ドミニオン拡張帝国のカードレビューの10回目です。

今回はドミニオン拡張帝国のランドマークについてレビューします。

流石に10回は長すぎたので今回で帝国特集は完了したいところ。

 

帝国以外のおすすめ拡張が知りたい方は↓からどうぞ。

 

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ドミニオン全拡張の紹介と個人的おすすめ度レビュー

 

↓かなりチャレンジングなルールが入った大拡張。現在品薄気味。

ドミニオン拡張セット10「帝国

 

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ドミニオン基本セット 第2版

ドミニオン拡張「帝国」 カードレビュー10「ランドマーク」

ランドマークはドミニオン拡張「帝国」で最も大きな追加ルールです。

勝利点に影響を与える追加ルールが追加されることになります。

 

ランドマークは複数導入可能なので、例えば2枚のランドマークを導入した場合、全プレイヤー共通の勝利点に影響が与えられる特殊ルールが2つ追加されることになります。

属州などの基本勝利点でリードしていても、このランドマークルールに反するようなプレイをした場合、大きくマイナス点を喰らうこともあり、その場合勝利からは遠ざかります。

 

という風にかなりゲームに与える影響の大きいルールになっています。

かなりドミニオンのテイストが変わってしまい、中級者以上のプレイヤーでも何だか正直良くわからなくなると思うので、初心者には絶対におすすめしません。。。

 

ランドマークの効果をわかっているプレイヤー同士が戦わないと楽しめない上級ルールという印象があります。

それでは順に見ていきましょう。

 

水道橋

効果:

・あなたが財宝カードを1枚獲得する時、その山の上の1VPトークンをこの上に移動する。

・あなたが勝利点カードを1枚購入する時、そのVPを全て得る。

・ゲームの準備として、銀貨・金貨の上にVPトークンを8個置いておく

 

いきなり?となるわかりづらいランドマーク。

銀貨もしくは金貨を誰かが買う毎に、そのサプライの上に置かれたVPトークンが水道橋の上に溜まって行き、誰かが勝利点カードを購入した場合に、そのVPトークンが全て獲得される。

財宝カードを獲得する時・・・となっているがVPトークンは銀貨と金貨の上にしか置かれていない・・・なんじゃそりゃ

 

全16のVPトークンを誰が獲得するかの戦いになる。

16VPは属州3枚位の価値があるため無視できない。

 

銀貨や金貨は基本プレイならガンガン買われるため、VPトークンはガンガン溜まって行く。

普通に考えて、勝利点+VPトークンの値が6以上になれば、属州1枚購入するのと同じことになるため、序盤からでも勝利点を買うべき。

屋敷なら5VPトークン、公領なら3VPトークンあれば、買うべきということ。

 

闘技場

効果:

・あなたの購入フェイズの開始時、アクションカード1枚を捨てても良い。

・その場合、ここから+2VPトークンを得る。

・セットアップ時に、プレイヤー1人に付き6VPをここに載せる。

 

6VP×人数分の勝利点トークンが追加される。

これまた属州レベルの価値があるため当然無視できない。

4人プレイで誰か1人が24VP持って行ったとしたらシャレにならない。

 

効果を満たすのは非常に簡単で手札のアクションカードを1枚捨てればいいだけ。

手札でアクション〆被りした場合でも救済されるため、アクションは多めに買っておくことになる。

 

このランドマークに対応するには、財宝では無くアクションメインでデッキを組むことになる。

また、低コストのアクションを大量に買うことで、毎ターンVP確保を目指すのも良いだろう。

 

ドミニオンは終了までに間違いなく10ターン以上かかるが、初手以外の8ターンで効果を発揮できれば16VPでかなりのもの。

まあ結局皆アクションデッキを組むことになり取り合いになってしまうため、10ターン目まで残っているかはわからないが。

 

狼の巣

効果:

・デッキで1枚しか持っていないカード1種類につき-3点。

 

問題児過ぎるランドマーク。

これがある場合、どんなカードでも必ず2枚買わないといけない。

何も考えずに普通にドミニオンプレイすると、間違いなく大きなマイナス点を喰らうことになる。

 

ドミニオンの普通プレイでは、何も考えないと金貨や銀貨が1枚しかなかったり、公領が1枚しか無かったり、とあるアクションカードが1枚しか無かったりする。

そういうカードが3種類あるだけで-9勝利点。

絶望的なペナルティ。

 

