マザーアウトロウ心身にじわじわと干渉してくる小説だった。物語というよりも、誰かの体温に触れているような感覚。今回は読むではなく、聴くを選んだのだけれど、正直なところ、オーディブルの朗読は、演技が過剰に感じられてしまい、物語への没入を妨げることも少なくない。しかし、この作品に関しては例外だった。ナイロン100℃の松永玲子さんによるナレーションは、抑制と揺らぎのバランスが絶妙で、登場人物の内面のざらつきを過不足なくすくい取っている。声そのものが、テキストの延長として機能しているようだった。 マザーアウトロウ Amazon(アマゾン)