男の人に告白されたのは、生まれて初めてだった。
自分のような女を好きだと言ってくれる人が彼以外にいたことにビックリした。
「好きだ」と言われてうれしくないわけじゃなかったけど、でも私の気持ちが変わるなんてことはありえない。
「気持ちはありがたいけど、Aさんとは付き合えません。私には彼がいて、その彼のことが好きだから。」
そう、返事をした。
Aは私にイタリア人の彼氏がいることを知っていた。遠距離なことも知っている。
だから、私の答えは分かってたんじゃないかな・・・。それなのに、告白するっていうのは勇気がいるよね・・・。
私も、Aも、これからも同じ会社の同じ部署で働かなくちゃいけない。振られた相手に毎日会わなくちゃいけない。振った相手に毎日会わなくちゃいけない。傷つけずに・・・なんてキレイゴトだったわかってるけど、でも、なるべくダメージが少なくて済むように配慮しようと思った。きっと、気まずくなるだろうけど、いつもとかわらずに接しよう。それが、Aのためにも一番だと思ったから。
次の日、会社でAは私の側にすっと寄ってきて
「昨日はごめん。」と謝ってきた。
「なんでですか?別に謝ることないのに
別に悪いことしてないんだから
」と答えると、Aはほっとしたようだった。
よかった・・・
これで、この件はおしまい![]()
そう思った。
しかし、Aからのメールや電話は減ることはなく![]()
むしろ、もっと積極的にアプローチしてくるようになった![]()
職場でも隙があれば話しかけてきたし、近寄ってきた![]()
ある時、しゃがんで資料の整理をしていたとき、Aが側を通り過ぎた![]()
通り過ぎる瞬間、「よっ
」と言いながら、ポンポンっと私の頭をなでた![]()
ゾクゾクッ
と寒気がして、すっごくいやな気分になった![]()
メールで、「今度、ディズ二ーランドに一緒に行こう
」と誘ってきた。
彼氏でもないヤツと2人で行くかっ![]()
気分が悪くなって返事を返す気にもならなかった![]()
職場に行くと、香水の香りがした。
私の好きなメンズの香水の香りだった![]()
「誰がつけてるんだろう?」と思ったら、Aだった・・・・・。
そして、あることに気付いた。
Aがしてることは、全部私が「好き」とか「したい」って前に話したことばっかり![]()
「好きな人に頭ポンポンってされるとうれしい
」って話したもん・・・
「好きな人とディズニーに行きたい
」とも言った・・・
「あのメンズの香水をつけてる人が好き
」ってことも・・・
こ・・・こわい![]()
怖くなって「もう、メールも電話もするの控えてもらえますか?あと、Aさんとはどこかに出かけたりするつもりはありませんから誘わないでください。」そうメールして、Aの連絡先を携帯から消してしまった![]()
それからも、Aからの電話とメールは続いた。
相変わらず「じゃあ、みんなと一緒にご飯いこう!」とか・・・懲りない様子だった。
電話されてもでなかったけど、電話のあった次の日は決まって「直接声を聞いて謝りたかった」と言ってきた。
でも、そんなのウソだと思った。
なんでもいいから理由をつけて話がしたいだけなんだろう。
「とにかく、謝罪はいいですから、メールとか電話をやめてください。」そう言っても電話もメールもやまなかった。
あまりにもしつこくて、Aのメールも電話もすべて着信拒否にした。
傷つけないと、気づいてもらえないと思った。傷つけないようにしようと思ってたけど、限界だった。
私自身も、Aにはうんざりしていた。
電話も、メールもイヤだっていってるのに、なんでわかったくれないんだろう・・・?
私は彼以外好きになんてならないのに![]()
もう、会社に行くのがイヤで仕方なかった。
しんどかった・・・。
しんどいよ・・・
彼に会いたい。
彼に「君は僕のGFだから、絶対誰にも渡さない」
そう、一言言ってほしい・・・。
そしたら、また明日から頑張れるのに・・・
心が弱くなっていた。
このころは、彼も仕事を変えて間もないときだった。
メールも前に比べると数が減っていて、それが私の心をさらに弱く不安にさせていた。
「彼の気持ちが・・・いつか離れてしまうんじゃないか。」
そんな不安が、すこし芽生えていた。
彼に心配かけるだけだから、このことはずっと黙ってた・・・でも本当にしんどくて、つい、魔がさした。
「言っちゃダメ!心配させちゃダメ!」
「彼だって今忙しいんだから!」
こんなこと、言っちゃいけないってわかってたのに・・・
「ダーリン、ちょっと問題があったの。」
「問題?なんの問題?」
「同じ会社の人にね・・・好きって言われて・・・」
『君は僕のだ
そんな奴には絶対渡さない
僕が君のBFなんだから
』
そう、返事が来ると思った。
数分間があって、届いた彼の返信は
『いいよ。わかったよ。彼のことが好きなんだろ?終わりにしたいだろ?わかったよ。』
頭が真っ白になった。