星星星星

 

始まりましたね大相撲夏場所。かなり昔の話ですが、怪我を押して出場し優勝した貴乃花を龍氏が痛烈に批判したことがありました。弱点を攻めるのがプロスポーツの常道であるのに「外国人」力士の武蔵丸にはそれができなかったこと、その時点でフェアではなかった戦いに時の首相が「感動した!」とコメントした違和感について述べていました。

 

・その上でこの一件を龍氏は、鬱病の人には悪夢のような出来事だったろうと括り「人は休むべき時には休まなければならないのだ」とまとめました。ボクはこのエッセイが妙に心に残っているのです。昨今の大相撲、完全ヒールのモンゴル勢横綱と、大歓声を背に無邪気に相撲を取る稀勢の里。何か再び嫌なものを見ている気がしてならない。

 

・本作で龍氏はこの話には全くふれていませんが、一時物議を醸したエッセイだったと覚えています。報道は勝手にストーリーを作り、後からそのストーリーに取材を当てはめようとする。こんな姿勢も龍氏は批判していたと思います。さあ、どうするね稀勢の里。ストーリーを取るのか力士生命を取るのか。考えてみると可哀想な方ですね。

 

 

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・TVドラマの「半沢直樹」の続編って作られるんですかね?だとしたらベースになるはずの半沢話パート3。半沢が前作の大立ち回りで出向を命じられ(ま、あんなことしたら出向が妥当ではある)、子会社で活躍する物語です。実はボク、このお話がシリーズでは一番好きです。

 

・題名が本作の主題を表す。バブリー世代と就職氷河期世代の邂逅はどう描かれるかっていうと「どういう世代であれ光る奴は光る」という至極当たり前な結論に落ち着きます。あんまりヒエラルキーがないボクの業界だって同じことだしね。しかしながら半沢クンの光り具合ったら半端ないぜ・・・全く。

 

・ドラマを見ただけに、主人公もそうだけど、同期の二人や頭取や営業第二部長も、ドラマで演じたあの俳優さん達の顔が浮かんでくる。こういうのってこれから原作がドラマに寄せてくるってこともありそうですね。「銀翼のイカロス」も読んだけど、さらに続編を読みたいなと思います。

 

 

 

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・盛岡市のさわや書店でPOPに惹かれ購入。後で読もうと積んで置いて忘れてしまい、再びさわや書店でPOPに惹かれ購入。つまり我が家の本棚に2冊あるというちょっと変わった巡り合わせの作品です。よほど、POPに訴求力があったのでしょう、内容はわすれましたが。読後の感想ですか?看板に偽りなしです(笑)。

 

・一人の老人の孤独死を発見した青年が、その老人の過去をたどる物語。その老人の輪郭は明らかにならぬ代わりに、老人を取り巻く(つまり彼の人生に関わった)人々の人間模様が描かれた佳品です。岩手や秋田の村落の景色、そして廃村の禍々しさが何となしに分かるボクとしてのうってつけの作品でもあったと思えます。

 

・そして、もう一度読み返してみたくなる本です。老人の死を、彼らはどう受け止めたか。秘したるものにどう口をつぐんだか。青年の情熱に絆されていく有り様をどう描いているか。震災の爪痕の残る町の書店にこの作家サンのサインを見つけ、読み忘れていたことに気づき手に取った本でした。ええ、なかなかの作家サンだと思いました。

 

 

 

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・何の脈絡も無く、いきなり学校が午前授業になる「市教研」という日。先日その市教研は教職員向けの講演会だったのですが、講師は何と本作の著者でした。意外にhotな人選じゃないですか・・。結果としてお金を払ってでも聞くべき貴重な話を仕入れることができた!と思ったのです。早速著作を購入してみたのでした。

 

・教育を経済学というフィルタで分析した本作。なるほどベストセラーになるわけです。コレを読んだ人と読んでいない人ではまるで子育てや学習指導のアプローチが違ってくるかもしれない。この業界人の端くれであるボクも自分の疑問が氷解する思いを味わったし、何を信じてこの先チョークを持てば良いのか指針を与えられたような気がします。

 

統計を用いて得られる科学的根拠(エビデンス)で様々な教育の有り様を分析。「子どもをご褒美で釣っていいのか」「少人数学級に効果はあるのか」など、興味深い話が展開されています。講演を聴きながら「この人は本当に頭のいい人なんだなあ」と妙な感心をしました。さて、ボクもちっとは自分の「質」を高めなくては!

 

 

 

 

星星星星

 

・だいぶ前に読んでレビューをほったらかしにしていた作品。ぼんやりしていたらもうパート4まで発刊していたのですね。それだけ需要があるという宮部氏の時代物、最近はコレが代表作と言っていいのでしょうね。怪異譚も含めてなかなか読ませます。

 

・三島屋に在する主人公・おちかさん(この娘サンにも複雑な過去がある)が、客の様々な話に耳を傾けるところから話は紡がれます。様々なエピソードとともにおちかさんの再生も期待させるなかなか巧みな構成のお話です。何だろう、怖い話だけど、怖いのは物の怪とかそういう類いじゃないんだな、人の業というやつが一番怖いと実感させるお話だと思った。

 

・一つだけ厄介なのは題名が大ざっぱ過ぎ、一体何の連作なのか分かりにくいところかな、「ぼんくら」とか「かまいたち」とか「あかんべえ」とか「あんじゅう」とか区別が付きにくい(コレでもっと困るのは今野敏氏の作品群(T_T)だけど)。「分からいでか」と言えるほどdeepなファンではないので。すいません。

