ケンカをしたあの日から、1週間後。


私は彼にSMSを送った。



彼は、もう落ち着いただろうか?


まだ、怒ってるかな?


もう、私のことなんか好きじゃなくなってるかな?



不安で胸がいっぱいだったのを覚えている。


たった一通のSMSを作るのに、すごく時間がかかった。


「この間はごめんね。」


そう、切り出したほうがいいのかな?


それとも、いつもように


「CIAO:) ダーリン、元気?」


そう送ったほうがいいのかな?


文章を打っては消し、また打っては消し・・・



考えに考え抜いて送ったSMSは、


ラブレター「ダーリン、元気?私は・・・イマイチ。仕事はどう?相変わらず忙しい?」


結局いつもと同じような内容だった気がするダウンダウン





実を言うと、その時どんなSMSを送ったのか・・・ほとんど覚えてない。


彼と連絡を絶った1週間を、どう過ごしていたのかもよく覚えていない。


きっと、とっても辛かっただろうし


後悔もしただろうし


自分のこともたくさん責めたんだと思う。


でも、ほとんど記憶がない。



ただ、このSMSの送信ボタンを押すとき、自分の手が少し震えていたのは覚えている。


久しぶりだった・・・というのもあったけど、それ以上に恐怖があったからだと思う。


万が一、彼を失ったらどうしよう・・・って。






でも彼からの返信はすぐに届いた。


手紙「CIAO、DOLCEZZA、僕もイマイチなんだ。仕事が忙しくって・・・あまり調子が良くないんだ。」


確か、こんな内容の返信だった。


返事があったこともそうだけど、


「DOLCEZZA(愛しい人)」


その一言で、胸の痞えがとれた気がした。




このSMSを境に、私たちはまた連絡を再開した。


お互い、ケンカのことは一切触れなかった。

本当は、ちゃんと謝らなくちゃいけないし、どうしてこんなことをしてしまったのか話もしなくちゃいけない。


それは、よくわかっていたんだけれど・・・


でもSMSや電話では伝えきれるわけがなかった。





完全にシコリがとれたわけではなかったけれど、


ひとまず私たちは仲直りをした。
















・・・違う。


違う、違う、違う!!!




違ーーーーーーーーーーーうっ!!!!!







そうじゃない。

全然違う!!


私はアイツのことなんて、なんとも思ってない。

私がアイツのことが好き?????

んなこと、あるわけがない。



手紙『僕はイタリアに住んでる。でも、彼は日本にいる。僕は日本語が話せない。でも、彼は日本語を話す。僕は君と一緒にいられない。でも、彼は君と同じ会社にいて、毎日一緒に帰ることができる。・・・僕より、彼のほうがいいに決まってる。僕は大丈夫。僕のことは気にしないでくれ。僕は君に幸せになってほしいんだ。だから、彼のとこにいけばいいんだ!』



SMSから、彼の怒りが伝わってくる。



ラブレター『そうじゃない!私が好きなのは、あなただけだよ!!私は、アイツのことなんてなんとも思ってないよ。何度も何度も「付き合えない!私が好きなのは彼氏だけだ!」って言い続けてきた。でも、全然あきらめようとしてくれないから・・・もうどうしたらいいかわからなくなって・・・つい、あなたに甘えたくなったの。よくないってわかってたけど、一言「君は僕のGFだ。誰にも渡したくない」って言ってほしかった・・・。でも、それは間違いだった・・・ごめんなさい。』



それでも、彼は納得してくれなかった。

SMSなんかじゃダメだと思って、電話をしてみたけれど、でてくれなかった。

その後もSMSを送って謝ったけど

手紙『彼のほうが幸せにしてくれるよ』

手紙『彼とだったら普通の彼氏・彼女としての生活が送れるよ』

そんなSMSしか送られてこなかった。



『私と・・・別れたいの?』

そんな私の質問に、彼は答えなかった。

『今、君は感情的になってるから、少し休んだほうがいい。そして、僕の言った解決策について、よく考えてみて。』

その返信を最後に私たちの会話は終わった。






今は、時間が必要なんだ・・・

お互いに感情的になっている。

しばらく連絡を絶って、様子をみることにした。






彼の言ってることが、本心じゃないのはわかった。

うぬぼれるわけじゃないけど、彼は私と『別れたい』なんて、思っていない。

でも・・・彼の言った、「日本語が話せない」「そばにいられない」「彼氏らしいことがしてあげられない」

その言葉が、いつまでも消えずに心に残っている・・・。


きっと、

ずっと、

気にしてたんだね。


私が、こんなこと・・・こんな不安にさせるようなこと言ったせいで、さらに、あなたのことを不安にさせちゃったんだね。

ごめんね。

本当に、ごめんなさい。


でもね、

私も、同じだった。

あなたの「彼女」になったとたんに、急に不安になった。

「イタリア語が話せない」「そばにいられない」「彼女らしいことがしてあげられない」

ずっと、そんな彼女でいいのかな?って思ってた。

こんな私とで、あなたは幸せなのかなって?

