双子の兄、タイガーが急逝して、もうすぐひと月たつ。

あっけない死だった。


リリーと兄妹げんかしていたと思ったら、2階に上がって廊下の途中でパタリと倒れ、そのまま動かなくなってしまった。

気づいてすぐに心臓マッサージをしたが間に合わなかった。


タイガーは生まれつき心臓に奇形があり、猫としての知能もすこし低いようだった。いつまでたってもトイレの場所を覚えず床を汚した。

でも、タイガーの愛くるしさと、何をされても怒らない温厚さにはいつも癒された。
              

どれだけフローリングをトイレ代わりにしようと、どれだけ洗いたてのバスタオルを毛だらけにしようと、決してタイガーを怒ることはなかった。


けんかをふっかけた双子の妹リリーは、動かなくなったタイガーのそばを離れず、悲しい声で鳴いた。責任を感じたのか、兄妹を亡くした悲しみか、しばらくしょげ返っていた。

              
2日ほど、彼がお気に入りだったかごの中で、毛布にくるんで喪に服したあと、庭の土深く、タイガーを埋葬した。

              

この写真は、今年の5月、初夏の夕暮れの庭を見つめるタイガーです。

この時タイガーが、もしも自分の命があと1ヶ月と知っていたなら、その1ヶ月を悔いなく有意義に過ごしていただろうか?

いや、知っていようといまいと、タイガーはきっといつものタイガーだったに違いない。

相変わらず床に放尿し、エサを食い散らかし、モップのように床をごろごろして、何をされても怒らないタイガーだったに違いない。


そんな仏様のようなタイガーみたいに、僕も生きてみたいとおもう。