ということでどんなカードでも1枚しか買わないのであれば、買わない方がマシという感じになる。

大きくプレイヤーの行動を制限してしまうカード。

正直つまらないランドマーク。

 

オベリスク

効果:

・ゲーム開始時にランダムに選択された1種類のサプライのアクションカード1枚につき2勝利点。

 

サプライのカードはは10枚あるため20勝利点が追加されることになる。

ランダムではあるが、選択されたカードに2勝利点の追加効果が付くと考えると非常に強い。

陰謀の2勝利点+2金のハーレムが6コストと考えると、アクションカードに2勝利点付くことが如何に強烈な効果であるかがわかるはず。

当然狙わないと勝利点競争で大きくビハインドする。

 

沢山買ったら負けなアクションカード以外であれば、基本的に狙って買っていくと良い。

2勝利点がつくということは+3コスト相当位にはなっているはず。

ただ、そういうカードの場合は結局皆で取り合いになってあまり結果は変わらないなんてことにもなる。

うーん。

 

山賊の砦

効果:

・あなたの金貨もしくは銀貨1枚につき-2勝利点

 

問題児ランドマークその2。

なんとデッキの財宝の要である銀貨と金貨に大きく勝利点ペナルティが付く。

何やこのルール・・・

 

サプライによっては銀貨・金貨以外を買うと負けな場合もこれまでのドミニオンにはあったが、そういう場合でも銀貨金貨を買うのがためらわれる。

何も考えずに普通にプレイすると簡単に-10勝利点とかになり敗北する。

 

銀貨金貨を買わないとドミニオンのデッキ構築が回らなくなり、プレイしていて詰まらないゲームになることが多い。

 

戦場

効果:

・あなたが勝利点カードを1枚獲得する時、ここから2勝利点トークンを得る。

・セットアップ時、プレイヤー1人につき6勝利点トークンをここに置く。

 

ここまで来たら如何にランドマークが場に影響を及ぼすかわかってくるはず。

このカードも説明不要で無視すると勝てない。

 

屋敷が3VPになり、公領が5VPになる。

属州と比べても破格のコスパになる。

ということで序盤から安い勝利点を狙うような戦略も取り得るようになる。

 

また、勝利点付きアクションなどであれば非常に効果的に使える。

何も考えずにプレイしても2、3回位は発動出来る気はする。

 

公会堂

効果:

・あなたがカードを1枚購入する時、2金以上残っているならこの上から+2VPトークン

・セットアップ時、プレイヤー1人につき6勝利点トークンをここに置く。

 

これはちょっと使いづらいランドマーク。

基本的に高いコストを使って高い買い物した方がプレイが上手くいくドミニオンに対して、あえてコストを残してプレイする必要が出てくる。

 

6金あっても4コストカード1枚とこの効果、とかになる。

ただ2金で2VPは破格のコスパであるため、使わないという選択肢は無いだろう。

少なくとも他のプレイヤーに使わせないためにも2回位は確保しておきたい。

 

条件を満たすのは比較的簡単で、意識して狙うと速攻でVPトークンが尽きるため、他のプレイヤーの動向には注意が必要。

 

浴場

効果:

・あなたが何もカードを獲得しないでターンを終えると+2VP

・セットアップ時、プレイヤー1人につき6勝利点トークンをここに置く。

 

珍しくそこまで害のないランドマーク。

何も獲得しないでターンを終えるという選択をすることが無い上に、仮に狙って選択したとしても、それで2VPを得られても自分のデッキ強化をしなかった以上、勝ち目がない。

 

なので何も意識せずにプレイしている時に勝手に発動する効果レベルでしかない。

ただ、わざわざ手札に2金しかない場合に無理して買い物するよりは、こちらを買った方が良いはず。

 

ということで手札が生み出せる+金次第では何も買わないというプレイが出てくる。

 

効果:

・得点計算時、他のプレイヤ-と比べて最も多い枚数を持っている、異なる名前の財宝カード1種類につき5VP。引き分け込み。

 

非常に高得点に繋がる無視できないランドマーク。

 

同着1位込みでトップであれば5VP。

1枚しか持っていなくても1位であれば5VP。

 

