総務文教委員会視察報告 | 天野正孝オフィシャルブログ「頑張ろう!日本!!」Powered by Ameba

総務文教委員会視察報告

遅くなりましたが、今月視察に行った京田辺市及び京都市の視察報告を書き込まさせていただきます。

京都府京田辺市
(京たなべ スマートフォンプロジェクトについて)
①  調査内容  
京田辺市は人口65,000人強の市で、京都・奈良・大阪のほぼ中央に位置し、一休和尚の居住寺である一休寺などの観光名所もあり、玉露の名産地であるにもかかわらず、総合的な観光プランの提案が不足していたため、同志社大学・中小機構・京田辺市・京田辺市観光協会の協力のもと、同志社大学連携型起業家育成施設「D―EGG」で産学官協働による新しい観光案内としてのご当地アプリ「iTUNE」が作られ、同アプリへのダウンロードは、初年度1,500件を越したとの説明がありました。 ダウンロード先としては、アメリカ・サウジアラビア・イギリス・台湾など世界に拡がっており、今後、 海外からの観光客増も大いに見込める状態となっているとのことでした。
 ②本市のために取り上げるとしたら、また、参考になった点は。
・ 観光資源の再発掘と情報の集約
・ 情報系大学や企業、県・国との協働(産学官の連携の可能性)
・ インターネットを利用した観光案内の充実
・ 独自アプリを使った全世界への観光情報の発信
・ アプリを利用した国内都市との連携(観光に限らず災害協力なども可能)
 ③その他(感想・意見)
 藤枝市においても、ツムラや明治製菓などの多くの製造工場が存在し、各企業との連携が可能 な状況にあります。また、旧東海道を中心とした観光名所も多く存在し、中山間地域との縦の連携も含めれば、歴史・文化・自然が調和された、「訪れみたいまち」としての魅力が溢れています。 市内に情報系の大学である静岡産業大学もあり、世界に向けても国内に向けても広く情報発信ができる状況にあるにもかかわらず、連携があまり十分ではないと考えます。 だとすれば、市や観光協会、商工会議所が中心となって、作業を静岡産業大学に委託する中で、新たな試みとして藤枝のアプリケーションを構築し、同時に、産学官の連携のあり方を見直すことが重要であると痛感しました。 京田辺市の先進的思考を学び、かつ、藤枝独自の情報発信ツールの早期の開発を強く望みます。
(一人一人が輝く京田辺っ子の育成に向けた教育について)
① 調査内容
 京田辺市は昭和61年に同志社大学田辺キャンパスが開設され、人口増と学園都市としての街の整備が進められて、平成6年に市制に移行したまちで、市内に設置された京都府山城教育局との緊密な連携のもとに、「一人一人が輝く京田辺っ子の育成に向けた教育」を目指し、まちづくりをさらに加速化させている。平成17年には同志社大学・同志社女子大学などとの連携協力協定を結び、学校支援のためのボランテイアとして、ふれあいパートナーや学習サポーター、クラブサポーターなどが大学から確保できる環境が作られた。 さらに、平成23年からは中学教育での落ちこぼれ防止のための国語・数学の中1振り返り集中学習事業もはじめ、退職教員や学生を学校支援員として任用し、生徒自らが学習意欲や態度を身につけられるよう努力している。 また、情報教育用設備としてパソコンや書画カメラ、デジタルテレビなどのICTの積極的活用も図られている。併せてほとんどの小学校と幼稚園が隣接しており、教育の連動性も充分図られる環境にある。さらに、各小学校には校舎内に専用の「留守家庭児童会」が設置されており、4年生までの両親が就労や長期療養、出産などにより放課後の保護が困難な児童の放課後の保護を行っている. 教科書についても、京都府山城教育局と連携し、次年度使用予定の教科書を展示することによって学校関係者や保護者の教科書への理解を深める「教科書展示会」も実施している。 京都府の教育指針にのっとり、さらに京田辺市独自の事業展開をすることによって、同市は、教育によるシテイプロモーションを展開し、結果として、人口の増加とまちの活性化が図られている。  
②本市のために取り上げるとしたら、また、参考になった点は。
・ 地元の大学との連携強化(ボランテイア・学校支援員としての教育への参加促進)
・ 藤枝独自のICTの積極的利用方法の研究・導入
・ 振り返り学習の積極的促進と各学校への支援強化(市独自の補助と人員の確保)
・ 放課後児童クラブと放課後児童プランの融合
・ 教科書への関心を高めるための展示会や教職員の研究会への支援
③その他(感想・意見)
 京都府の教育指針にのっとっての活動と言いながら、京田辺市独自の考え方を積極的に取り入れ、その中で真に「一人一人が輝く教育」を目指しているまちの方向性は、教育を中心としたシテイプロモーションの大きな要素となります。藤枝市においても、静岡県の教育方針に独自の考えを加味した教育を進めていく必要性があります。特に、放課後の児童の保護に、各学校が積極的に協力していること、地域の最高学府である大学との協力体制の構築については、学ぶべきところが多いことを痛感しました。 是非、「子供たちが輝くまち藤枝」を目指して、研究してまいりたいと強く思います。  

