こんにちは。あらかぶです。


いつもはどちらかと言うと学校側に対しては厳しいことを書くことも多いので、今日は少し教員側のことも書きたいと思います。こんなことで学校の先生は時間をとられているんだ・・・ということも知っておいてください。


 私がかつて勤めていた私立の中には、公立を引退なさった校長先生がやってきて、手続きをすべて公立方式にした学校がありました。


 たとえば、生徒を引率して遠征するとき・・・。先生方はこんなことをやっています。


 まず、「出張願」を出しますね。これは当たり前です。


 この「出張願」は許可を得るためのものですが、この紙の上の方には、「担任」「学年主任」「教務主任」「教頭」「校長」の印を押してもらう欄があります。


 学校によっては、一つのところに出したら、そのまま回してくれる学校もあるのですが、厳しい学校は一人一人に直接印鑑をもらわなければなりません。


 ところが、会議などのためになかなか空き時間がなく、印をもらう順番も決まっているので、たった5つの印をもらうだけで2~3日かかることもあります。


 で、この「出張願」がすべて印をもらってOKが出たならば、次に生徒引率願いを提出します。今度は、引率するクラスの担任の先生の印も入ってきます。やっぱり、また2~3日かかります。


 で、戻ってくると、その「出張願」と「引率願」の両方を添えて、引率代などのお願いの紙を回すわけです。これは担任などは必要ないですが、主任クラスの印をいただいて、行います。ここでも2~3日です。先生も結局、空いている時間帯で生徒が来ない時間帯にしか回れませんが、そのような時間帯は他の先生が授業をしている・・・結局直接印鑑はもらえないことになることが多いのです。


 こんな書類がたくさん出てきたときには、もうそれだけで1日が終わってしまうような感覚になるのですね。これに加えて生徒の給食費集計・計算や、お偉いところからのアンケートの集計などを行うのですから、非常につらいものがあるのです。


 そういった中で、先生も一番やりたい生徒の指導、授業の準備ができなくなっているところも多々あるのだということをご家庭の方々にも知っておいてほしいなと思います。


 また、そういったやり方を変えようという意見を仰る先生もたくさんいらっしゃいますが、なかなか上には通らないのが実情です。


 そういった現場の先生方のご苦労にも、少しだけご理解していただければと思います。もと教員をしていた身としては…ですね。