総務文教委員会視察報告 | 天野正孝オフィシャルブログ「頑張ろう!日本!!」Powered by Ameba

総務文教委員会視察報告

こんばんは。

自宅隔離2日目。

インフルエンザの方は、発熱も下がりました。

見た目よくなりつつあるのですが・・・

医師からは、解熱後3日間は人に移す可能性が大きいので外出禁止を指導されていますので・・・

今日も一日、行けなかった地域の事業の経過が心配です。

 

さて、遅くなりましたが、先週11日(水)から13日(金)まで行われた視察報告の要旨をまとめましたのでお知らせいたします。

 

【1月11日(水)】

           岡山県 総社市

研修テーマ(調査項目)   【総社市の英語教育の取り組みについて】

①取組の経緯・内容

 

かつて吉備の国の中心で飛鳥時代以降備中の国府が置かれた総社市。

人口は前年対比で増加して、68196人、小学校15校、中学校4校、幼稚園1校が設置されている。

しかしながら、市北部の旧昭和町地区は人口減状態にあり、①過疎地域へ人を呼び込む、②グローバル人材をその地域から育てたい目的をもって平成26年4月より文部科学省認可の構造改革特別区域研究開発学校設置事業を実施し、いわゆる「英語特区」として、地域外からの児童生徒の弾力的な通学を可能にし、結果として同地区への移住者も増加した。

昭和中学校区を5つ星学園と名付け、幼小中英語一貫を15人のALTの支援により進めている。

 

②今後の課題

・小学校高学年児童の学習意欲の維持・向上

・書く英語の文字指導の工夫

・特別支援教育への対応

・学区外からの通学児童生徒の増加による地域コミュニティの変容

ALTの確保維持

 

③本市に反映できると思われる点

・市内全域に対し、「小中進学時の学区弾力化・教育的配慮とは別枠に特区への通学を選択肢の中に含めている点。

ALTが英語授業に限らず他の教科授業に積極的に支援している点。

・民間教育関連企業とのコレボレーションにより英単語の綴りと正しい発音の関係を習得させようとしている点。

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④その他(感想、意見)

 教育特区という新たな試みとまちの再活性という本来ならば別次元の施策に考えられがちですが、これからの市行政の効率化を考えた場合、こうした様々な国の施策を組み合わせた地域で求められる教育と町おこしを一体化した事業も大いに考えていかなければなりません。

すでに、総社市では、昭和地区に続いて音楽特区の取り組みも新本・池田地区においても展開されております。学区の弾力化についても子供たちを主体とした考えで、教育特区対象中学校への進学も選択でき、言っていることは同じですが原理原則に固執する静岡県の教育とは明らかに格差がありました。学校と行政とのパイプも太く保持していることも印象的でした。

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【1月12日(木)】

           岡山県 新見市

研修テーマ(調査項目)   【新見市ICT活用推進事業の取り組みについて】

①取組の経緯・内容

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高梁川上流にある86.3%が森林地帯の中山間地の町で、石垣前市長の号令の元、「新化」を目指したまちづくりがすすめられています。その一環として、平成20年度から供用開始の合併特例債を利用した光ファーバー接続事業「ラストワンマイル事業」があげられます。そのベースの上で、先発モデルとして平成22年度の総務省「地域雇用創造ICT絆プロジェクト(教育情報化事業)」で高尾小学校全校児童75名に、平成23年度の総務省「フューチャースクール推進事業」及び文部科学省「学びのイノベーション事業」で哲西中学校全生徒64名にiPadが支給され、①校内LANシステム②1人1台のiPad供用③電子黒板の設置④ICT支援員(市内2人巡回型)の4本の柱でICT教育を推進しています。今後、全中学校で年間1回は研修会を開催したいこと、全小学校5年生以上にもiPad配布したいことなどお話しいただきました。

 

②今後の課題

・生徒・教員のICT活用能力の向上

・アナログ部分も併せて授業研修会などで研究

 

③本市に反映できると思われる点

・生徒と授業を行っている教員を結ぶドロップボックスの導入

・授業内での電子黒板の有効利用

・フィルターリングへのアプリの利用

・ドロップボックスとワークシートの併用

 

④その他(感想、意見)

 当日いただけた資料も少なかったので、研修資料を見ながらの視察になりましたが、光ファイバーの市内全域への接続を行う事で、教育にも、生活にも、ICTが浸透している状況がよくわかりました。アナログの部分の大切さも考えられており、ICTはあくまでも手段であって目的ではないこと、結果としてSNSの使い方などの情報モラル教育の重要さ、中学校区内での生活連携の大切さなども学ばさせていただきました。

また、歴史あるまちにおごることなく「懐古進化」を考えることも重要な要素となります。

 

【1月13日(金)】

           福岡県 宗像市

研修テーマ(調査項目)   【宗像市小中一貫教育の取り組みについて】

①取組の経緯・内容

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宗像市では、平成13年4月1日に生涯学習都市「むなかた学びの里」宣言を行い、「教育21世紀プラン」「子育て支援計画」「生涯学習推進プラン」を基本理念とした教育行政が推進されています。その中で、子供たちが「自立」「かかわり」の力を養い、不登校や学習意欲の低下を防ぐために、各中学校区ごとに小・中学校教員の協働による9年間を4年(前期)・3年(中期)・2年(後期)のステップに分けて結果として9年間継続される一貫教育を実施しています。平成18年度~26年度の第一期を終え、現在、平成27年度~31年度の第2期の計画が推進されています。各中学校区を学「○○学園」と呼称し、小中学校の校舎が一体化している学園、分離している学園、一体型と分離型が混合している学園、それぞれの学園でできることを目指し、ICTを利用した中学校区ごとの統一している事業の仕方をさらに充実させ、学園内の小学校・中中学校、小学校同士の交流活動を行い、小・中学校の教育段階を一貫させたカリキュラムを作られているようです。

結果として、中学校1年生の不登校の減少、児童生徒の学習意欲の向上と学年ごとの意欲格差の是正が図られたとのことでした。

 

②今後の課題

・小中一貫教育の推進会議に直接かかわる教職員の意識は高まったものの、各学校全体での共有化を図る仕組みが必要。

・家庭や地域への周知・理解がまだまだ十分ではない。

・児童生徒自身の「自己教育力」「自己学習力」を9年間でいかにつけさせていくか。

・学力テストの結果をもとに、学校間、学級間の格差をどう解消していくのか。

・ICTを利用した新しい授業のあり方についての研究や、地域の教育力の活用をもっと進めていく必要がある。

 

③本市に反映できると思われる点

・一体型や分離型、複合型と様々なパターンの小中一貫教育がなされている点。

・各学園ごとの学園の運営のための学園コーディネーターの設置。

・特別支援コーディネーターの常設。

・小中一貫教育に関する大学や保育園・幼稚園との連携。(広がりを持ったダイナミックな教育活動の推進)

 

④その他(感想、意見)

 藤枝市も最終的に全市においての小中一貫教育を考えた場合、理想とする形の一つが現在行政と教育が密に連携して活動している宗像市にあると考えられます。教育日本一を目指す場合、こうした市との交流も今後必要になるのではないでしょうか。

 
以上です。