琴平町視察報告・全国都市問題会議報告 | 天野正孝オフィシャルブログ「頑張ろう!日本!!」Powered by Ameba

琴平町視察報告・全国都市問題会議報告

報告が遅くなってすみません。
10月8日から10日にかけて視察した琴平町と全国都市問題会議の視察報告を載せさせていただきます。

◎香川県琴平町視察報告
・地域おこし協力隊について  
・昭和の町並みを保全した町づくりについて
①調査内容(現地の状況、本市との比較)
 香川県琴平町はかつて金比羅本宮の門前町として栄えた町だが、現在の人口は、少子化の煽りで9,400人と人口減が続いている。日本最古の地方歌舞伎座があり、昭和の街並みがそのまま残った町でもある。町の賑わいを再興しようと国の特別交付税の対象となる地域まちおこし協力隊員制度を平成26年度から導入し、外部からの新しい視点を引き込むことで町の活性化を目指している。県の市町活性化事業にも便乗し、県事業のことひら浪漫館の誘致、古い町並みと空き店舗を利用した昭和なつかし博などを期間限定で展開している。

②本市に反映できると思われる点、また、参考になった点は。
・町並みは、藤枝名店街に酷似しており、行政による空き店舗を利用した展示物や観光客の呼び込みのための観光業界への売り込みなど、情報交換されてはどうか。
・地域おこし協力隊制度については、埼玉・東京・神奈川・愛知などの3大都市圏からの募集について、藤枝市でも特別交付税の対象となるので、導入に向けて研究してもらいたい。

③その他(感想、意見)
 大都市との友好関係も必要だが、時には、琴平町のように小さな町でも、歴史と文化などに共通部分のある町との協力体制も研究してはどうか。できれば、焼津とも広域で琴平町と交流すれば、元々漁師の氏神様である金比羅大神であるため、交流しやすいと思う。街の再活性は、情報交換をはじめとする連携と友好によってよりその選択肢は深く広く促進されると強く感じた。

◎第76回全国都市問題会議報告
テーマ:「都市と新たなコミュニテイ」~地域・住民の多様性を生かしたまちづくり
①調査内容(現地の状況、本市との比較)

(第一日目)
基調講演:「生き方雑記帖2014 」作家 山本一力氏
・戦争を経験した親たちに育てられてきた世代として自己責任という認識を強調したい。年を重ねてやるべきことは、必要に応じて必要なものを使っていくという暮らしのダウンサイジングが必要ではないかという講演でした。

主報告:「新たなコミュニティの構築を目指して」高知県高知市長岡崎誠也氏
・高知市では平成15年に市民と行政のパートナーシップ条例をつくり市民協働のルールを定め、平成22年度からは地域コミュニテイの再活性の取り組みを始めた。地域活動の担い手の育成については、コミュニテイ計画策定市民会議を設置し、28地区にコミュニテイ計画推進市民会議で活動を展開しているということでした。

一般報告:「コミュニティ政策と都市内分権」 法政大学法学部教授 名和田 是彦氏
・一定規模以上の市になると自治会町内会への加入率が低下する現象が発生している。平成の大合併以後このような状態の是正と市民協働の推進のため、都市内分権が導入されつつある。そのほか、自治会・町内会とそれ以外で活動している団体・活動者も取り込んだ協働事業提案制度なども導入されつつあるという講演でした。

 一般報告:「市民の力を活かしたまちづくり」青森県八戸市長 小林 眞氏
・八戸市では、平成17年度策定の「八戸市協働のまちづくり基本条例」をもとに、平成18年度からは各公民館で地域のまちづくりについて地域の住民と話し合う「住民自治推進懇談会」を開催するとともに、地域担当職員制度を導入している。地域施設を地域の力で改修したいとの意見も出され、その作業の中でボランテイア参加者の充実感などがもたらされ成果を得たとの講演でした。

 一般報告:「コミュニティ再生を目指す市民による拠点整備」
 早稲田大学社会科学総合学術院教授、建築家、都市デザイナー 卯月 盛夫氏
・これからの持続可能な社会実現のためには、「経済促進」「環境改善」「社会的な結合力」の3つが相互関係を持ちながら同時に発展される必要があるという講演でした。

(第二日目)

「都市と新たなコミュニティ~地域・住民の多様性を活かしたまちづくり~」【パネルディスカッション】
コーディネーター
studioL代表、東北芸術工科大学教授・ 京都造形芸術大学教授 山崎亮氏
従来のコミュニテイが崩れる起点は人口十万人を超えた時点であるとの説明。

パネリスト
一般社団法人コミュニティネットワーク協会理事長  近山恵子氏
・行政とは違う立場で高齢社会の自立と共生の参加型コミュニティの試みをしている。

群馬大学大学院教授・群馬大学広域首都圏防災研究センター長  片田敏孝氏
・地域防災、防災教育でコミュニティの再生を推進したい。

高知市まちづくり未来塾代表  岡田法生氏

・市民と行政のパートナーシップによるまちづくりを目指しています。

 東京都三鷹市長  清原慶子氏

・三鷹市が「民学産公の協働」で進める「コミュニティ創生」について説明。

福岡県宗像市長  谷井博美氏

・自分たちの手によるまちづくりを目指した元気な市民と、元気なまちづくりについて説明。

②本市に反映できると思われる点、また、参考になった点は。

・防災教育・防災対策を通じたコミュニテイの再生

・地域における市民協働の本来の意味を市民の皆様と研究しあえる協議会・懇親会の設置。

・自治会・町内会と市民団体の連携及び情報交換の場の設置。

・子ども参加の地域づくりイベントの開催。

・コミュニテイ崩壊への危機感の共有のためのイベントの開催。

・地域の皆様を巻き込むプロセス(過程)とプラットフォーム(拠点)づくりの研究。

③その他(感想、意見)

 藤枝市も15万人弱の人口を抱える志太榛原圏域の中核的な都市となり、人口が県下で有数の増加をしている反面、町内会・自治会に入らない人が新興住宅地を中心に増えつつあります。問題は、災害時の起こった時ではないでしょうか。災害時非難に際しては、既設の自治会町内会が大きな効果を生んだこと、共助が進んだことは先の東日本大震災でも如実に現れています。地域コミュニテイの再生を考えた場合、自治会・町内会とそこに入っていない皆様をどう結び付けていくのか、が大きな課題となってきます。

今回の会議の中で、様々な事例を踏まえて、防災対策の中で、自治会・町内会にとらわれない市民活動を惹起する発想も有効だと痛感しました。