こんにちは。あらかぶです。
今、世間では「大塚家具」の会長と社長の争いがクローズアップされていますね。あれを見ていて、これまで私が勤めてきた様々な私学とかぶる部分がすごくあるなと感じたのでちょっと書きますね。
会長の言い分は、「このまま娘さん(社長)が続けると、優秀な社員が辞めてしまう」というものでした。一方、社長の言い分は「カリスマである会長がいつまでも支持し続けることは(年齢の上からも)できず、世代交代が必要なのと、お客目線になって変えるべき所は変えていかなければ会社はつぶれてしまう」というようなものだと思います。
これはそのまま私立中学・高校にもあてはまるのですね。生徒募集ばかりに力を入れるあまり、そこで仕事をしている先生の負担を考えない学校も数多くあります。そのような学校は、毎年のように多くの先生を変えたり、「常勤講師」「非常勤講師」の割合が非常に高い学校に多いですね。そしてその結果として、生徒が増えているところもたしかにありますし、増えていないところもあります。また、ひどいところでは生徒をたくさんとりたいという思いが強いあまり、練習する敷地も確保できないのに「野球部」や「サッカー部」など、どのような部活を作ってもいいですよと宣伝した結果、生徒は増えたのですが、顧問につけられた先生は「部員」や「保護者」から文句ばかりを言われ、毎日練習場所を探しているような学校もあります。
一方、そこで働いている先生を非常に大切にする学校もあります。私が過去に勤めた学校だと、授業の準備のために週に1日は必ず「授業準備に専念する日」として、授業そのものを入れない学校がありました。今いる生徒に対する「授業」が最も大切であるという考えと、先生自身も本来自分自身がするべき「授業」に力を入れられるということで、いきいきしていた学校もありました。また、その時間を用いれば迷惑をかけることなく有給休暇も使用できるので、先生にとっては非常によい学校だと思います。ただ、これも良し悪しで、家族のために有給休暇をとっても生徒からすると「あの先生はまた休んでいる」というような批判がないわけではありません。また、ものすごく成功している学校もあれば、よい雰囲気なんだけれどもゆるやかに生徒数が減り続けている学校が多いのも事実です。
大塚家具の話は学校に置き換えれば「そこで働いている先生と、今通っている生徒を大事にする学校」か、「新しく入ってくる生徒を募集することを特に意識する学校か」の違いなんですね。前者の学校は「雰囲気はよいが、臨機応変な改革はできない」学校であり、後者の学校は「臨機応変な対処は出来るが、教員の負担が半端なく、不満がたまっている場合もかなりある」学校が多いと思います。ただ、生徒が減っていくことは結局のところ、教員の仕事もなくなることにつながるので、一概に後者が悪いということは言えないのですね。
私は個人的には今通っている生徒を大切に出来る学校が良いと思いますが、一番大事なのはこの2つのバランスをしっかりと取れる管理職の方がいらっしゃるかでしょうね。管理職の方にはそういったバランスを身につけていただきたいと感じます。