銅貨・銀貨・金貨は大抵みな購入するため、熾烈な争いになる。

特に銅貨は意識して買わないといけなくなるが、1枚でも買っておけばほかのプレイヤーをそれだけで上回ることが出来る。

特殊財宝などは意識して買わないと使わないことが多いため注意したい。

 

取りあえず意識して2個位はトップを目指すべき。

 

列柱

効果:

・アクションカード1枚購入する時、場にそれと同じカードがある場合+2VPトークン

・セットアップ時、プレイヤー1人につき6勝利点トークンをここに置く。

 

同じアクションを何度も購入して使って購入してを繰り返すと勝利点を稼げるランドマーク。

使いやすいアクションであれば、ガンガン購入して勝利点を稼ぐことが出来る。

ただし、皆当然のようにやってくる。

使いやすいアクションでは無い場合は無理して購入すると、デッキが残念なことになるので注意。

個人的にはこのランドマークはあまり存在を意識しない。

 

果樹園

効果:

・3枚以上持っている異なる名前のアクションカード1種類につき4勝利点

 

同じアクションを購入しまくるのはエンジン系デッキには有効だが、普通のデッキ構築では3枚購入というのは中々しない。

ただ、2枚購入時にあともう1枚購入するだけで4勝利点、と考えると中々強いので意識しないわけにはいかない。

 

3枚×3セットの12勝利点まで稼ぐのは中々難しい。

なので2、3セット満たすことが出来れば及第点と言えるはず。

 

汚された神殿

効果:

・アクション1枚獲得する時、その山のVPトークンをこの上に置く

・呪い1枚を購入する際、そのVPトークンを全て得る。

・セットアップ時、各サプライに2VPトークンを置く

 

どうしてこういう効果を考えるのか(笑)

サプライ10種類20VPが追加される。

 

カードを誰かが買うたびにVPトークンが集まって行く。

呪い獲得と引き換えに、VPトークンを得る権利がある。

 

7VPまで溜まれば呪いを獲得しても属州相当で、しかも0コストなので当然買い。

あとはそれより下のVPでどこまで買えるかという話になる。

呪いを破棄する手段があるのであれば、0コストでVPトークンを獲得できるのは非常に強力なので、2、3VPからでも余った+購入から呪い確保しても良さそう。

 

噴水

効果:

・ゲーム終了時に銅貨を10枚以上持っているなら15VP

 

イタリアのローマにあるトレビの泉でしょうか。

沢山コインを入れると願いをかなえてくれます。

なんと15VP

 

ってこんなルールなら銅貨買わないわけないじゃん・・・っていう。

しかも条件を満たすのは全然難しく無い。

初手から3回銅貨を購入すればOK。

15VPあれば礼拝堂のような超圧縮にも普通に対抗できると思われる。

アンチ圧縮なランドマーク。

 

「海賊」のように相手の銅貨を破壊する系のカードを使うことで邪魔することが出来る。

ただ、まあこのランドマークとそういうカードがセットで出てくることは稀だろうし気にする必要が無いレベル。

 

迷宮

効果:

・あなたのターンに2枚目のカードを獲得する時、ここから2VPトークンを得る。

・セットアップ時、プレイヤー1人につき6勝利点トークンをここに置く。

 

+購入を推進するカード。

もしくは工房のような獲得系カードを推進するカード。

 

2購入はそれなりに機会があるので、積極的に狙っていくと良い。

狙わずとも、後半に+金が余った際に使われることで、獲得できることも多い。

 

どちらの効果も無い場合は、そもそもこの効果を満たすことが出来ないので、完全に意味のないランドマークになる。

 

効果:

・得点計算時、15枚を超えるカード1枚につき-1勝利点

 

超問題児カード。

なんとカード全体枚数に制限が付く。。。

何も考えずにプレイすると間違いなく大きなペナルティを受ける。

 

初期デッキ枚数が10枚のため、デッキ圧縮をしないととてもじゃないが回避できない。

終盤で屋敷を買うと結局プラマイ0になってしまうなんてことも。

余計な買い物をせずに、属州を買うと-1VPになると思ってプレイするのが良い。

 

呪い場で登場すると目も当てられない悲惨な状況になる。

呪い1発で-2VP相当。

一方的にやれる場合は良いだろうがどうせ打ち合いになるだろうしなぁ。

 

このランドマークを入れるとどのあたりが楽しくなるんだろうか。

正直つまらな過ぎるだろう・・・

 