 

 

星星星星

 

・これはとっても読んでみたくって図書館で予約しました。筆を執ったのが今をときめく(笑)石原慎太郎氏で、氏が田中角栄を描く。コレだけで興味を引きますよね。読んでみると、作品は「俺」という一人称で語られている。つまり慎太郎氏が角栄氏になって語るんだ~。さてさて、田中角栄の再発見はあったかな。

 

・ないですね(笑)。意外にさっぱり味の小説でした。角栄氏の好意的な部分(つまり政治家としての功績だ)が端折られて、一気にロッキードに行った感じ。ただ日本にこういう総理大臣がいたこと自体が、後生に伝えるべき大切な歴史的事実であるだろうし、若い人が手に取るには最適な書かと思う。

 

・ま、そのロッキードの話題を読むにつけ、真実(何が真実かは分からないけれど)が報道によって歪められているのは今も昔も変わらないんだなあって思う。最近、暴言を吐いて謝罪した大臣がいたけれど、netではむしろ暴言を引き出した記者の方がはるかに批判されていた。情報操作って怖いですよね。だからボクは百条委員会の石原慎太郎氏の言動で溜飲を下げた方・・と言っておきます。

 

(追記:という下書きを打っていたら、あの大臣サン辞任しましたね。第2弾の失言はちょっとかばいようがないですね、東北人としては。)

 

 

天才 天才
 
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・これはいい話です。「西遊記」の沙悟浄、「三国志」の趙雲子竜など、脇役が織りなすサイドストーリーといったところのお話。題名がその作品の性質を明瞭に表していますね。こういう描き方もあるんだ。三国志オタクだって「なるほどな」と言いたくなる佳品です。

 

・ちょっと自慢したいのは、全て元ネタ(原典と言おう)を知っていたこと。薬箱をぶん投げられた刺客の話も覚えていましたよ。ははあ、中島敦へのオマージュという意味合いもあるのか。「李陵」も読み返してみようかな。これは続編があっていいと思う。万城目サンよろしくお願いします。

 

・そんなこんなでさかのぼると、中国文学への蒙を啓かれたのはボク高校1年生の頃でした。三国志をきっかけに漢文を読み漁った時代が懐かしい。そしてウチの娘もやっと高校入学。しかし遅まきながら買ってやったスマホに夢中で読書どころではないようです。うーん・・・。

 

 

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星星星

 

「蒼穹の昴」「中原の虹」から続く、浅田中国近代史の大作であり連作の最新作。清末で綺麗に終わらせず、国共合作まで持っていくアタリが浅田氏の度量の大きさですな。西太后もこの世になく、張作霖も舞台を降りた今、誰がステージに立つのかというと・・。

 

・愛新覚羅・溥儀なわけです。つまりラスト・エンペラー。昔昔映画にもなってましたね(映像美だけは記憶にある)。このキャスティングの吉凶が第一巻ではよく分からない。「蒼穹の昴」から登場するあの人が語り部となるのですが、ちょっと密室の回顧が多くて、ダイナミズムに欠けてたように思う(勝手なコト言いますね読者は)。

 

・ただ絶対にこういう視点で描かれた歴史書は無いはずなので、中国現代史(近代史?)を見直す上では必携の書とも思えるワケです。だって、ボクだって久しぶりに単行本を買ったのだもの。それぐらいのqualityは当然持っている作品ですよ。

 

 

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星星星

 

・12作目かあ・・。ここまで来ると読まずにはいられませんわな。ただ、買うわけではないのがこの作品のボクにとっての立ち位置だろうか。すっかり世相反映路線の筋書きで、現行の社会問題に主人公・マコトが挑みます。ふーん、ユーチューバーって結構大変な仕事なんですね~(鼻ホジー)。

 

・ところでそういう筋書き(つまり社会問題テンコ盛りの)が是であるかどうかという議論もあるみたいなんですが、そもそも石田衣良サンがそういう作家サンだからいいのではないか。ボクがちょっと突っ込みたいのは「あれ、全部キングが出てね?」ということです。

 

・まあ、安藤崇クン=Gボーイズのキングが出てくると話は面白くなる。でも、問題を解決させるのも楽になる。そういう話も必要だけど、一方でマコトが彼自身の知恵とか機転とか頓智とかで問題を解決させるのもこの作品の醍醐味ではないか。そう考えてみると、ちょっと☆を落としちゃうかもね。

 

 

 

星星星星

 

・妻の大学病院の通院に付き合い、待ち時間を持て余し売店で本を選ぶ。小さな売店には文庫が20冊ほどしかなく、さてどれを選んだものか・・・これを選びました。もう何というか本を開く前から村上サンがどんなことを書いているのか予想できる。村上エッセイ好きな私にとっては予定調和の読書を過ごしました。

 

・村上サンのエッセイは、ともすれば難解で不可解で不条理な小説群(ごめんなさい新作を読んでないのですが)に比べれば、大変平易で読みやすい。中学生がレトリックを学ぶ上でも最適ではなかろうか?倒置の倒置で元に戻ってきているような文体も、味わいと言えば味わいです。

 

・そして村上サンは学校(というかこの国の教育システム)が嫌いだったと、様々なエッセイで表明しているのですね。そのシステムにまさに関わっているボクとしては、その解釈に折り合いを付けなければならない立場なワケですが、うん、それは夏休みあたりにゆっくり考えよう(笑)。