スペイン : ラ・ロハの歴史的トレブルの裏話 (The Guardianの古い記事の抄訳)
ヒネス・メレンデスについて かつてアルバセテ・バロンピエで下部組織のコーディネーターとして働いた。2003年頃から世代別スペイン代表に関わるようになり、2003年と2007年にはU-20スペイン代表監督、2004年から2012年にはU-19スペイン代表監督を務めた。
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アンドレスイニエスタはFCバルセロナのラ・マシアに加入する前、アルバセテでヒネス・メレンデス(Gines Melendez)の下でプレーしていた。
その後、2010年にイニエスタが南アフリカで歴史的な得点を決めるまでに、メレンデスは10年間もスペインサッカー連盟(REFE)のユースカテゴリーで指揮していた。
2010年7月、スペインはU-17欧州選手権でイングランドに次いで準優勝した。メレンデスが世代別代表に携わるようになってから、スペインはU-19欧州選手権で2度、U-21欧州選手権で2度、年齢制限なしの欧州選手権で1度優勝している。
イタリアと戦ったEURO 2012の決勝戦で、先発した11人が世代別代表で記録していたキャップ数の合計は332試合だった。
世代別代表54キャップのダビド・シルバが先制点を決め、38キャップのセスク・ファブレガスがアシストした。世代別代表キャップが少ないのはセルヒオ・ブスケツ(3キャップ)、アルバロ・アルベロア(7キャップ)、シャビ・アロンソ(10キャップ)だった。
スペインの世代別代表チームは選手がA代表に達する前から、反論できない優れた成績を提示している。2001年以来、スペインはU-19世代のトロフィーを6個、U-17世代のトロフィーを3個、U-21世代のトロフィーを2個獲得している。U-20ワールドカップでは1度準優勝し、U-17ワールドカップでは2度準優勝している。
スペインサッカー界の発展のためのマジックナンバーは「55」である。毎年7月、メレンデスと彼のスタッフ、自主的に働いている19の地域スカウトが集い、14-15歳の世代で各ポジション5人ずつ、計55人のリストを作成する。
この過程はU-16、U-17、U-18世代にも引き継がれ、U-19とU-21世代は33-40人の選手が集められる。
A代表の選手を選出する過程でも、ビセンテ・デル・ボスケ監督はスタッフとともに55選手をピックアップすることからシーズンを始める。選手は徐々に絞り込まれるが、過去10年間にスペインがサッカー界を支配してきた理由のひとつには、14-15歳世代での選手選考がある。
メレンデスは語る。「スペインでは粒よりの才能を発見する時、代表はクラブの垣根を超えている。U-12、U-16、U-18の各世代で19地域の最高のチームが集まる大会がある。2013年のU-12世代の全国大会は数週間前にログローニョで開催され、我々は24人の優秀選手を選びだした」
「我々のために、57人のスカウトが自主的に働いている。彼らはアンダルシア、カタルーニャ、アストゥリアス、バスクの各地域連盟から選出された。我々は毎年12月に集まり、私は探し求める選手の内容を正確に伝える」
「私は2001年に職務に付いた時から、毎週入ってくる情報をデータベース化している。例を挙げると、テオドーロ・ニエトはテネリフェ島で行なわれた地域大会で、カタルーニャ代表として出場していたシャビを発見した。ニエトは55選手の中に彼を入れたが、当時のシャビはまだバルセロナでプレーしていなかった」
「7月には55人の長いリストが最終決定され、9月以降に選手が接収されることがクラブに通知される。55人は2グループに分割され、9月から翌年1月までの間、選抜された選手は1ヶ月に3日間所属クラブを離れ、マドリード郊外のラス・ロサスに集まって練習する」
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ヒネス・メレンデス 「私は時間厳守、他者を敬うこと、友情などに焦点を当て、選手に提示する10のルールを一覧にまとめている」
「試合後、ドレッシングルームは完全な状態にして去らねばならない。ホテルの部屋は丁重に扱うべきだ。ホペイロ、マッサージ師、対戦相手、審判には敬意を示さねばならない。ルールは重要であり、常に従わせる。ある時、部屋で休まねばならないのに廊下でしゃべっていた2人の選手を自宅に送り返した」
55人のリストは1月までに33人(1ポジション3人)に減らされ、夏までは1ヶ月平均3試合を行ない続ける。
シャビ 「16歳の時に初めて世代別代表のトレーニングキャンプに参加した。バルセロナからマドリードに向かい、フェルナンド・トーレス、イケル・カシージャス、ダニエル・アランスビア、パブロ・オルバイスたちと活動した」
「我々は皆、この3日間の活動のすべてが今後のキャリアに影響すると感じていた。ユース世代の選手はA代表の選手より親しく付き合う傾向がある。この時に素晴らしい友人ができた。カードゲームをした時、イケルが机の下から勝利手を教えてくれたことを覚えている」
フェルナンド・トーレス フェルナンド・トーレスは2001年のU-16 EURO決勝と2002年のU-17 EURO決勝で試合唯一の得点を決めた。彼は世代別代表での団結の重要性を明らかにしている。
「私が世代別代表でプレーしていた時は、少し映画のようだと感じていた。当初は熱い心を知らず、『僕はここで何をしているのだろう』と自分に語りかけていた。徐々に友人ができた。電話番号を交換し、次のスペイン代表合宿で会う前に何回か電話で話した。それが友情をはぐくんだ」
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ヒネス・メレンデスの名前は、UEFA.comやGoal.comでスペイン代表関連の記事を読んでいるとたまに登場する。
特別なことをしているわけではないが、スペイン全土にスカウトを網の目のように張り巡らして発掘漏れを防ぎ、1学年55人を毎月3日間拘束して指導するというのが興味深かった。
The Guardian、2013年11月15日
Spain : the inside story of La Roja’s historic treble
http://www.theguardian.com/football/2013/nov/15/spain-the-inside-story-of-la-rojas-historic-treble-book-extract