宮殿

効果:

・得点計算時、銅貨・銀貨・金貨の1セット毎に3勝利点

 

リッチなボーナス得点を生み出してくれるカード。

銅貨は最初から入っているが銀貨と金貨を意識して揃えていく必要がある。

 

金貨・銀貨4セットで12勝利点位を目指すべきかな。

それ以上はデッキが金貨過多になってそう。

間違って銀貨3枚しかないなんてことになると3点も減ってしまうため、計算は必須。

 

効果:

・勝利点以外で空になったサプライ由来のカード1枚につき1勝利点

 

狙わないとサプライは空に出来ないため、通常はあまり意味のないカード。

サプライが空になる場合は大抵他のプレイヤーも買っているため、そこまで大きなボーナスにはならない。

 

自分だけが特定のアクションを特化して狙って買い続けて枯らすことが出来れば、10点近く稼げることになり、相当なアドバンテージ。

ただ、それが可能な状況がどれだけあるのやら。。。

 

ということで得点もショッパイし条件を満たすのも難しめなので微妙なランドマーク。

 

ラッシュ戦略のような、「工房」などと「庭園」などを駆使して、早くから安いカードをガンガン集めて3山切れを狙う戦略であれば、この効果を最大限に生かすことが出来ると思われる。

 

効果:

・最初に属州が購入された場合、次のプレイヤーから1周だけ借金によるセリを行う

・セリに買ったプレイヤーは+8VPと借金を得る。

 

8VPをセリ競うランドマーク。

何ゲームなのか・・・

 

8VPは属州以上なので8コスト以上は確定。

10~12コスト位なら払っても良い気がする。

 

という感じで最初から相応の値段を付けられるため、まともなセリにならない・・・

余程次のターンで買いたいものが無い限りは、慣れたプレイヤーはセリには参加するだろう。

 

うーん。。。微妙。

 

博物館

効果:

・得点計算時、デッキのカード1種類につき2勝利点

 

意識して買うとガンガン勝利点が上がって行くため、意識して買った方が良い。

買って損するアクションはそこまでは無いため、1種類ずつ買っていこう。

また、屋敷や公領、呪いも1枚ずつ買っておけば+勝利点になるため覚えておいた方がよい。

 

ドミニオン収穫祭に登場したハイランダー系カードと組合わせると強い。

でもまあ他のみんなも恐らく強いと思ってる。

 

墓標

効果:

・カード破棄時に+1勝利点トークン

 

圧縮デッキと相性が良い。

というか圧縮カードがあるなら当然皆圧縮するので意識せずとも勝利点が溜まって行く。

 

圧縮効果が薄いカードでも価値が向上するのは見逃せない。

例えば「鉱山」のようなカードでも破棄はしているので勝利点が得られる。

 

強力圧縮が無い場合でも意識して圧縮効果のあるカードを使っていくと良い。

そのカードの効果に+1VPトークンという効果が追加されると考えるとそりゃ強い。

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以上、ドミニオン帝国の「ランドマーク」紹介でした。

いやー、改めて見返しても酷い効果ばかりですね(笑)

 

各プレイヤーに無駄に枚数計算などをさせるものばかりで、計算が1ずれるだけで3勝利点とか結果が変わってきてしまう。

また、プラス効果のランドマークも、それを狙わないメリットが殆どないため、全員が狙って結果は似たようなものになってしまい、正直プレイによる損得の差も良くわからないことが非常に多い。

また、ドミニオンのプレイに大きく制限をかけてしまうカードも多数あり、遊びにくさに拍車をかけている。

 

これまで全10回紹介してきましたが、どうだったでしょうか?

正直帝国はイマイチな拡張だと個人的には思ってます。

色々考えたんだろうけど、どうしてこうなった感が非常に強い。

私のドミニオン好きには刺さらなかった拡張と言う感じです。

 

ただ、これまでに無いルールが大量に入っており、拡張自体はボリューム満点なので、気になる方は一度遊んでみても良いかもしれません。

初心者はドミニオンが嫌いになる可能性が高いため絶対におすすめしません(笑)

ご注意を。

 

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ドミニオン全拡張の紹介と個人的おすすめ度レビュー

 

↓かなりチャレンジングなルール山盛りの大拡張。

ドミニオン拡張セット10「帝国

 

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