種籾から苗を育てている
例年の義実家でのことだが
今年義母が入院してる
一人欠けただけで苗の生育が悪い
日がな一日、水やりに
気を使ってくれる人がいない
義母の働きの大切さを感じる

さて、家庭で料理を嗜む
大学生の頃
居酒屋でバイトをしてて
その縁でホテルの和食レストランの
末席を汚したことがある
ホテル時代は一年一ヶ月

それ以来、あまり包丁を手にせず
過ごしてきたが
定年後、しばしば台所に立つ事に

包丁を持つとあの時代が甦る
先輩親方の一言一言が思い出される
手解きを受けてる時に
片付けたり次の段取りをしたり
その時、云われた
「余所事せずにしっかり見ろ」
「手伝わなくていいから」

その一言があの時よりも
鮮明にハッキリと意図が分かる
下働きの手伝いではなく
次は一人でせねばならないので
しっかり見ることに集中しろ、と
見取り稽古

補助的なことは自然と身に付く
また嫌でもせざるを得ない
野菜や肉の状態を見極める
そして手順と加減、いい案配
これらを会得するのに時間がかかる

若気の至りで
見落としていたことの数々
あの日に帰りたいとは思わないが
あの日が懐かしい
あの日があっての今がある

当時の皆は元気だろうか
若手の先輩は今や親方になったとか
 続く