものと一緒に間に挟んだ空気も腸に送るので、しばらくガスが出てしょうがない現象も起きます。これも、大変です。
全部腸に送ってしまうと、満腹感はないくせに空腹感はすぐにくるのです。
食欲という人の楽しみを半分以上失った感じがします。昔の「あ~食った食った」というあの食欲の楽しみが懐かしいです。
それでも、こうして健康を取り戻したのですからありがたいものです。
そんな私が二度目のがん宣告をうけました。