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第75回全国都市問題会議報告


こちらも遅くなって済みません。
下記のようにご報告いたします。

第75回全国都市問題会議
「都市の健康」~人・まち・社会の健康づくり

(会議の研究内容に関する評価)

●「幸せ」で「健康」で「長生き」のまちづくり~鎌田實 諏訪中央病院名誉院長

 健康対策は金太郎飴ではなく地域ごとで違う対策を見つけることが大事であり、これまでの地域医療で活躍されてきた、今回の講師である鎌田實医師の経験をもとにした、健康長寿が経済とつながっていること、命を守っていくためには想像力が必要だというキーワードが今後の健康政策の展開の中で必ず必要になってくることを評価する。

 

●まちづくりは人づくり~釘宮 磐 大分市長

市民協働による健康づくりを考えたときに、行政主導(公助)だけではなく、市民・地域による自主自立的な取り組み(自助・共助)をどう起こさせるかという点について、食生活改善を含め、推進員の養成などの施策の展開を評価する。

 

●ライフステージ・コミュニテイの提案~中村桂子 JT生命誌研究館館長

 生き物の一部である人間の一生を胎児期・乳児期(0~1歳)・幼児期(1~6歳)・学童期(6~12歳)・思春期(12~18歳)・青年期(18~30歳)・壮年期(30~60歳)・老年期(60歳以上)のライフステージに分け、各ステージを充分に生き、次のステージへの準備を充分行い、他のライフステージとの関係を円滑にしていくということが満足できる社会作りを目指すべきであるという指摘を評価する。

 

●まちづくりからの健幸と新しい仕組み~久住時男 見附市長

 見附市の心・時間・空間にゆとりあるまちづくりへの取り組みとして、地消地産・日本型食生活を進めるためのイベント開催、スマートウェルネスシテイ首長研究会の活動をもとに国に「健幸長寿社会を創造するスマートウェルネスシテイ総合特区」を申請し指定された事を大いに評価する。

 

●「社会」の健康づくり~山岸治男 日本文理大学教授

 社会の健康を促進する処方として、健康的な社会の基礎を作ること(人間関係づくり・集団づくり・組織づくり)・制度的公的社会資源を作ること(必要に直結した制度の創造・住民の規範意識の向上と公正な制度運営)の説明の中で、いい制度をつくりいい運用をすることの重要性、理屈をしっかりと伝え具体的な解決策を提示することの必要性を事例をあげて説明された点について深く感銘を受けた。

 

●パネルデイスカッション~何故健康になるまちづくりが必要なのか

コーデイネーター 久野譜也 筑波大学大学院人間総合科学研究科教授

パネリスト 中村桂子 東京医科歯科大学大学院医歯総合研究科准教授、伊香賀俊治 慶応義塾大学理工学部教授、松本悠輝 松本内科循環器科クリニック院長、北村正平 藤枝市長、辻重五郎 丹波市長

 
 
コミュニテイ再生が健康づくりの一環であること、車がなくても暮らせる(歩いて暮らせる)都市環境を目指した施策の展開、都市そのものが健康になれる都市づくりの必要性について、具体的な取り組みの報告をもとに、そのアセスメントにまで踏み込んだデイスカションについて高い評価ができる。

 (藤枝市に反映したい内容と具体例)
医師が食生活指導にまで参加できる医療体制
自治会など地域の宛職でない健康推進員や食生活改善推進員の育成
食生活改善のための地消地産(地元で消費するために地元のものを生産する)思想の普及
ちなか健康ウォーキングロードなど健康になれることをまちづくりの基本とする総合計画の見直し
自治体健幸クラウドの研究および導入の検討
健康都市プロジェクトの研究

 

(感想)

市民全体の健康を考えるとき、まちづくりと経済環境が大きく作用することが分かっていても何を力点においてやっていくべきかがなかなか理解されない。行政としてもまちづくりと健康は密接していても上下関係のある別個の計画の中で考えられ、結果として、距離感が生まれてしまう現状を再確認しました。

そして、おうおうとして健康というと医療や検診に重点が置かれますが、その根源は、生活でありその基礎は食生活にあるのではないでしょうか。

多くの講師やパネラーがその点を強調されたことも印象的でした。

また、地産地消ではなく地消地産で70%以上の地元の安全な食品を使った食生活、健康でなく健幸という言葉が多く使われていたことにも感銘を受けました。

地元のものを食べ、健康を保持することによって受けられる幸せ、それを守るために地域の推進員を育てる施策など、今後も研究を重ねる必要性を強く感じました。

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