・なるほどそうですか。人に勧めたくなる理由はこの結末にあったワケですね。ま、確かにこの収束は誰かと共有したくなりますわな。だから、父親に「びっくりしたねこりゃほんとに」と言って上下巻を返してこようと思います。ネタバレしたいけど、ガマンガマン(笑)。

・「さいとほサンが知ってたら皆が知ってる」と言われるほど、ボクは秘密とか噂とか隠し事とかに無縁な牧歌的な生活を送っています。だからD県警のような虚々実々の世界には本当に向かないだろうな。三上広報官は結局「置かれた場所で咲きましょう」と決断したらしいですが、これは是か非か。

・映像化もされたようですねNHKで。最近はNHKだとて真っ当なドラマを作るとは限らないのでこれはDVDで検証してみよう。あぶない刑事(ユージ)が上司にいますが、柴田恭兵サンはシリアスでもうまく絵になる役者さんですよね~。
 

64(ロクヨン) 下 (文春文庫)/文藝春秋
¥691
Amazon.co.jp

 


・父親に「読んでみ」と渡された作品。ちょっと前の「このミス」であり、本屋の平積みも目にしていただけに気になる作品であり作家さんだったワケですが、いわゆる警察小説は同工異曲というのか少々辟易している部分もあり、温めてました。面白いというのは分かるんですけどね。


犯人捕まえないんだ・・・。ここまで警察内部のヒエラルキーとか誹謗中傷とか主導権争いとかに特化した作品というのも珍しいんじゃないですかね。確かに迫真の筆致ではありましたが、素朴に「仕事しろよ」という指摘も、真を穿っていると思いますがどうですか。


・上巻の終わりにして主人公・三上広報官は自分の立ち位置を知ったようですが、であればなおさら読者はこの後の顛末が分からない。読ませますね~。今日び小学校は「親子読書」なんていう宿題も出してまして(一緒に同じ本を読まなくてもいいそう)、ボクは息子の隣りであっという間に上巻を閉じたのでした。

64(ロクヨン) 上 (文春文庫)/文藝春秋
¥691
Amazon.co.jp
病院病院病院病院

・大抵の人がおそらくそうであるように、ドラマから入りました。綾野剛クンは迷走もしましたが、やっといい役にありつけましたね。星野源クンの無表情な芝居(以来歌も聴いている)、松岡茉優サンの爽やかな姿、吉田羊サンのマルチな役作りなど、堪能したドラマでした。「下町ロケット」は見なかったくせに、コレは本当に毎週楽しんだドラマでした。


・で、原作を読む。ああ、本当に原作に忠実なドラマだったんだ!良かったよね~制作がフジテレビじゃなくて(逆に原作を外してドラマを作る神経が分からん)。だからこそ原作もとっても楽しめました。何だろう、あまり筆圧の無さそうなデッサンが面白い漫画ですね。少々真面目なことを言うと、こういう本を中学や高校に置けばいいんじゃないかって思う。


・「出産」というのは本当に奇跡的な出来事だと思う。だから、そういう仕事に携わる重圧も分かるような気がするし、そこにドラマがあるのも必然的なコトだ と思う。色々あるんだね、だからこそ末長く続いて欲しい連載だし、TVもまた見たいなあって思いますよ~。

コウノドリ(1) (モーニングコミックス)/講談社
¥価格不明
Amazon.co.jp
コウノドリ(12) (モーニング KC)/講談社
¥607
Amazon.co.jp


・残念ですが今回はレビューではありません。すいません、どうしても発信しておきたいことがあるのです。


・それは追悼の意です。


・1月14日、あるブロガーさんが天国へ旅立たれました。ボクはその方の顔も名前も知りません。読書という趣味を通してネットで交流し合っただけの関係です。でも、ボクのブログの最初の読者になって下さった方であり、コメントもたくさん寄せて下さり読書の世界を広めて下さった大切な方と思っております。


・その方の読書感想も含めた日々の雑感のブログは、ある日を境に闘病記となりました。ボクは折々にコメントさせていただきながら、その方の病気が快癒し以前のような日常を取り戻すものと漠然と考え、自分の忙しさにかまけてブログを留守にしていました。


・しかし、その方は帰らぬ人となってしまいました。


・なぜ、ボクはそのことを知ったか。実はその方の娘さんが、病床にあるお母さんに代わりブログで発信をしたからなのです。余命を告げられたこと、かすかな反応を感じたこと、そして天国に旅立った母を見送ったこと。


