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健康福祉委員会視察報告


こんにちは。藤枝の今日は晴れで現在の気温は31度。

今日もとても暑い暑い一日になりそうですが・・・皆様の地域ではどうですか?

 

今日は、午前8時30分~先週の健康福祉委員会の視察報告をまとめましたので、報告いたします。

 

                 新潟県魚沼基幹病院

 研修テーマ(調査項目)【新潟県魚沼基幹病院の経営等について】

①地域医療の機能分担・ネットワーク化の状況について

(基幹病院や県立病院、また地域内の他の病院や医療機関との病病連携・病診連携)

②新しい地域医療制度改革に向けた活動状況及び今後の展開について

(急性期医療、救急医療、高度専門医療ほか)

③総合診療医の育成を視野に入れた教育プログラムの構築について

 

1 取組の経緯・内容

 新潟県では、県内の地域医療の推進を図り、住民の健康と福祉の向上に寄与することを目的として、平成24417日に、一般財団法人 新潟県地域医療推進機構を設立し、ここを母体に魚沼地域に不足する救命救急医療や高度医療を確保し、周辺医療機関との連携と役割分担による新たな医療体制(魚沼医療圏の再編)を構築するため、平成27年6月1日に「新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院」を開院し、併せて、魚沼基幹病院には新潟大学の組織として「新潟大学医歯学総合病院魚沼地域医療教育センター」を併設し教授等の指導医を現職のまま招へいすることで診療・研修体制を充実させるとともに、総合診療医の育成など地域医療に意欲的な研修医の確保を目指しているとのことでした。なお、病院の許可病床数は454床(一般病床400床(救命救急センター14床を含む)、精神病床 50床、感染症病床 4床)でした。  

 

2 今後の課題

 一般財団法人を母体としたことによって、県からの補助金を直接利用できない点、県からの派遣職員を多く受け入れており、機器の購入や病院の運営に関する決定が病院内で即決できない点、医療圏再編によって設立された際に、医療圏全体としては病床数が減員されてしまった点等を今後どう克服するかが課題となるとのことであった。

 

3 本市に反映できると思われる点

・各医療圏での連携医療体制を作るための県事業による基幹型病院という発想の県への提案。

・大学医学部の教育機関を併設することによる医師確保の充実と総合診療医の育成などの地域医療の推進にとって必要な医師の確保。

・地方企業法の制約を受けない法人の設立と運用の発想。

 

4 その他(感想、意見)

 静岡県ではこれまで、各市町村が総合病院を設置運営してきていますが、慢性的な医師不足で、総合病院と言いながらも閉科している診療科も多くあります。

近年の研修医制度の改革により大学自体にも、医局でさえ医師の確保が困難になってきている

現在、基幹病院を中心とした医療圏での医療の充実という問題が身に迫ってきています。

そんな中で、地元医大の教育機関を基幹の病院に設置し、医師確保を進めるとともに、大学にも総合診断医の養成等、地域医療に貢献する医師の育成意識を持ってもらえることも大きなメリットになると考えさせられた視察となりました。

圏域内の病診連携、病病連携のための医療情報共有カードである米ネットカードの運用方法についても電子カルテ運用において今後研究していく必要性を感じました。

 

                 長野県諏訪中央病院

 研修テーマ(調査項目)【長野県諏訪中央病院の経営等について】

①地域医療の機能分担・ネットワーク化の状況について

(基幹病院や県立病院、また地域内の他の病院や医療機関との病病連携・病診連携)

②新しい地域医療制度改革に向けた活動状況及び今後の展開について

(急性期医療、救急医療、高度専門医療ほか)

③総合診療医の育成を視野に入れた教育プログラムの構築について

 

1 取組の経緯・内容

 諏訪中央病院(すわちゅうおうびょういん)は長野県茅野市にある医療機関で、正式名称は組合立諏訪中央病院といいます。昭和25年8月1日にちの町国保直営病院として設立され、現在は、茅野市、諏訪市、原村の3自治体が構成する「諏訪中央病院組合」が運営してます。茅野市の小高い丘の上に立つこの病院はかつて院長であった今井澄、鎌田實らの活躍により全国区の知名度を持ち、日本各地から研修医が訪れているとのことでした。医療が安全でありあらゆる病気は治せるという医療幻想にとらわれない、「命」に寄りそったあたたかな療養環境を提供し、あたたかな思いやりの気持ちで患者さんに接する、あたたかな急性期病院をめざしているとの説明をいただきました。

許可病床数 は、 360床で、一般病床 315床(一般 264、緩和ケア 6、回復期リハビリテーション 45)、療養病床 45床(医療療養型 15、介護療養型 30)で、患者さんに選ばれる良好な療養環境と、有能なスタッフの確保・育成のため、現在増改築工事を行っているとのことでした。

昨年暮れには、藤田保健衛生大学救急総合内科教授でNHKのドクターGで出演されていた山中克郎医師を院長補佐として迎え、若手医師育成に努めているとの報告もいただきました。

 

2 今後の課題

 医療圏の基幹的な病院が諏訪赤十字病院で、約20万人の人口に対し、4つの総合病院で対応している。このうち、諏訪中央病院対象地区の人口は8万人で、医師96名・看護師504名で対応しているが、断らない医療の実践のための医療の質の確保を考えたとき、教育体制の充実が問題となるため、専門指導員の配置と教育体制のさらなる充実を図るため先輩医師も加わった屋根瓦式教育体制の充実を図っているが、それでも休診となる科があり、医師の確保に苦慮している。

 

3 本市に反映できると思われる点

・クリニカルクラークシップ(学生が医療チームの一員として実際の診療に参加し、より実践的な臨床能力を身に付ける臨床参加型実習)の実施

・科の垣根を越えた入院カンファレンス等の実施

・名医の発掘と招聘

 

4 その他(感想、意見)

 病院ボランテイアが整備しておられる病院の自然のままの庭を歩きながら、鎌田医師を中心とした地域に根ざし、地域の医療だけでなく健康予防をも手がけようとする気概をひしひしと感じました。その結果が多くの若い医師の心を捉えていると思います。それでも尚且つ、医師が不足する現状を厚生労働省及び文科省はどのように考えているのでしょうか。

藤枝市立総合病院には、今後も、同病院との情報連携をしてもらい、医師の教育体制の充実と地域医療の本質理解、医療の質の向上に努めていただきたいと切に願います。

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