30年ほど前は定積分と言うのは不定積分とは別物でした。不定積分は言わば微分の「逆」であり、定積分は関数と軸の間の面積でした。

ところが、・・・・・・今の高校数学では不定積分の差が定積分と教えられているのです。昔のように定積分を教える時にf(x)⊿xの積を細かな短冊のように描き、その面積をaからbまで足し合わせるという説明が表れない教科書まであるのです。

びっくりポンでしょ!

念の為、高校の若い数学教師に聞いてみると、dxは「微分の逆」を求める作業のシンボルでしかなく、dxに意味はないそうです。

困った!
大学で位置エネルギーを求める時に、力×距離をある区間で積分すると教えてきましたが距離に当たるdxに意味が無いと思っている学生にどうやって教えればよいのか・・・

そう言えば思い当たる節があります。x-y-z座標で積分する代わりにr、θ、φ座標で積分する時ヤコービアンを掛けなければいけないのですが学生たちはピンとこない顔をしていました。dxが距離ではなく単なるシンボルと思っているならdθだけでよいわけで、(例えば円筒形座標で)rdθにする必要性は感じないでしょう。(ちょっと細かい話ですみません)

いつからそうなったのか知りませんが、数学者はそれで矛盾がないと思っているのかもしれませんが物理屋は困るのですよ。

大学の物理を教える方達は現在の高校数学でそう習っていることを認識したうえで注意しながら講義してください。学生が理解できないのは学生の力不足が原因ではないかもしれないのですから。