・本当に本当に驚きました。想像がつくでしょうか。悲痛な現実を目の前にしながらも、気丈に発信をして下さった娘さんの気持ち。そして、そこまでのことを娘さんにさせたその方の、ブログとその読者との絆を大切にしてくれた気持ち(おそらく娘さんに話していたのでしょう)。


・「さいとほさん、いなくなっちゃったな」・・自惚れかもしれないけれど、ちょっとでも、もしかしたらその方にそう思わせてしまったかもしれない。そう思うだけで悔恨が尽きません。ボクがブログを再開した本当の理由は実はこの方との関わりにあるのです。でも、遅かった。


・「『図書館戦争』って面白いですよ」と、有川浩を薦めてくれたのがその方でした。よい本、よい作家さんと巡り会えた。その方のおかげで。でもそのことに報いる方法が無い。だからこそボクはこれから、できるだけ本を読み、できるだけその楽しさを発信していくしかないと思うのです。そうすることしかできないからです。


・今回は、その方への感謝の気持ちをどうしても表したくて、このページを使わせていただきました。


ちかさん、本当にありがとうございました。天国でお安らかに。



明日の子供たち/幻冬舎

¥1,728
Amazon.co.jp
合格合格合格合格 

・つくづく村上春樹さんの文だなあって思うエッセイ。ボクは別段村上春樹中毒というワケではないし、刊行された本を必ず読んでいるワケでもない一介の普通の読者です。でもエッセイは読む。何だろう、居丈高でもないけど腰が低いというワケでもない平易な文章に惹かれるせいかなあ。


・登場人物に名前を付けるのが苦手だったそうです。で、吹っ切れたらそうでもなくなったそうです。なるほど村上サンのそんな裏話を知ると、自ずと本業の小説の味わいも深まるというものでしょう。さて、じゃ「多崎つくる」も文庫本になったし読んでみますか!


・それならやっぱりノーベル文学賞受賞待望乱痴気騒ぎには相当否定的なのでしょうね。どーしてノーベル文学賞を受賞すると判断できるのか浅学にして知らないのですが、そっとしておいてあげるのも一考でしょうね。ただ、メディアに出る村上サンの言動を見たい気もしますが。


職業としての小説家 (Switch library)/スイッチパブリッシング
 
・えっと・・静かに再開させていただきます。今年度、つまり昨年の4月から大変忙しいsectionに入り、疲れ果てておりました。本当に疲弊した1年でした。やっと一段落した感じなので、再開。年頭にあたり、長続きしないダイエットを始めたり、やりもしない通信講座に手を出したりする類いの再開と受け取ってもらって結構ですので・・ゆるゆると始めさせていただきます。

合格合格合格合格

・で、大好きな作家サンからスタート。表紙を見ると「合作なのかしらん」と思いましたが、阿部さんとやらはよく知らないので純然たる伊坂作品というレディネスで読ませてもらいました。ん、コレは「モダンタイムス」系の話な感じです。得体が知れなくて不条理でブラックで妙な読後感を残す系。


・伊坂氏のホームが舞台ですね。仙台、そして蔵王。景色がイメージできる分楽しめたというのもあるかもしれない。仙台って街はちょっと車で走っただけで暗闇の世界になります。そんな世界で繰り広げられる非日常に翻弄される主人公にシンパシーを抱きながら物語は進みます。

・私たちが成長していく上で(ことさら男子に言えることですが)戦隊ヒーローってのは少なからず、自分の血肉というか遺伝子というか、体のどこかに形成されている気がしますね。そんなオマージュを含めたあたりを堪能するのが伊坂さんと同じ年齢のボクの伊坂作品の味わい方・・なわけです。


キャプテンサンダーボルト/文藝春秋
¥1,944
Amazon.co.jp

合格合格合格合格

・これはちょっとレビューする機会を逸していた既読作品なんですけど、宮部みゆきさんの時代物の小品です。大作でも連作でもないから、気構えて読む必要もない、宮部さんを知ってもらうのにはちょうどいい作品のような気がします。