あなたの彼女になれて、すっごくうれしいのに、この不安が、時々暴れだしちゃう。

暴れた結果・・・あなたの愛情を試したくなっちゃったんだ。


『言葉も違う、そばにもいてくれない、恋人らしいこともできないのに、それでも彼が好き?』


そう、誰かに問われたら、私は迷わず「それでも、彼が大好き」だって答える。

きっと・・・あなたも一緒だったんだろうな。





あんなこと、言うんじゃなかった・・・

後悔しても、もう遅いけど。

自分の弱さを情けなく感じた。





男の人に告白されたのは、生まれて初めてだった。

自分のような女を好きだと言ってくれる人が彼以外にいたことにビックリした。

「好きだ」と言われてうれしくないわけじゃなかったけど、でも私の気持ちが変わるなんてことはありえない。




「気持ちはありがたいけど、Aさんとは付き合えません。私には彼がいて、その彼のことが好きだから。」




そう、返事をした。

Aは私にイタリア人の彼氏がいることを知っていた。遠距離なことも知っている。

だから、私の答えは分かってたんじゃないかな・・・。それなのに、告白するっていうのは勇気がいるよね・・・。

私も、Aも、これからも同じ会社の同じ部署で働かなくちゃいけない。振られた相手に毎日会わなくちゃいけない。振った相手に毎日会わなくちゃいけない。傷つけずに・・・なんてキレイゴトだったわかってるけど、でも、なるべくダメージが少なくて済むように配慮しようと思った。きっと、気まずくなるだろうけど、いつもとかわらずに接しよう。それが、Aのためにも一番だと思ったから。

次の日、会社でAは私の側にすっと寄ってきて

「昨日はごめん。」と謝ってきた。

「なんでですか?別に謝ることないのにグッド!別に悪いことしてないんだからビックリマーク」と答えると、Aはほっとしたようだった。


よかった・・・




これで、この件はおしまいキラキラ










そう思った。











しかし、Aからのメールや電話は減ることはなく携帯

むしろ、もっと積極的にアプローチしてくるようになったDASH!

職場でも隙があれば話しかけてきたし、近寄ってきたむっ


ある時、しゃがんで資料の整理をしていたとき、Aが側を通り過ぎた走る人

通り過ぎる瞬間、「よっパー」と言いながら、ポンポンっと私の頭をなでた汗

ゾクゾクッ叫びと寒気がして、すっごくいやな気分になったあせる



メールで、「今度、ディズ二ーランドに一緒に行こう!!」と誘ってきた。

彼氏でもないヤツと2人で行くかっパンチ!

気分が悪くなって返事を返す気にもならなかったDASH!



職場に行くと、香水の香りがした。

私の好きなメンズの香水の香りだったワンピース

「誰がつけてるんだろう?」と思ったら、Aだった・・・・・。







そして、あることに気付いた。

Aがしてることは、全部私が「好き」とか「したい」って前に話したことばっかりガーン


「好きな人に頭ポンポンってされるとうれしい!!」って話したもん・・・


「好きな人とディズニーに行きたい!!」とも言った・・・


「あのメンズの香水をつけてる人が好き!!」ってことも・・・






こ・・・こわいガーン


怖くなって「もう、メールも電話もするの控えてもらえますか?あと、Aさんとはどこかに出かけたりするつもりはありませんから誘わないでください。」そうメールして、Aの連絡先を携帯から消してしまった台風


それからも、Aからの電話とメールは続いた。

相変わらず「じゃあ、みんなと一緒にご飯いこう!」とか・・・懲りない様子だった。

電話されてもでなかったけど、電話のあった次の日は決まって「直接声を聞いて謝りたかった」と言ってきた。

でも、そんなのウソだと思った。

なんでもいいから理由をつけて話がしたいだけなんだろう。

「とにかく、謝罪はいいですから、メールとか電話をやめてください。」そう言っても電話もメールもやまなかった。



あまりにもしつこくて、Aのメールも電話もすべて着信拒否にした。



傷つけないと、気づいてもらえないと思った。傷つけないようにしようと思ってたけど、限界だった。

私自身も、Aにはうんざりしていた。

電話も、メールもイヤだっていってるのに、なんでわかったくれないんだろう・・・?

私は彼以外好きになんてならないのにビックリマーク

もう、会社に行くのがイヤで仕方なかった。


しんどかった・・・。







しんどいよ・・・







彼に会いたい。







彼に「君は僕のGFだから、絶対誰にも渡さない」

そう、一言言ってほしい・・・。






そしたら、また明日から頑張れるのに・・・







心が弱くなっていた。

このころは、彼も仕事を変えて間もないときだった。

メールも前に比べると数が減っていて、それが私の心をさらに弱く不安にさせていた。

「彼の気持ちが・・・いつか離れてしまうんじゃないか。」

そんな不安が、すこし芽生えていた。


彼に心配かけるだけだから、このことはずっと黙ってた・・・でも本当にしんどくて、つい、魔がさした。

「言っちゃダメ!心配させちゃダメ!」

「彼だって今忙しいんだから!」

こんなこと、言っちゃいけないってわかってたのに・・・












ラブレター「ダーリン、ちょっと問題があったの。」



手紙「問題?なんの問題?」



ラブレター「同じ会社の人にね・・・好きって言われて・・・」












『君は僕のだ!!そんな奴には絶対渡さないパンチ!僕が君のBFなんだからビックリマーク














そう、返事が来ると思った。















数分間があって、届いた彼の返信は





『いいよ。わかったよ。彼のことが好きなんだろ?終わりにしたいだろ?わかったよ。』
















頭が真っ白になった。