京都府京都市 ~子どもも大人もともに学びあうまち~京都市の教育改革
(放課後学び教室・みやこ子ども土曜塾など)
①調査内容  京都市では、平成19年2月に「子どもを共に育む京都市民憲章」を制定し、平成23年4月に実践面を条例化し、地域・学校・企業・行政が一体となり、市民の参画を得て進める教育改革に取り組んでいる。その中で特徴的な事業として放課後まなび教室・みやこ子ども土曜塾・おやじの会の活動がある。 放課後まなび教室とは、放課後子どもプランをベースとした京都版「放課後子ども教室推進事業」として学校ごと週3~5日実施されており、読書や自主勉強などを学生や保護者などがサポートする事業で、10校ごとに配置されたコーデイネーター(元校長先生)・学習アドバイザー(1日1名)・学習サポーター(数名)で放課後に運営されている。 みやこ子ども土曜塾は、平成16年10月から、土曜日・祝祭日・夏休みなどの学校休業日に市民ぐるみで京都ならではの文化行事や祭事、スポーツなどの多様な学習資源を生かした豊かな学びと育ちの場を子供達に提供するために行われてきた事業で、2ヶ月に1回の情報紙の発行やホームページなどにより情報発信している。 おやじの会は、「わが子の父親から地域のおやじへ」を合言葉に学校・幼稚園単位で親子体験活動や話し合い活動、地域活動を行うもので、実施事業費の補助など、京都市として支援している。
②本市のために取り上げるとしたら、また、参考になった点は。
・ 放課後児童クラブ事業と放課後児童教室事業の融合と学校の全面的協力体制
・ 退職教員や大学生を放課後児童事業にマンパワーとして確保する組織体制
・ 学びの場の情報発信をすることにより、児童が学校休業日を有効に使えるシステムの構築 ・ 自分の子供だけではなく地域の子供を地域で育てる父親の団結力の強化支援
・ PTA活動以外の父親の活動の場の提供
③その他(感想・意見)
 未来の子供たちを豊かな心で豊富な学びをさせ道徳心を高めるためには、道徳教育の充実はもとより、様々な学びの場面を提供する必要があることを痛感しました。 それぞれの事業をサポートする人材として、これまで退職教員に限定的であったものを大学生にも広げていくことも考えていかなければなりません。 併せて、大人の教養講座への情報発信と同等以上に、子供たちにも歴史や文化、スポーツの講座情報の発信も不可欠なことが分かりました。 そして、「地域の子供は地域で育てる」という言葉を現実化させるためには、PTAや母親に任せるだけでなく、父親の存在が不可欠なこと、そのためには、父親が集まりやすい環境整備が必要となってきますので、この点についても、行政の支援を実施すべきであることを再認識しました。

以上です。
こうした視察で学んだことも今後政策提言の中で行政にぶつけて言いたいと考えています。


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