・現在絶賛公開中の「ソロモンの偽証」(宮部作品の映像化にもかかわらずどうやらスベってないのは何より)とエッセンスは同じかも。若者の成長、悪意との対峙、謎解き、奥行きのある大人、救いようのない人間・・・全く内容が類推できない題名という点でも共通点があるわいな。でも、いい響きだ。春だなあ。



・コレも映像化しましたよね。クロレッツのお兄さんもロキソニンのお姉さんも、配役には異議はありませんでしたが・・端折ってましたな~。逆にアレは原作を知らないで観たらどうなんだろうというと思ってしまいました。でも、いい話だわこれは。人に優しくしてあげたくなる読後感。



追記:ちなみに今、娘(中1)が「ソロモンの偽証」を読んでます。彼女の読後感も知りたいものだ。

桜ほうさら/PHP研究所
¥1,836
Amazon.co.jp

手紙手紙手紙手紙

・最近よく読む東野作品。とは言え図書館の予約待ちは凄まじいので、ほとぼりが冷めた辺りに読むことが多い。で、この本もやっと手にしたら文庫本になってた。どうも従来の東野作品と毛色が違う(第一題名がちっともカッコよくない)本作、全く予備知識なしで読んでみました。



・なるほど奇蹟とはこういうことか。面白い試みですな。ま、ただ、こういった「時空超えちゃう」系の話は少々減点して考える必要はあると思う。だって便利だもんね、plotを描くのが。でもよく分かるよなあ、近い過去の微妙な変化が近い未来の幸福を象徴するっていう機微は、とてもよく伝わって楽しく読めた。



・人の話に真摯に耳を傾けるって大切なことですよね。でも、そういう人ってなかなかいなくて(ボクの業界も意外にそうかも)、もはや才能と言ってもいいかもしれない美徳の一つだと思います。「誠実」であることって大事なことだよな。気のせいか、心理学で学位を取ったはずのボクも改めてそう思いました。


ナミヤ雑貨店の奇蹟/角川書店(角川グループパブリッシング)
¥1,728
Amazon.co.jp

将棋将棋将棋将棋

<追悼・河口俊彦氏>



・将棋を指す人なら、そしてそれがなおかつ息の長い人なら、誰もが氏の観戦記を愛したことと思います。ボクが将棋という娯楽を魅力的なものとしてとらえている要因の一つに、氏の観戦記によって「棋士」の皆さんをより身近に感じることができたということを挙げます。



・現在の名人・羽生さんがちょうど棋士となった辺りから本作は始まります。大山康晴十五世名人が未だ健在で、他にも様々な棋士の個性や舌鋒、内幕や本音が鮮やかに描かれています。「棋譜」というのがあるので、どうしても一般的な書籍ではありませんが、本当に面白くて全巻揃えてしまいました。



・で、その中の白眉を挙げるなら、棋士としては(失礼ながら)それほど強くなかった河口氏が、当時羽生クンと同等の才能を買われていた村山聖(「3月のライオン」の二海堂のモデル)に勝ったくだりでした。未だ存命であれば今の将棋界をどう語るのか、思いを巡らせればつきませんが、まずは天国でお安らかに。


新 対局日誌〈第4集〉最強者伝説/河出書房新社
¥1,728
Amazon.co.jp

雪雪雪雪

・いつでしたか日本版でリメイクしたドラマやってましたよね。見なかったんですけど(野村萬斎サンは見事な芝居をしただろうと思う)、原作読んでみっか!という心持ちになったワケです。アガサ・クリスティは1、2作ぐらいしか読んだことのない、推理小説を読むレディネスの低さもボクにとっては弱点のような気がしていましたので、まずはこの名作から。



・なるほど。語り草になるとはまさにこの真実にあるワケですな。今から80年も前の作品、全くグローバリゼーションの無い会話がかえって新鮮。階級を感じさせるsnobbishな描写も素敵だと思いました。しっかしオリエント急行の行程、今走ったら危険じゃない?80年後の今の方が秩序が無いって、ちょっと困っちゃう話ですよね。



・で、これもまた映像化を検証。灰色の脳細胞のヒトはどちらかというと妻の方が詳しいんですが・・クドいなあ~。原作以上に一挙手一投足がバタくさい感じがするわ。ま、もう少し他の作品も見てみよう。それより驚いたのは年老いたイングリット・バーグマンでした。率直にビックリしました。何せ「カサブランカ」のイメージしか持っていなかったので。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)/早川書房
¥929
Amazon.co.jp